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zokuダチ。セッション7 夏はすぐ其所編

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「折角だし、付き合いでアンタも飲んでけば?」

ジャミルは遠慮する糞真面目なトーマスに無理矢理ホークの飲み残しの
ビールを飲め飲め、勧める。

「仕方ない、少しだけなら……」

「そう来なくっちゃ!今日は無礼講なんだからさ!遠慮いらねーって!
本当はアンタも飲みたいんだろ?遠慮すなすな!」

ジャミルのあまりのしつこさに根負けしたトーマスは、仕方なしに
ビールを口に付けた。

そして……。

「……」


……カッ!!


「お……?」

急にトーマスの眼鏡が光って、カットインになり、目から
怪光線ビームを発射した。

「ああっ!お、俺の部屋の窓ガラス……、割れたーっ!!これ
どうすんだよっ!!」

「……だまらよ、トムにのませひゃ……」

「癖が悪いんなら最初から言えよ!この緑バカーーっ!!」

……その間にも、トーマスのビームは止まらず、部屋の彼方此方にビームを
発射しまくる。

「……やめれーーっ!!俺の部屋破壊する気かーーっ!!この
メガネバカーーっ!!」

今度は、トーマスにメガネバカ暴言である……。

「……駄目らよ、酔いがさめるまで……、♪あ、よいよい」

「お、……げ、ええええ……、ろ……」

「あっ……!!この糞親父っ!!俺の部屋に……、あああーーっ!!
チクショー、よくもやってくれたなあーーっ!!」

……遂に切れたジャミルが、ホークの足を引っ掴んでサソリ固めを仕掛ける。

「いでででで!ロ、ロープ、ロープっ!!た、助けろーっ、
ゲラ=ハーーっ!!」

「……ねえよっ、んなモンっ!!フンっ!!トカゲも来ねーっつの!!」

「おっ?プロレスの試合かい!?俺に取材させて……、
あ、あーーっ!!」

ネタを探し回っていた野次馬ラグナが部屋に入ろうとし……、
特に意味もなく、足が縺れて早速転倒した。

「……きゅう~、誰か、起してくれ……、あ、足が縺れた……」



「……はあ」

一方のダウドは、エントランスの共用玄関先でオロオロ、あっちに
行ったりこっちに行ったり、只管往復を繰り返していた……。

「ダウド、何してるんだい?」

「アル、あのさ、自分の部屋に戻ろうと思うんだけど……、
ジャミルの部屋で何か破壊的な酒乱騒ぎが起きてるみたいで、
うるさくて……、オイラの部屋隣だし……」

「そう……、今日明日は、バーバラもシフもエレンもいないからね、
大変だね……」

……こんな時、……馬鹿な男共をシメてくれる、強ーいお姉さま達の
有難みがしみじみと分るのである……。

「アルは何処か出掛けるの?、オイラ、さっきジュースを買いに行って、
戻ってきたら、……ああだよお……」

「僕はこれから、図書館にね……」

「オ、オイラも行く、一緒にお供に行くよお!!」

「珍しいね、まあいいけど……」

今回、ジャミルは酔っぱらっていないものの……、それにしても
癖の悪い酔っ払いは、いやーねえ……、である……。


台風に備えよう・1

今年、最初の台風が発生し、この島にも直撃しようとしており、
ジャミルと一緒にテレビのニュースを見ていたダウドは不安になり、
脅え始めた。

「や、やばくない……?かなり大型みたいだよお、どうしよう……、
まだ5月終盤なのに……、やっぱ最近、異常気象だよねえ……」

「焦ったってしょうがねえって、こればっかりは……、自然災害だけは
どうにもなんね……」

「で、でも……、いざという時の為に色々準備しておかないとさあ、
……オイラ部屋に戻るね!」

「やれやれ、神経質な奴だなあ、たく……」

そう言いながらジャミルは呑気に床に寝転がる。

「けど、備えあれば嬉しいなあ!って言うからな、……俺も懐中電灯ぐらい
常備しておくかなあ……」

「ジャミルっ、それはアタシが言おうと思ってたんだから!
ことわざ大先生の美奈子ちゃんをなめないでよっ!」

「……み、美奈っ!ホ、ホントにいつもいつも、ごめんねえ~、はは!」

また突然部屋に顔を出した美奈子をアルテミスが慌てて引っ張って行った。

「……なんだありゃ、まあいいけどさ……、けど、ことわざ大先生って何だ?」

買い出しに行こうと、部屋の外に出、エントランス付近に向かうと、
いつものおばさん連中がアタフタ、大騒ぎであった。

「……誰がおばさんだっ!?ああっ!?」

シフがずかずかと、ジャミルに詰め寄って来る。

「俺、何も言ってねーし!」

「……たくっ、アル、これも運んどいてくれるかい!」

「了解!」

アルベルトは、どうやらシフの部屋への荷物運びを手伝わされている
様子だった。

「それにしても、すげえ荷物だな……、それ……」

「今夜、直にくるらしいからね、アルと一緒に買い物に行って来て、
必要な物を買い込んだのを手伝って貰って運んでるのさ!」

「はあ、相変わらず真面目だな、用意がいいです事……」

「ジャミルはもう、準備したのかい?」

「いや、今から買い出しに……」

「……そう、頑張ってね、シフ、大体これで全部運んだけど……」

「御苦労さんだったね、これはあんたの分の備えの一式だよ!」

「有難う!」

シフはそう言って、段ボールをアルベルトに手渡した。

「ああ、いいなあ、なあ、俺も……」

「……あんたは自分で買い出しに行って来なっ!!」

「ケチっ!!」

「手伝わないんだから当り前だろう!甘えんじゃないよっ、ホラ、
さっさと行きな!」

「へいへーい!……お?」

「あんた達っ!これから台風が来るんだよっ!こんな時に練習とか
いい加減におしったら!!」

「いいえ、……僕らは例え雨風が来ても、日々のトレーニングは
欠かすわけには……」

「ワイは嫌でんねん……」

「近藤っ!てめえ、谷口さんの決めた事に逆らおうっつーのかっ!?」

「丸井さんっ、……およしなさいよ!」

こっちの厚化粧おばさんは……、台風が来るにも係らず、これから
練習に出ようとする、野球バカ4人組を止めようと大騒ぎであった。

(……違う意味でバカだなあ、こいつら……)

「ジャミルっ!アンタさっき何か言わなかったかいっ!?」

バーバラが目くじらを立て、ジャミルに近寄って来る。

「……だから!俺じゃねーってば!!」

「全く!アンタもこいつらを止めなよっ、これから練習に出るって
聞かないんだから!!ホントに頑固なボウヤ達だねっ!!」

普段の口調はきつい処もあるが、やはり姉御肌のバーバラは心配性で
母親属性もある為、面倒見が良いのであった。

「……今日だけはホントに止めとけよ、怪我でもしたらそれこそ
大変だろうが……、一応俺らも止めてんだから責任もてねーぞ……」

リーダー格の谷口は暫く唸っていたが、やがて諦めてジャミルに
返事を返した。

「分りました、今日は止めます……、みんな、これから台風に備えて俺達も
準備をしよう……」

「はあ~っ!助かったわあ~っ!!」

「……なんだとっ!?……近藤おおおーーっ!!」

「丸井さんっ!!だから、およしなさいったら!!」

「……」

やがて、野球バカ4人組も、各自の部屋へゾロゾロ戻って行った……。

「はあ、世話が焼けるよ……」