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zoku勇者 ドラクエⅢ編 その後編 チビ、いなくなる

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アルベルトが聞くと、ジャミルは闘志満々、意気揚々で答える。
 
「……決まってんだろ、襲い掛かってくるなら蹴散らすまでさっ!」
 
が……、突然ダウドがしゃがみだし……、皆に訴え始めた……。
 
「あたたた……、オイラ急にお腹が……、イタタタ……、
もしかしたら腸がよじれたかも……、あたたた……
 
「……お~い……」
 
「でも、この先の事も考えたら……、止めておいた方が正解かもね……」
 
「そうね……、かなり危険地帯みたいな感じだし……」
 
「そうでしょ、そうでしょ、ねーっ!」
 
「……おい、腸がよじれたんじゃねえのか?」
 
「あたたた!あたたた!今度は胃がねじれたかも!」
 
ダウドは再びしゃがみ込む……。
 
「仕方ねえ、皆、行くぞ!!……逃げろっ!!」
 
4人はモンスターに背を向け、すたこらさっさで逃げ出した……。
無論、その後も全力で逃げまくったのだったが、毎度毎度、
逃走が成功する訳ではなく、時にはちゃんとぶつかって
行かなければならない状況にも出くわした。
 
「はあ、……逃げるのも……、結構疲れるねえ……」
 
「……何言ってんだ、バカダウドめ……」
 
「本当にどうしてこんな所に……、……チビちゃん、どうか無事でいて……」
 
アイシャはチビの無事を心から祈るのだった……。その後も4人は
次々と、今まで訪れた事のある、見覚えのある洞窟の場所に延々と、
飛ばされる……。
 
「イシスのピラミッド……、そして、サマンオサの洞窟……、……何だよ、
俺がケツ噛まれた事のある場所ばっかじゃねえかよ!」
 
「最終的には……、一体何処に出るんだろう……」
 
出口が全く分からない、……先の見えない状況の為、アルベルトも
緊張気味になってきた様であった……。
 
「今度は、ノアニールの洞窟みたいよ?あ、泉があるわ!」
 
「マジか?んじゃ、少し休憩しようや!」
 
「うわあーい!休憩~!」
 
ダウドはグ○コのマークのランニングポーズでパタパタと
泉まで走って行った……。
 
「……おい、腸はどうなったんだよ……、胃はよ……」
 
ジャミルは仕方なしに、ダウドに突っ込みたいのを我慢する。
折角、又ダウドの調子が良くなって来たので、これ以上機嫌を
損ねてヘタレられると厄介な為である。
 
(……此処で水浴びでも出来れば最高なのになあ、汗を流したいわ……)
 
アイシャは男性陣の方をちらちら見る……。
 
「……?ね、ねえ、見てっ!泉に又なんか映ったよっ!?」
 
「えっ?あっ、チビちゃんだわっ!!」
 
ダウドとアイシャの声にジャミルとアルベルトも泉を慌てて覗き込んだ。
 
「……チビっ!!」
 
泉には……、何処かの塔らしき場所をふらふらと歩いてゆく
チビのビジョンが映ったが、それも一瞬ですぐに消えてしまう……。
 
「ああっ、くそっ!も、もうちょっと見せろよっ!!ちくしょーっ!!」
 
「でも、取りあえず……、チビはまだ大丈夫なんだね、安心したよ……」
 
「……チビ、待ってろ……、絶対にお前を取り戻しに行くからな……」
 
 
 
「きゅぴ……?」
 
「どうしたのだ……」
 
「誰かが……、チビを呼ぶ声がしたの……、何だか、とっても
懐かしくて、……優しい声……」
 
「……もうお前は下界に未練がない筈だ……、だから此処に来たのであろう……、
まだお前の心に人間達への思いが残っているのならば……、早く忘れる事だ、
……我が忘れさせてやってもよいのだぞ……」
 
「……やめてっ!そんな事しないでっ!!……チビはもう……、
何も考えないよ……、だからお願い……、チビの心の中にまで
入って来ないで……」
 
「ならば、その名も捨てるが良い……」
 
「きゅぴ!?」
 
「……それは人間達がお前に勝手に付けた名であろう、それこそが
お前を惑わし、苦しめているのだ……」
 
「分った……よう……」
 
「お前は気高きホーリードラゴン……、今日からの呼び名は聖竜だ、
自覚するが良い……」
 
「……きゅぴ……」
 
心の中から張り裂けそうな悲しい思いを堪え……、チビ……、
聖竜は神竜に導かれ、塔の最上階へと向かい、歩いていく……。

不思議な城

次に辿り着いた風景は再度、ネクロゴンドの洞窟……、サマンオサの
城の牢獄……、そして……。
 
「お?今度は何だ、何だい?」
 
「何だか……、随分賑やかね……」
 
「ピキーッ!」
 
「ん?スライム?何で、んなとこに……」
 
突然、ジャミル達の前にぴょんとスライムが躍り出る。
 
「君たちも試合に出るの?頑張ってね!」
 
スライムはそれだけ言うと、ぴょんぴょん跳ねて何処かへ
去って行った。
 
「何だ、あいつ?……試合……?何言って……」
 
しかし、4人は直後、試合の意味を理解する事に……。
 
 
「やれーやれー!負けんなよーっ!!」
 
 
「此処……、か、格闘場……?」
 
ダウドが首を傾げた……。しかし、スタンドにいるのは皆、通常と逆で、
客の方がモンスターの方であった……。そして、何故か4人がモンスター
格闘場のコロシアムの中央にいるのである。
 
「はあ!?つう、事は……、俺らの方が金掛けられてんの?俺達……、
マジで?」
 
 
「おめえ、バカだなあ、絶対にあんな糞共、勝てる訳ねえだろうが!」
 
「何言ってんだ、だからこそ大穴狙いなんだろうが!おい、倍率、
99999・9だぞ!」
 
 
観客のモンスター達の会話がジャミル達の耳に入ってくる。
 
「うわあ……」
 
「すっげー、舐められてる……、んなろ……」
 
と、其処へ敵側のゲートが開き、相手のモンスターが入場してくる。
 
「……バ、バラモスっ!!バラモスだよっ!!あううー!!」
 
「ダ、ダウド……、落ち着いて……、首絞めないでよ……、苦しいよ……」
 
「あううーー!ごめんちゃぼーー!」
 
錯乱したダウドがアルベルトに飛びつく。これではまるで味方同士で
争っている様な光景にも見えてしまう。
 
「きゃあっ!?こっちはトロルだわっ!!」
 
「色違いだから……、相当手強いのは分るね……」
 
ダウドに絞められた首を押さえながらアルベルトがぼやく。
 
「ちくしょう、舐めやがって、……いてこましたるわ、
今の俺達じゃ、あんなもん屁でもねえんだぞ……」
 
「待って、ジャミルっ!確かに僕らでも余裕で勝てるのは
分るけど、そうしたら……、奴らに大量の金が入る事になるんだよ、
悔しくないかい!?」
 
「でも、……何でモンスターがお金使うのさあ……」
 
「おーい、蝿共ー!!負けんじゃねーぞっ!!こっちは有り金叩いて
全部てめーらに注ぎ込んでんだからよー!!負けたらぶっ殺すぞー!!」
 
「うるせーな、バカ野郎!!確かに……、むかつくな……、畜生……」
 
「……とにかく落ち着いて、冷静さを保とうよ……」
 
「ねえ、あそこに階段があるけど……」
 
アイシャが指差した方向に……、もう次の場所へワープ出来るであろう、
階段が見えている。
 
「逃げようよおー!ねーっ!早くチビちゃんの所に行かなくちゃ!!」