zokuダチ。セッション2 楽しき?マンション生活編
騒ぎに気づき、……サラも起きて来た……。
「サラ?……其処にいるのねっ、こっちに来なさいっ!……黙って
家出なんかしてどれだけ人が心配したと思ってんのっ!!え~っ!?」
「お前の身内か……?」
ジャミルがサラに尋ねると、サラはジャミルから目を伏せた。
「嫌よ!私……、戻らないから!!……私だっていつまでも
大人しく守られている子供じゃないのよっ!!」
「何言ってんのよ!いい加減にしなさいっ!あんたは私が守るんだから!
黙ってお姉ちゃんのいう事聞いてればいいのっ!!」
(……すんげー過保護……)
「それが嫌だって言ってるのっ!!……お姉ちゃんの馬鹿っ!!
……ジャミル、申し訳ないけど……、後の事はお願いします……」
「え?あああ、ちょ、ちょっ!!」
サラはスタコラ自部屋に戻り、部屋に鍵を掛け、引き籠ってしまった……。
「開けなさいっ!開けないと……、本当にドアぶち破るわよっ!
……このマンションの管理人は誰なのっ!?」
「……管理人て言うのは……、特に決まっていないんだけど、
責任者は此処にいるジャミルだよお……、でも、やっぱジャミルが
管理人になるのかなあ~……」
「!ダウドっ、おま、いつ起きて来たんだよっ!!」
「そう言う事だ、嬢ちゃん、……文句があるなら、此処にいるジャミルと
徹底的に気の済むまで話し合ってくれ……、思う存分な……」
「ホークっ!テメエもっ!いい加減にしろっ!!」
キャプテン軍団のお子達4人組は、何だか分からないが、昨日から
強化合宿で谷口を筆頭に何処かへ出かけており、騒ぎを免れ、はーちゃんと
モフルンもまだスヤスヤ夢の中であった。グレイとクローディアも、我関せず、
無関心状態で部屋から出て来ない……。
「なんだ、なんだ!?道場破りだって!?」
「朝から……、何なんですか……?」
アルベルトを連れ、シフも慌てて走って来た。
「ジャミル、……玄関の鍵……、早く開けてあげた方が……」
と、アイシャが言った瞬間……。
バキイイイッ……!!
「あ……」
外でしびれを切らしていたらしき、サラの姉は等々、拳でマンション入り口の
ドアを壊してしまった様であった……。スタイル抜群、容姿、顔は中々の
美女ではあったが……。
「入るわよっ!……サラは何処の部屋にいるのっ!?ここっ!?」
トレードマークのポニーテールを靡かせ、サラの姉は1階の部屋のドアを
片っ端から、パンチしまくる。
「すげえ……、って、んな事言ってる場合じゃねえな、おい、よせよ!
まだ寝てる奴だっているんだぞっ!」
「うるさいわねっ!壊してんじゃないわよ!ノックしてんのよっ!!
……はああっ!!」
滅茶苦茶を言い、そして、……等々、部屋のドアの一つに大穴を開けた……。
「ここっ!?此処でもない……、ここっ!?……サラ、いい加減に
出て来なさいっ!!」
「……お姉ちゃん……、お願いだから……、もう帰って!!」
端の方の部屋から……、小さく声が聴こえた……。
「そこねっ、待ってなさいっ!!すぐ行くからね!!」
「コ、コラっ!嫌がってんだろ、よせ……」
「うーるーさーいーーって言ってんのよっ!!邪魔しないでーーっ!!」
サラの姉はジャミルの両足を掴んで逆様にすると、ジャイアントスイングで
ブン回し、ほおり投げて壁に叩き付けた……。
「だ、大丈夫……?ジャミル……」
「きゃー、ジャミルーっ!しっかりーっ!!」
ダウドとアイシャが心配してジャミルに駆け寄る……。
もっとも、前の別の話でも、ブチキレたアイシャに一度、無意識に
ジャイアントスイングを掛けられた事はあるのですが……、これで
2度目です……。
「……だから……、もう勘弁して下さい……」
「サラっ!いい加減に出てこないと……」
「おい、嬢ちゃん、可愛い顔して……、アンタ随分凄いなあ……、
まあまあ落ち着いて……」
「親父っ!!るさいっ!!」
「……あべべーーっ!!」
サラの姉は、肩に手を掛けようとしたホークの後頭部と股間に
肘鉄エルボーをお見舞いした。
「ふむ……、これはいい相手になるね……、次はボウヤ、アンタが
行ってきな……」
シフがアルベルトの方を見て目配せした。
「ちょ、……僕じゃ無理だよ……」
「だらしがないねえ、男の癖に……、どいつもこいつも、貧弱め!」
「う、うう~……」
シフにちょこっと言われたのが気に障ったらしく、アルベルトが困って
モジモジする……。
「エレンーーっ!!やめろーーっ!!」
「落ち着けーーっ!エレンーーっ!!」
「ユリアン、トム……、あんた達!」
突然、緑髪の青年と眼鏡の青年がマンションに慌てて傾れ込んで来た……。
「ハア……、やっと追い付いた……、皆さん、ご迷惑お掛け
しまして……、どうもすみません、エレンは俺達の幼馴染みの
友達です……、妹を追って急にいなくなってしまったので……、
凄く心配していたんですよ、見つかってよかった、さあ、もどろ……」
「……簡単にあたしが戻ると思ってんのかーーっ、この浮気性
緑バカーーっ!!」
「おげしーーっ!!」
エレンは、連れ戻しに来たらしき、緑髪、ユリアンを拳で追っ払った
結果、天井に巨大な穴が開き、ユリアンも何処か飛んで行ってしまった
様だった。
「トム、あんたはどうするの……?それとも……、あたしと本気で
やりあう……?」
「エレン……、俺は君とやりあうつもりはないよ……、ただ、
サラの為にも……、君は姉として、きちんとサラと話し合いを
すべきじゃないかな……?」
「だからっ!あたしはそのつもりなのよっ!……けど、サラが
逃げちゃうんだもの!」
「……そりゃ、あれじゃ怖くて話し合いも出来ないよな……」
「何よ、あんた、言いたい事があるなら言ってみなさいよっ!
えーっ!?」
エレンはジャミルを見て笑みを浮かべると、股間に一蹴りお見舞いした。
「なんで、このシリーズの女はこんなに気がつえーのばっかなんだよっ!!」
「ほおー?」 シフ
「ほおおー……?」 バーバラ
どげしっ!!
ぽかっ!!
「やめてっ!……あなた、エレンさん?……怒って暴れてるばっかりじゃ
何も解決しないよっ、落ち着いて冷静になって!!」
アイシャがエレンの前に立ち塞がり、説得を試みる……。
……自分も前の話で怒って大暴れした前科があるのだが……。
「……お姉ちゃん……」
「サラ、あんた……」
漸く、サラも部屋から出……、エレンの顔を見て、前向きに話を始めた。
「……黙って村を出て来ちゃったのは本当に良くない事だと思ってるわ……、
でも、……私の言い分もちゃんと聞いて欲しいの……、お願い……」
「分ったわ、……私も少し、かっかかっかし過ぎたね……、
ごめんね、サラ……、アンタの事が本当に心配だったのよ……、
だって、あたしの可愛い妹だもん……」
「お姉ちゃん……」
作品名:zokuダチ。セッション2 楽しき?マンション生活編 作家名:流れ者