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zokuダチ。セッション12 バイト編&異世界からもお客様編

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「……分ったよ、んじゃ、俺の部屋に来いや……」

「有難うっ!」

ジャミルはポニーテールの少年を自分の部屋に連れて行った。


「……どうぞ、熱いから気を付けてね」

「有難う、頂きます……」

少年はアイシャが淹れたお茶を美味しそうに飲んで一息ついた。

「……今日は真面な茶を入れたなあ……」

「何よっ!いつもちゃんと淹れるもん!」

少年はジャミルとアイシャがギャギャーやり始めた処で、
又下を向いて俯いた。

「あの、……君、追われてるんだよね?こんな事聞くのも
あれなんだけど、何か悪い事でもしたのかい?とてもそんな
感じに見えないんだけど……」

ダウドが訪ねると少年は少し困った様な笑顔を見せた。

「うん、確かに……、何も悪い事はしていないよ、唯、身内にね……、
追い掛けられているんだよ……」

「……身内っ!?」

ケンカをしていたジャミルとアイシャが揃って少年の方を見た。

「あ、自己紹介がまだだったね、僕は高野丸、
退魔師をしているよ……」

「退魔師って……、妖怪とか追っ払う仕事だろ……」

「ああ、追手に追われて彼方此方逃げ回っている際に、
間違った場所へと法術で転移してしまって此処へと……」

「じゃあ、君もこの世界の住人じゃないんだねえ、どうりで
格好がオイラ達と違い過ぎるもんねえ……」

「……案外抜けてんだなあ……」

「……面目ない……、強力な法術を使ってしまったから、
又使える様になるまでの間、追手から隠れる時間がとにかく
欲しいんだよ……、勝手な事とは分かっているけど……、
それまでの間、どうか……」


……高野丸~、高野丸はおるか~!!


廊下の方から、しわがれた声がし……。


「……じいちゃんだっ!くっ、此処までっ、もう来たっ!!」

「はあ?あんたを追ってるって……、じいさんなのか…?珍しいなあ、
普通、身内の追手とかって、父親とかそんなモンじゃねえの……?」

「……じいちゃんの鬼畜変態度ぶりは半端ではありませんっ!!」

「みつけたぞおーっ!高野丸ーっ!ええいっ、今度こそ
連れ戻してくれるわ!観念せいーっ!!このアオガキーーっ!」

「きゃっ!?何よっ!!」

禿げ頭の爺が、ジャミルの部屋に突然現れる。

「いやだっ!……僕は、……僕は……っ、もうあなたの
処には戻らないっ!あんな辛い修行は絶対に、二度と嫌だっ!!」

「ええいっ!お前は儂の後を継ぐのじゃあーっ!身勝手は許さんぞーっ!!」

……爺と高野丸は……、ちゃぶ台を挟んで睨み合い、
一触即発状態である……。

「……観念するのはじいちゃんの方ですっ……!
この糞じじいーーっ!!」

高野丸、爺にちゃぶ台をブン投げた。

「祖父に向かって何をするかーーっ!ええいっ、この
バチ当たりめがあーっ!!」

「うるせー糞じじいっ!早く帰れーーっ!!」

「……何か、喧嘩の度合が低くなってきたな、どんな
モンかと思ったが……」

「ジャミルっ、そんな事言ってる場合じゃないわよっ、
早く二人を止めなくちゃ!」

「……後はジャミルに任せて、オイラ部屋に……」

「ダウドっ!!」

「すみません……」

アイシャに怒られ、ダウドが小さくなった。

「この糞ガキめえー!観念せえと言うとるじゃろうがあっ!!」

「……誰がするかっ!バカ爺!!いい加減にくたばれっ!痴呆症!!」

「何か、あの子、さっきより性格豹変してない……?」

「壊れてきちゃったわね……」

「やっぱりこいつもプッツン系統か……」

「何か儂も投げる物、投げる物はないかー!」

爺はジャミルの部屋の押し入れを勝手に堂々と開ける。

「おお、これぢゃ!」

押し入れの中に放置してあった雑誌をポイポイ高野丸に投げつける。

「あっ!お、俺のっ!!」

「……週刊、プレイボーイ……、……ジャミルーーっ!!」

読んで処分し忘れたエロ雑誌を爺の所為でアイシャに見つかり、
今度はこの二人がバトルになり、ジャミルの部屋は修羅場と化す。

「……オイラ、どうしたらいいのかなあ……」

ダウドは一人、困ってただその場に立ち尽くす。

「ジャミル~、あんたに珍しく郵便よ、小包!優しいあたしが
わざわざ届けに来てやったのよ、感謝しなさいよね!」

丁度揉め事の最中に、運悪くエレンがやって来てしまったのである。

「エレン、い、今此処に来たら駄目だよお!」

「何よ?」

ダウドが言った通り、爺のほおり投げたエロ本と、高野丸が
ブン投げた急須が部屋の入口に立っていたエレンの頭部に命中する。

「……あああっ!だからーっ!な、何て命知らず事をっ!
オイラ、もう知らないーーっ!」

「ふふん、……あたしにこれ今ブン投げたの……、だあれ?」

エレンが不敵な笑みを浮かべ、指を鳴らしながら、ずんずん
ジャミルの部屋に入って来た……。

「……や、やべえっ!気が付かなかったっ!!お前ら、
逃げろ、早くっ!!」

「はあ?」

「何じゃい、あの小娘は……」

「……成敗してやるーーっ!」

切れたエレンは爺を年寄りと言えども容赦せず。いつもの
ジャイアントスイングでブン回すと壁に叩き付けた。そして、
ジャミルと高野丸にもついでのおまけでパイルドライバーを
お見舞いする。

「……あー、すっきりしたっ!」

エレンは、ジャミル、高野丸、爺を成敗すると、満足そうに
部屋を出て行った。

「俺、……あいつには何も投げてねーぞっ!」

「……よ、世の中には……、妖怪並みの人間もいるんだなあ~、
僕もまだまだ勉強不足だった……」

「はあ、……私帰るっ!」

「あ、待ってよアイシャ!オイラも部屋に帰る!」

アイシャとダウドは呆れて自分の部屋に戻って行った。

「おい、……どうすんだよ、お前の爺さん……」

「……きゅう~」

エレンに思い切り壁に叩きつけられた爺は、巨大なタンコブを
作って気絶していた……。

「僕も又法術が使える様になったみたいだし、このまま
じいちゃんを連れて元の世界に戻って何処かに捨ててくるよ……、
迷惑掛けちゃったね……」

「捨ててくるって……、爺捨て山かよ……」

「それぐらいやっても追い掛けてくるんだから、平気だよ……」

「そうか、あんたがそう言うなら別に止めやしねえけどよ」

「うん、色々有難う!」

高野丸はそう言うと、ジャミルの部屋に方陣を作り、爺を
掴むとその中に入る。

「じゃあ、君も元気で!」

「おう、あんまケンカすんなよ!」


高野丸と爺は元の世界に帰り、これで終わったと思われたが。
そうではなかった。高野丸の作った方陣ゲートが何時までも
消えない為亜空間を通り、ジャミルの部屋に何かが頻繁に
出入りする様になってしまった。


……in市役所


「よう黒子、取りあえず、住人4人連れて来たぜ、酒呑童子と
ダイダラボッチ、……水虎と、天輪乗王……」

「……帰って貰って下さい…」

「駄目……?」

「駄目です」

「……ケチケチドケチっ!!」


百万世界からこんにちは 前編

「よう、グレイ……」

「何だ、貴様か……、珍しいな、何の用だ?金なら貸さんぞ……」