zokuダチ。セッション6 トラブルもどんと来い!?編
「じゃあ、私、お部屋に戻るね、しんちゃん達も戻ろうか?
私、お部屋まで二人を送るわ、行こうか、ジタンもダガーも又明日!」
「ほほーい!」
「やいー!」
「又なー!」
「お休みなさい……」
「はあー、行っちまった……、って、そんな場合じゃないっ!
男の喜びを……、はっ……!?」
「男の喜び……?」
「ダガーがいたんだった……」
「ねえ、……男の喜びって何なの?教えてよ、ジタン!」
「うわ、ダガー……、顔近い、顔近いって、……あああ!
そんなに、顔近づけたら……、あああっ!」
ジタンは必死で自分の膨らみ掛けた股間を押えた……。
と、其処に野球バカ4人組が通りかかる。
「あ、先程はどうも……」
谷口がジタンに挨拶した。
「いや、……オレとあんた、歳同じじゃん、何でそんなに
敬語使うんだ?」
「何ででしょうね、僕も不思議です……」
「はあ……」
「おい!この尻尾野郎!谷口さんに纏わりついて何考えてんだよ!?」
丸井は血管を浮かせ、ジタンを見た。
「……そしてお前は……、オレより歳が下だろう……?」
「何でかな?アンタもおれっちより年上に見えねえからだっ!」
「あ、そう……」
「丸井、失礼だろう……」
「谷口さーん、すいませーん、どうも俺って正直で……」
「……あのな……」
「ほら、近藤、びしっとしろよ、びしっと!」
「……んな事言うたかて、イガラシはーん、……せっかく帰って
来たばっかやのに……」
「あの、これから何処へ行くの……?こんな夜遅く……」
ダガーが訪ねると、谷口は平然とした顔で答えるのであった。
「これから少し、公園で夜間練習です」
「まあ、……頑張るわね……、偉いわ……」
「おいおいおい、……明日の朝も早朝練習するんだろ?お前ら本当に
大丈夫……」
そう言い掛けたジタンは……、4人組の股間が異様に膨れ上がって
いるのを見てしまった……。
「……」
「な、何か……?」
「い、いや何でもない、それよりあんまり無理すんなよ!気を付けてな!」
「はあ、どうも……」
……谷口達は不思議そうな顔をしながら、ジタンの顔を見、外へと
出掛けて行った。
「……心配する事なかったなあ、やっぱり奴らも男だったんだな、
……うんうん……」
「何言ってるのよ、皆男の子なのに当り前じゃないの……」
「はあ、やっぱりまだまだダガーもお子ちゃまだなあ、そのうち、
……オホン、もっとオレが色々教えてやんなくちゃな、うんっ!」
「何よ、変なジタン!」
「さーてと、オレはジャミルに報告に行かないとな、奴らは
普通だったってな!」
「???」
……わざわざ報告に行く程の事でもない……。
そして、すでに就寝していたジャミルは……、ジタンによって、
再び眠りから叩き起こされたのであった。しかし、ほぼ半分は
夢の中にいたが。
「ほんっと、良かったよー、奴らもさ、男だったって確信出来た、
オレさあ、奴らが野球の事しか頭にないもんだとばっかり思って
たからさー、……聞いてる?ジャミルー、……もしもーし!」
「あふぁーん、……駄目ら、アイシャ~、う、うへへえ……」
「お、夢みてんだな……?よーし、オレが男の証を確認してやろう、
……お、おおお、……意外とでかくなるなあ、アンタの此処さ……、
極めて正常だな!」
「……せえっつんらあ……」
ピッパー君、入居する?
その日の早朝、酔っぱらったホークの親父がマンション内に
変なロボットを持ちこんで来てしまい、マンションでは又
ちょっとした騒ぎになっていた。
「……バカだねえー、どうするんだいっ、これっ!」
バーバラが呆れてホークの方を見るが、ホークはすっとぼけた
表情をした。
「何か気が付いたら、持ち込んで来ちまったみたいでよ……」
「んな理由があるかよ、……これ、携帯電話ショップにいる奴だろ、
おっさん、責任持ってちゃんと返してこいよ……」
「よし、じゃあ、ジャミル、その役目はマンション責任担当者の
お前に任せよう!」
「……何でいつもそうなるんだよっ!この、糞親父っ!!」
ジャミルはホークの首を羽交い締めに掛かる。
「あたたた!……あたたたた!だ、だけど……、チビ共には評判いいみたいだぞ……」
「……僕はピッパーです、どうぞ宜しく、ちなみに、臭いおならのでる
特殊機能つきです……」
「たいー?」
「ロボットさーん、オラとじゃんけんしましょー!」
お子様のしんのすけとひまわりは変なロボットに夢中であった。
「んな事言ったって、店のモン盗んで来たら駄目だろうが!
返してこいっつーの!」
元・シーフが何を言うか……。
「ん?今何か聞こえた様な、気の所為か……」
「……う~、アンっ、アンっ!!」
「お?こら、シロー!マンションの中に入って来ちゃ駄目だゾー!」
「アンっ!アンっ!!」
興奮して、鎖が外れたのか、外の犬小屋にいるシロが中に
入ってきてしまい、しんのすけが再び外に連れ出すが、シロは
脅えてキャンキャン吠え続けた。
「とにかくこれ、見た目がアレなんだよな……、外見もう少し
可愛くすりゃいいっつーのに……」
「何ですか?僕の悪口ですか?悪口合戦なら負けませんよ、僕、
意外と毒舌なので……」
「おおうっ!?俺の言った事に反応したっ!!」
変なロボットは、独特のギョロ目でジャミルを睨んだ。
「そら、会話ぐらい当り前にするだろうさ……、技術はどんどん
進化してんだからさ……」
バーバラがポンと、ロボットを軽く叩いた。
「おばさん、化粧臭いですよ、それからもう少し、アイシャドウと
ファンデーションは薄めにしたらどうですか?」
「……あんだとっ!?誰がおばさんだっ!!ロボットにまで
言われる筋合いわねえーわーっ!!」
「落ち着け、バーバラ、これは店の物だからな、壊すなよ、壊すなよ……」
「おめーが酔っぱらって持ってきたんだろーーがっ!!」
「……あひょおおおーっ!?」
ホーク、バーバラに殴られ、寄り目になってその場に倒れた。
「プ、ロボットにまで言われ……、んーっ!」
「……黙ってろっつんだよ、ジャミ公、このままだと
ロボットを破壊しかねえぞ……」
倒れたホークは反射的に起き上がり、慌ててジャミルの口を
素早く塞ぐ。
「だから早く返して来いっつーの、糞親父!!」
「……おじさんもさっきからちょっと臭いですよ、そろそろ
加齢臭が始まる年齢と倦怠期なんでしょうか……」
「あんだとおーっ!?この糞ロボットがあーっ!!」
「だからっ……!!早く返して来いっつーんだよっ!あーっ、
もうー!何で俺はいつもこんな目に遭うんだよお~……」
ホークを必死で取り押さえながらジャミルがぼやいた。
「ねえねえ、ちょっと、何よそれ……」
「携帯電話屋さんによくいるロボットかしら、どうしてこんな所に
いるのかしらね、お姉ちゃん……」
「あたしが知るワケないじゃない!もしかして、わざわざ買ったの?
こんなもん……」
其処にエレンとサラのカーソン姉妹がやって来る。最初のうちは
穏やかで別に何事も無かったのだが。
作品名:zokuダチ。セッション6 トラブルもどんと来い!?編 作家名:流れ者