zokuダチ。セッション8 さらにトラブル続発編
「さあー、皆さん、バスに乗りましょう、出発しますよー!」
……こうしてジャミルは初めて幼稚園バスという物に乗車する事になった。
「おい、アルっ!」
「な、何……?」
ジャミルが後ろの席に座っているアルベルトを構い始めた。
「お前、今朝洩らしたんだって?……お・ね・し・ょ!」
「……な、なっ!うるさいなあーっ!!」
「ジャミルったら、よしなさいよっ、もうっ!」
「……オラ、うんち洩らしたゾ……、しかもちゃんと拭かなかったから……、
まだ少しおパンツにくっついてるんだゾ……」
「……うわっ!どうも何か臭うと思ったらっ!てめっ、ケツぐらい
ちゃんと拭いてこいっ!!」
「ぬへへ~、ぬへ~……」
しんのすけ、余計に喜び、尻を出しジャミルを挑発する。
(はあ、子供でも疲れんなあ~、……どうせ疲れんなら早く元に
戻った方がいいわ、これじゃタバコも吸えねえし……、早く夢から
覚めてくれよな……、くそっ……)
「……けけけ、けけっ!これは夢ではないのりゅ~、つまんねーから
zoku勇者の方から特別出張してやったりゅ!久々のベビーサタン、
リトル様参上りゅ、けーっけっけっけ!お前らはリトル様の掛けた
魔法が切れるまで暫くはガキンチョのままなのりゅ!んじゃ、
あばよー!いい夢みろよー!りゅ、……けーっけっけっけ!」
……どうやらこの幼児化の原因は別世界から暇つぶしに
出張して来たらしい、小悪魔の悪戯であった。そうとは知らない
ジャミルはこれは夢だと完全に思い込み、全く気が付かない。
そして、バスも幼稚園に到着し、園児達の一日のお勤めが始まる。
……ちなみに、組は皆、しんのすけの組、ひまわり組に全員
押し込まれた様である。
「みなさーん、お早うございますー!みなさんの担任の愛野美奈子
先生でーすっ!」
「……補佐のアルテミス……、です……、とほほ~、何でこんな事に
なってんの……」
やっと顔を出した担任が朝のご挨拶をするが、何と先生は美奈子であった。
園児達は皆騒いでおり、誰一人として見向きもせず。
(……あー、つまんねえ、此処、吸える場所あるかな……、黙って吸っても
わかんねーだろ……)
ジャミ公……、どうしようもない不良園児。
「ちょっと、みなさんっ、先生が挨拶してんのヨっ!みんなもちゃんと
ご挨拶ですよ!ほらほらほらーーっ!」
「……おばさん、うるさいゾ……」
「……だーれがおばさんだってのよーーッ!……えええーーっ!?」
「美奈ーーっ!落ち着けーーっ!」
園児に相手にして貰えず、おまけにしんのすけにおばさん扱いで
美奈子はブチ切れ。……早くも大騒ぎになりつつあった。
「美奈子先生……、落ち着きましょう、こ、子供の言う事ですから、
……此処は穏便に……」
組長先生が汗をふきふき、美奈子を必死で宥める。
「……もう~っ!こうなったら、色気ムンムンのこの美奈子ちゃんの
バツグンのお色気スタイルっ!とくと見やがれってのよーーっ!」
「……美奈子先生ーーっ!」
「美奈あああーーっ!!」
ヤケクソ暴走美奈子、いきなり服を脱ぎだす。そして白ビキニスタイルに……。
……それを鼻血噴射で直視で見ている変な園児が二人……。
〔げんこつ〕
〔げんこつ〕
「……目、覚めた?……ユリアン、ふんっ!!このバカ緑ドスケベっ!!」
「……いっつ~……、覚めたどころじゃないぞお~、……エレンっー!!」
「決まるとスカッとするのですね……、ラケットもいいけど、
今度からコレも是非活用させて頂こうかしら……」
「……ダガーさん、本当にお強くなりましたね、……オレはうれし……、
ガクッ……」
「……」
「何だよ、アイシャ……」
「別にっ!」
アイシャもジャミルの様子が気になった様で、ジャミルの方をちらちら
窺っていた様である。組長……、もとい、園長とアルテミスに注意され、
美奈子はしぶしぶ、又衣服を羽織った。
「じゃあ、今日は好きなお友達の顔を描いてね、自由に描いてねーっ!」
……いよいよ、ジャミルの幼稚園での長い一日が始まったのであった。
ジャミ公の暴走幼稚園体験記・2
取りあえず、ジャミルはダウドの顔を描く事にしたが。
「……」
ジャミルの絵が気になったのか、時折ダウドが絵を覗き込む仕草をする。
「み、見るなよ、何だよ……」
「あっ!オイラ、そんなに鼻の穴でかくないよっ!それに目が垂れすぎ!
