zokuダチ。セッション11 集え英雄(ヒーロー)編・3
「知らないザマス……、ワ、ワワワ、ワタクシ、マンションの住人では
ございませんから……!ヲホホホ!」
「次はきっと、次は私達がぶん投げられる番ですわアーーっ!」
……脅えて固まり……、ガクブルしながら何故か奥様モードになる、
ジャミル、アルカイザー(レッド)、ユリアンの男3人……。
「なにおはなししてるのっ!♪じゃあ、みんなもなげてあげるーーっ!!」
「おーいっ!オメー、顔が……、笑いながら言うなーーっ!」
「ちょっとッ!遊んでる場合じゃないっしょ、アンタラっ!」
「そうだよっ、セーラーVに言われちゃったらお終いだよっ!」
「……(重ね重ね)ちょっとッ!ミラクル、アンタ今何か言ったでしょっ!」
「……よくも、よくも、よくもーーっ!この天才的頭脳のぼくちんに
コブを作ってくれたなあーっ!!成敗いたすーーっ!!……もう絶対に
絶対に……ゆるさアアアアアーんっ!!」
……待って……
「あ……?」
「何、この声……、何処から……」
ジャミルとケフカ達の前に……、ふっと金髪ポニーテールの
少女が現れる……。
「だ、誰だい、あれ?空中に浮かんでるけど……」
「み、見ろよ、ユリアン、中々可愛い子だなあーっ!」
「また始まった、お前いい加減にしろよ、ダガーに言いつけるぞ……」
「……お前か、何しに来た……?こんな処まで……」
ケフカが怪訝そうに自分の目の前に現れた金髪の少女を見た……。
「此処は、あなたのいる場所じゃない、……あなたと決着をつけるのは
私なの……、もう、この場所から出るのよ、早く……、これ以上……、
他の場所に君臨する事は許さない……」
「何処までも……邪魔をするか……、小娘……」
少女とケフカが暫く睨み合ったまま沈黙が流れる……。
「……この世に……人間が存在する限り……破壊と絶望は無限大だ……、
永遠に消える事は無いのだ……」
「それでも……、私は信じる、人の愛を……、例えそれが……
いつかの……遠い未来でも……」
「……よかろう、決着をつけてやる、来い……」
「何か分かんねえけど……、あそこだけ異様に又違う空間に、
真面目モードになってんな……」
「俺達……、入り込めないな……、どうしよう……」
……突然起きた不思議な事態をジャミルとユリアンは唯、
ぼーっと見つめ、ジタンは大興奮。
金髪の少女は……、ジャミル達の方を一瞬だけ向くと微笑みを返した。
そして、ケフカと共にそのまま姿を消す……。
……もう、大丈夫……
「……あ、あれ……?俺ら、元の場所に戻ってる……、此処、
マンションだよな……?」
ジャミルが辺りを見回すと、ユリアンも確認し始めた。
「本当だ、いつもの風景だ、俺達戻って来たんだなあ……、ケフカも
姿が見当たらないけど……」
「そんなのどうでもいいけど、あのポニーテールのレディも
いなくなっちまったよ……」
「……オマエなあ~……、ったく、何処まで女の事考えてんだよ……」
「うるせーよジャミ公!ふーんだ!オレの生きがいなのっ!」
「あら?あたしもポニーテールなんだけどっ!」
エレンを筆頭に、シノン組と少年も姿を現し、ユリアンの側に駆け寄る。
「皆っ!……無事で良かった!!」
「うん、……そうなんだけどさ……、オレが言ってるのは……、
がれきの塔でぼんやりと見た、清楚な方のレディ……、あ……」
と、ジタンがぽつりと呟くと……。
「……ダガーっ、出番よーっ!久々に仕置できるわよーっ!」
エレンがダガーを呼ぶと、ダガーが静かに姿を現す。
「呼びましたかしら、エレンっ!?」
「ああ、ダガーっ!!……無事で良かったーっ!オレはやっぱり
君が一番だよ、……良かった……」
ダガーに飛びつき、彼女の心からの無事を確認し、ジタンが
ぎゅっと抱擁した。
「ジタンたら……、もう……、調子いいんだから……、ふふ……」
ジタンの言葉に赤面すると、ダガーはジタンの頭にお仕置き
しようとした猫の手ラケットをそっと下に降ろすのだった。
集えヒーロー・おしまい。
「「……ミラクルっ!」」
「モフーっ!」
「マジカル、フェリーチェっ!モフルンっ!!……ぐす、
無事で良かった……」
「もうー、ミラクルったら、すぐ又泣くんだから……、ほんっと、
泣き虫ねえ~……」
「何よー、……マジカルだって泣いてるじゃない……」
「……又……、会えて、嬉しいです……、ミラクル、マジカル……、
モフルン……」
魔法ガールズ達も再会を心から喜び合い、抱擁を始めた……。
「…心配ばっかりかけてっ!しょうがないんだからっ!ワンダフルはっ!」
「……本当よ……」
「でも、こうやって又、みんなと会えて……、本当に良かった……、
兎山君もほらほら、フレンディ、捕まえなくちゃ♡しっかりとね!」
「ちょ、ま、また……、リリアンは……、大福も又、何だよその顔!」
「……」
この顔は生まれつき、最初からだと言う様に、大福は静かに目を瞑るのだった。
「心配かけてるのはフレンディ達だって同じだよっ!……みんなが……、
ひっく、たおれちゃって……、わたし、わたし……」
「本当に皆無事で良かった、ワンダフル……、ひっく……、頑張ってくれて
有り難う……」
「本当にあんまり心配させないで頂戴、こっちはいつもヒヤヒヤ
してるんだから……」
「ニャミーもしんぱいしてくれてたんだね、リリアンもありがとう!
うれしいワンっ!」
「!べ、別に……、だから心配なんかしてないわ……、してないわよ……」
(ふふ、ニャミーったら、素直じゃないんだから……、ぐすっ……)
わんぷり組も再会を喜び、抱き合って大号泣である……。
「いいなあ、やっぱり女の子同士の友情ってさ……」
「そうね、ジタン、でもあなたは混ざっちゃ駄目よ……」
「はい……」
「かあちゃーん、オラもお腹すいたゾ……」
「はいはい、しんちゃんも、ボーちゃんも、ひまもシロも……、
よく頑張ったわね、偉かったね……」
みさえも久しぶりに安心して心から子供達を強く抱きしめた。
「俺の足も戻ったみてえだ、どうにか……」
「……!!」
……みさえが一瞬躊躇するが、いつもの旦那の姿を確認すると、
涙を流し、ひろしに飛び付く。
「へ、へへへ……、まいったな、こりゃ……」
「いや~ん、おトシをとっても、父ちゃんと母ちゃんたら……、
心はいつまでもわかいんだから!らぶらぶ~ん!」
「……しんのすけっ……!!」
「……谷口さあ~ん、うう、無事で……、無事で……、良かったっスよ~」
此方は此方で、代表者の丸井がオーバーリアクションで泣き出す……。
「丸井、大げさだなあ、泣かないでくれよ……」
「だってー、うう、ううう~……」
「プッ、……本当、オーバーなお方やなあ……」
「……何だとっ、近藤おーっ!!てめえに俺の気持ちが分るかーーっ!
この野郎ーーっ!」
「はあ……」
「だ、誰か……、起こして、気づいて……」
「……フウ」
ラグナがまたすっ転がっているのに誰も気づかず。唯一眺めていた
スネークはまた葉巻を取り出し静かに一服した。
作品名:zokuダチ。セッション11 集え英雄(ヒーロー)編・3 作家名:流れ者