zokuダチ。セッション9 集え英雄(ヒーロー)編・1
ひろしを見上げた……。
「とにかく……、今はおじさんを浄化させて元に戻さないと……!」
「虹色魔法で一気に攻めましょう!!」
「行くわよっ……!!」
「……そうはいかねえぞお~、おめーらも、オレの足の臭いを嗅いで
幸せになりやがれってんだあ~……!!」
「……きゃあああーーっ!!」
プリキュア達が防御技を使う隙もないまま、怪人足クッサーは巨大な足を
向け悪臭を放つ……。
「プリキュアーーっ!!頑張れだゾーっ!!」
「たいいーっ!!」
「……ボー!がん、ばっ、て!」
「……だ、駄目……臭くて……、動けな……」
「……身体が……、しびれ……て……」
「……し、しっかりするのよ、ミラクル、……フェリーチェ……、
わ、私達が……、立ち上がって……頑張ら……、ない……と……」
「……お嬢ちゃん達、終わりだ……」
「……モフーっ!!ミラクルーっ!マジカルーっ!フェリーチェーっ!
しっかりするモフーっ!!」
モフルンが絶叫する中、怪人足クッサーがプリキュア達に刻々と
近づくのであった……。
「来ないでモフー!!」
「くまちゃんよう、おめえも……、オレの足の臭い……、
嗅いでみるか……?」
「……待たせたな!臭い消しには消臭剤スプレーだ!この野郎!!」
ぷしゅうう~……
「……モフ~?」
突如何者かがが部屋に乱入し、怪人足クッサーに向けて、
消臭剤スプレーを放つ。
「くおーっ!?くそっ、小癪な真似をーっ!!」
「あなたは……、スネークさん……!?」
「おう?お嬢さん達、良く俺の事知ってるね!嬉しいぜ!おお、
その格好、今流行りのヒロイン戦士って奴かい?」
「……はい?わ、私達は確かに悪者達と戦っています、
魔法つかいプリキュアです……」
先に悪臭から漸く立ち直ったミラクルがきょとんとする。
野原家ルームに乱入し、皆の危機を救ったのはスネークだった。
ミラクルはうっかりスネークの名前を呼んでしまったが、
スネークはミラクル達の正体に気づかず。
「プリキュアー!今モフーっ!!」
……そして、アレキサンドライトスタイルにチェンジした
プリキュア達3人によって、ひろしの悪の足悪臭は虹の彼方に
飛んでいき……、無事ひろしも元に戻ったのであったがやっぱり
真の足の臭さだけはどうしても飛んで行かなかったのである……。
「はあー、助かったあ~、面目ねえ……、嬢ちゃん達も、其処の
おっさんも有難うな……、変な怪人集団が部屋に傾れ込んで
来たと思ったら……、俺に向けて怪光線浴びせやがった、
……そしたらさっきの通りさ……、奴ら、その後で逃げて
行っちまいやがった……」
「無事に元に戻って良かったけど……、それにしても……」
「酷い事するわね!何なのっ!」
「全くです!許せません!」
「モッフー!」
「おっさんにおっさんと言われたくねえモンだが……、その
ちっこいクマは確かあの、みらい嬢ちゃん達といつも一緒にいる
相方のクマだよな……?」
「えっ!?えええっ!!」
「モフっ!?」
此処でも何故主人と一緒にいないのか、スネークに突っ込まれる
ミラクル達。
「大丈夫です、みらいちゃん達は私達が安全な処に避難させました!」
「だ、だから、大丈夫なんですよっ!!ちゃんと計算通りだしっ!」
「……俺が聞きたかったのは、何でちっこいクマも一緒に避難して
ないのかと言う話だが、まあ、本人達が無事でいるならいいだろう……」
「あはははっ、と、とにかくっ、私達はもう行かないとだよねっ、
他のマンションの皆も助けにいかないと……!!」
「でも、野原さん達をこのままにしておくわけには……、
また怪人達も現れる可能性もありますし……」
「そ、そうだよね……」
「どうしたらいいのかしら……」
「……じい~っ……」
「な、何だ……?」
ミラクル達の視線は揃って一斉にスネークの方を見た……。
「その視線は何だ……?俺に此処に残ってこの部屋の
護衛をしろと……?」
そうです!……と、言う様に、ミラクル達が刻々頷く。
「お願いします、小さな子供さん達もいますし……、強くてかっこいい
スネークさんなら安心かと思いまして、どうかお願いします!」
「ふ~む……」
スネークは持っていた葉巻に火を付け、暫く考え始める。ミラクルの言葉、
強くてかっこいい……、に、ほだされ掛ってきている。
「しかしなあ~、俺としちゃ、外で暴れてる方が性に合うんだが……、
大体、嬢ちゃん達に戦わせておいて、いい大人が部屋で……、なあ……」
「で、でもっ、お願いしますっ!私達を信じて下さい!」
「この通りです!」
「どうかっ!……それに護衛だって立派な仕事だわっ!」
フェリーチェもマジカルもスネークに頭を下げる。それを見たスネークは
遂に心を折った。
「そうか、そんなに戦いたいのか……、若いのに健気だねえ、よし、分った、
こいつらの護衛は俺に任せな、ま、安心して行ってきな……」
「スネークさんっ!」
「モフーっ!」
「さあ、早く行きな……、おっとそれから、途中までラグナとか言う
変な奴と一緒にいたんだが、バトルの最中に奴が途中ですっ転んで
そのまま逸れちまったのさ、もしも何処かで見掛けたらフォローして
やってくれ、他の場所でも倒れてるかも知れないからな……、頼んだぞ……」
「任せてっ!行くよっ、マジカルっ、フェリーチェ、モフルンっ!!」
「ええ!ミラクルっ!」
「はいっ!」
「モフっ!」
「……皆さん、どうかご無事で……」
「助けてくれて有難う……、けど、無理、しないでくれよな……」
「プリキュアのお姉さん達、がんばってー!オラ達も応援してるゾー!!」
「たいやー!」
「……ボウ~……」
「……クウ~ン……」
皆の声援を受け、ミラクル達は再び戦いの場へと飛び出し、
野原家ルームを後にする……。
集えヒーロー・6 大混戦
そして、此方も戦闘能力の無い谷口達、野球バカ4人組は……。
「あの、これ……、どうすればいいのかな……」
「キー!」
「キー!」
解放廊下で無限に増え続ける怪人達を見て、谷口が溜息をつく。
「谷口さんっ!俺が護りますっ!……オラぁああっ!!」
……多分、このメンバーの中では恐らく、一番戦闘能力が高いであろう、
丸井が率先し、バットと蹴りで怪人達と戦っている……。
「何してんだよっ、オメーらも戦えよっ、イガラシっ!近藤っ!!」
「……無理ですよ……」
「無理やがな……」
「無理じゃねーっつってんだっ!オラッ、戦え、近藤っ!!」
「……ぎゃあああーっ!いたあーーっ!!」
「丸井さん、……攻撃する相手が違います……」
「……よっ、と!!」
「キイイイイーっ!?」
……其処へ、アルテマウェポン装備のジタンと援護のダガーが
駆けつける。同じく、元の世界での力を取り戻したジタンは素早い
動きでダガーの白魔法サポートを受けながら、怪人達に突っ込む。
「おい、大丈夫か?お前ら、無理すんなよ、此処はオレ達に任せて、
部屋に隠れてろよ!!」
「……はあ……、だけど、僕らにも何か出来る事があれば……」
作品名:zokuダチ。セッション9 集え英雄(ヒーロー)編・1 作家名:流れ者