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zokuダチ。セッション5 騒動もっと盛り沢山編

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グレイはいそいそと、自室に戻ると何かを持って来た。

「待たせたな、では、行くか……」

「えっ?ど、何処へ……」

「あいつの見舞いだ……」

「……え」

アイシャはグレイとチビと一緒に再度、ジャミルの部屋の前に立つ。

「あの……、ジャミル、……いる?」

「いるけど……、何だよ、アイシャか……?やれやれ、今度は何……」

「ふっ……」

ジャミルはアイシャの隣に立つ、嫌味たらしい男、
……グレイの姿を見て口をあんぐり開けそうになるが、
虫歯を見られるかも知れない為、あわてて口を噤んだ。

「な、な、な、な……、オメーまで……、何の用だよ……」

何となく嫌な予感がし、ジャミルは後ろに数歩下がる……。

「……貴様が具合が悪そうだと、アイシャから聞いたのでな……、
見舞いを持ってきた……」

グレイは紙袋をジャミルに向かって突き出す。

「見舞い品?……うわ!」

袋の中を覗きこんだジャミルは困惑する……。

「……不死身屋の春限定の苺ショートだ、高かったんだぞ……、
ちゃんと食え……」

「♪いちごー、いちごー、まっかないちごさん、きゅぴ~」

アイシャに抱かれたチビが首をフリフリ、歌いだすが、ジャミルは
そんな心境では無かった。

(……歌ってる場合じゃねえっつーの……、グレイの野郎……、
これは絶対に俺の事……、虫歯だって勘ぐって、からかってんだな、
畜生め……)

「あの、ジャミル……、さっき部屋に来た時から、何となく具合が
悪そうだなって、思ってたんだけど……、大丈夫……?」

「ああ、俺は別に……、それよりさ、お前らも、んなとこいねえでさ、
中入れよ、折角だから一緒に食おうぜ、コーヒーでも淹れるよ」

「あ、一緒にいいのっ?あは、又、お邪魔しまーす!」

「きゅぴ!」

(……ふむ、随分強気だな……、だが、いつまで続くやら……)

(スカシ屁コキ野郎……、見てろ……)


ちゃぶ台の上には、淹れたてのコーヒーと、グレイの差し入れの
(嫌味)ケーキが並んだ。

「おいしそーっ、いただきまーすっ!……ん~っ、おいしー!」

「きゅぴーっ!」

アイシャとチビは幸せそうにケーキを口に運ぶ。

(ああ、あの幸せそうなツラ……、俺もあんな風にケーキ食ってみてえ……)

……だからさっさと歯医者に行けば済む事なのだが……。

「……どうした?食わんのか……?」

「え?あ、ああ……、今から食うんだ、……う、う……」

「……」

ジャミルは一瞬、ケーキを口に入れるのを躊躇ったが、グレイの手前、
此処で引く訳にいかず、意地で無理に口へと押し込む。

(やっぱすげえ……、苺の甘さがもんのすげー、歯の痛みに来るわ……、
けど、何が何でも……、くそっ、平常心だっ!!)