失礼じゃないかあ!描き直してよおお!ジャミル、絵、へたっぴ!!」
「うるせー奴だなあ、……見るなって言ってんのに!あんまり大声出すなよ、
他の奴が見に来るじゃんか……、て、オメーこそ、その絵は何だっつーの!
……何でっ、タバコ10本も銜えて彼方此方から煙出してんだよっ!!」
耳にもタバコ刺してんじゃねーか!俺は蒸気機関車かっつーの!!」
「ありのままを描きました……、絵はね、大胆なイメージと想像力が
大事なんだよ……、オイラはね、かの有名な画家、〇カ〇さんを
目指そうと思って……」
「うるせー馬鹿っ!今すぐ描き直せーーっ!!」
「はあ、うるさいんだから、もうっ、あの二人は……」
アイシャはアルベルトの顔を描いている様で、大きなため息をついた。
「アイシャ、ちょっといい?あの、……絵が見えちゃったんで……」
「え?あはは、み、見えちゃった?何か恥ずかしいなあ……」
「……僕、何だかお金に埋もれて窒息してるみたいなんだけど、
その絵……、違う……?」
「……」
……行っている事は、ジャミダウコンビとあまり大佐無いのであった。
「こむぎのおかお、かけたー!」
「……それ、いし……?」
「やだなあ~、これはこむぎのおかおだよーっ!」
「きゃわああ~んっ!?」
「いし……、ボオ!!」
こちらのコンビはほのぼのムード。いろははこの頃から芸術的センス有らず。
……そして、此方は。
「ちょっとジタンっ!あなたは一体何を描いているのかしら!?」
「ああっ!……つ、つい、何でかなあ~……?」
お子ちゃま状態、精神になっていてもやっぱりジタンはジタン。
うっかり、ヌード姿のダガーを描いてしまった。
「ああ~、暇だわあ~、……どっかにいい人転がっていないモンかしら……、
あらっ、やだわん!さあ、時間よー!描いた絵は先生に提出してねえー!」
「……美奈……」
アルテミスがまた呆れる中、それぞれの毒アートは美奈子が回収していった。
そして、園児達のお遊び時間……。
「えへへ、へへ……」
「な、何……?」
風間がアルベルトの顔をじっと見た。
「何だか、君とは気が合いそうな気がするよ……、うん……」
「ハア……、そうかな……」
「ね、ねえ……、君、確か……、ダウ君?お、おともだちに、な、なろうよ、
えへえへ……」
マサオ君も顔を赤くしてダウドの方へやって来る。
「うん、いいけど……」
「ほんとっ!やったー!」
「えーっと、君も……、アイちゃんなんだ?僕、風間トオルです、
よろしく!」
「えへっ、マサオだよ!」
「うふふ、こちらこそ、宜しくね」
「……おーおー、皆さん、モテモテです事……」
作品名:zokuダチ。セッション8 さらにトラブル続発編 作家名:流れ者