しかし、ケーキを一口、二口……、口に入れる度に痛みで等々、
冷や汗が出て来た。

「ジャミル、どうしたのっ、大丈夫!?」

「……凄い汗だよお!」

アイシャとチビが心配するが、ジャミルは構わずケーキを口に
どんどんほおり込み。

「……まいりました……、ごめんなさい……、あっしの負けでヤンス……」

その場に倒れたのであった……。

「……ギブアップだ……、アイシャ、歯医者に連れて行って
やった方がいいぞ、こいつは虫歯だ……」

「えっ!……やっぱりっ!!……ジャミルったらっ!!もうっ、
……ああ、あんなに奥の歯が黒くなってるわ!駄目じゃないのっ!!」

アイシャがジャミルの口の中を覗きこみ、仰天した。

「……燃えたよ、燃え尽きた……、真っ白にな……、ふ、ふふふ……」

「何馬鹿言ってるのっ、早く歯医者に行くわよっ!ほらほらっ!」

「あ~、う~、……結局、こうなるんだなあ……」

「……バカなのは元からだがな……」

「うーるーせー……、この糞グレイめっ……!!ちくしょ~、後で
覚えてろよっ……!!」

「何をだ?」

「!!!むっ……、きいいいいーーっ!!マキグソクソーっ!!
縮れ流し素麺頭めーっ!!」

アイシャに引っ張られ、部屋を出るまでジャミルのグレイへの
意味不明の罵詈雑言は続いたのであった。

「……ふぁあ、チビも帰ろうーっと、ご馳走様でした!」

「ふっ、では俺も帰るか、……本当にからかいがいのある奴だ……」


お引っ越しだゾ

この間のラグナに引き続き、マンションに又も新しい住人が
引っ越して来た。ここの処、何だか新規住人ラッシュであった。
黒子にしょっちゅう新しい住人の事を聞かれるのでそれはそれで
喜ばしいことなのだが、ジャミルの気苦労もどんどん増えて
行くのである。今年の大型十連休、子供の日が近いので、柏餅を
しこたま食って部屋でゴロゴロしていたジャミルは又もアイシャに
起こされる……。最も、一年中毎日が連休の様なRPG出身組には
連休も何も、いつもと同じだが。

「起きてっ、ジャミルっ!又、新しい人達が来たみたいよ!
しかも、今度は家族連れみたいなの!」

「……ん~、またかよ、ふぁあ~……」

眠い目を擦って、エントランスへと向かう。今回の住居人は……。

「ちっす、どもうー!」

「あはは、こんにちはー!」

「おおー!」

「たいっ!」

「アンっ!」

「……ボ……」

玄関先にいたのは、無精ゴマ髭の親父、母親、ジャガイモ頭の
ゲジ眉小僧と、巻き毛ヘアーの赤ん坊、それに、全身毛玉みたいな
真っ白な子犬に、鼻を垂らした変な子供。

「あんたらも今日から入居するんだな?……ふ~ん……?」

「……たいっ!たいっ!」

「!?」

どういう訳か、母親に抱かれていた赤ん坊が異様にジャミルに
興味を持った様であり、やたらとジャミルのパーカーの裾を
掴んでくいくい引っ張るのであった。

「こ、こらっ!ひまっ!駄目でしょ、お兄さんのお洋服が
伸びちゃうでしょ、全くもうーっ!どうもすみませーんっ!!」

「たいーっ!」

「い、いや、別に……」

「……ひまは若い男とイケメンに興味があるんだゾ……」

「そうなのか、ふーん……」

赤い服のジャガイモ小僧がぼそっと喋る。これは喜んでいいのか、
悪いのか……、ジャミルは複雑な心境になる……。

「おお、そうだ、今日から此処に世話になるんだから、自己紹介
しておかないとな!俺は、野原ひろし、一家の大黒柱だ」

「父ちゃんの足の臭さは絶品なんだゾ、おかちづきの印に嗅いでみる?」

「こらっ、しんのすけっ!!いやー、すいませんね、全くもう……」

「……」

「私は、野原みさえです、宜しくね、で、さっきからうるさくて
すみません、こっちが息子のしんのすけ5歳と娘のひまわりと、
飼い犬のシロです」

「ほほーい!」

「たいやいーっ!」

「アン!」

「ぼく、ボー……、しんちゃんの……、ともだ、ち……、なんと、なく、
いっしょに、ついて、き、た……、ぼく、も……、ここ、で、いっしょ、
に……、しんちゃん、たちと……、す、む……」

「はあ?」

カタコトで話す、ぼーっとした子供。この子だけは、しんのすけの
友達で赤の他人らしいが……。一体何故ついて来たのか、不明……。
考えると頭が痛くなるので、実の親はどうしたんだとか、ジャミルは