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バイオハザード Fの起源  第一話 ホークアイズ(鷹の目)

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彼女の「ホークアイズ(鷹の目)」が一度捉えた標的は、決して逃さない。

作戦中、どんな距離からでも、どんな悪天候でも、彼女の銃弾は寸分違わず目標を射抜く。
その有能さは、ジェイクが内心で最も信頼するに足るものだった。

その時、端末から任務開始のブザーが鳴り響いた。

ジェイクの表情が引き締まる。

同時に、ソニアの黄金の瞳の奥にも、鋭い光が宿り冷徹なエージェントの顔が浮かび上がる。

「目標は?」
ソニアの声は、少女のような容姿に反して、歴戦のエージェントのような高圧的な響きを帯びていた。

「東欧を拠点とするマフィアのボス。名前は不明だ。新型兵器の情報を国際テロ組織に流そうとしている。場所は東欧の某国の旧市街の修道院だ。確保が第一だが、抵抗すれば排除もやむなし、だとさ。おやっさん(国務長官)から。」

ジェイクは簡潔に告げた。

彼らはペンタゴンの奥深くで保護されている身だ。

ジェイクはかつて中国で行われた大がかりなバイオテロで、自分が父、アルバートウェスターから引き継いだの特殊な血持っていることを知った。その後 ジェイクの存在はアメリカの最重要機密として闇に葬られたはずだった。

その後彼は、一匹狼で、世界各国で人助けに周っていた。
しかし 蛇の道は蛇。
一度、ネオアンブレラに漏れた彼の情報が完全に隠されるわけがない。

拉致を何度もされ、一匹狼で戦い続けたが、多勢に無勢の上、関わった場所の住民に多大な被害を与えることになった。
そんなことが何度も続けば、自分が、助けたいと動くたびに 犠牲者が増える状況に、彼も心が折れそうになることもあった。

そんな彼に取引を持ちかけたのがペンタゴンだった。

ジェイクの安全を保証する。
ペンタゴンの要塞に閉じ込めることになるが、吸血鬼供から彼を守る。
その代わりペンタゴンのエージェントとして、世界をウイルステロから守れ、と。

ついでに アルバート ウェスカーの息子である自分を、常に監視しておきたいというのも 見え見えだった。

たとえ一匹狼でも、世界でも最強に位置する組織に所属していようとも、ウイルステロから人を守るということは変わりない。

そう 彼は取引を持ちかけられた

組織に所属し一箇所に留まる。
ジェイクが最も苦手とすることだった。
しかし 他に選択肢のない状態だった。

しかし、最大限の自由を約束する。との契約で、ジェイク·ミューラーはペンタゴンのエージェントとなった。

その際に、ペンタゴンの中にプールとバーのついた豪華な居室を与えられたが、ジェイクはそんなものには興味はなく、もっぱら興味があるとしたら、部屋の中に自分が置かせたグランドピアノと、ヘッセや カミュ、ドストエフスキー、などが詰まった本棚のほうだった。

彼らの能力は、この国が最も必要とするものだった。

そんな彼にはすぐに相棒ができた。
一匹狼の自分に相棒など、と思ったが、彼女にはすでに何度も命を助けられている。

ソニア·ホークアイズ。
全てを見抜くような金色の瞳は、その名の通り鷹の目のようで、猫や 猛禽類の激しさを思わせる。

彼女もまた自分と同じ親から受け継いだ遺産に苦しむ1人だ。

生まれてすぐに両親を失ったらしい ソニアは、赤ん坊の頃すでに孤児院にいた。
しかしそこである事実が発覚する。

ソニアの視力は生まれつき異常発達しており、人間のレベルではありえないぐらいの遠方を見るかと思えば、わずかな熱の反応が見えたり、暗闇の中でもくっきりと物が見えたり、まさに 超人と言って良かった。

その直後にソニアはペンタゴンへ引き取られた。
理由は、彼女の能力に目をつけて利用、非人道的な研究をする可能性がある、外国の組織などに捕まる可能性があるので、そこから保護をするというものだった。

かくして ソニア は、友人のシェリーバーキンと同じように実験動物にされながら、エージェントとして教育された。
彼女が非人道的な扱いをされずに育ったのは、歴代の国務長官たちが、彼女を養女のように扱ってくれたからだろう。

かくして究極の箱入り娘が、アウトローとして生きてきた男のバディとなった。

「了解。ウォームアップも兼ねて、ザコどもは生きていても死んでいても、全員きれいに撃ち抜いてやる」

ソニアは不敵に笑った。
彼女の狙撃は、一瞬の躊躇もなく、目標を仕留める。
それが、ソニア・ホークアイズの真の姿だった。

[newpage]

その日の夜、緊急の招集がかかった。

行き先はホワイトハウス。
大統領の緊急演説中に、不審な電波が感知されたのだという。
国際テロリストであれば国防に関係する、ということで ペンタゴンからも エージェントが呼ばれたのだ。

ジェイクとソニアは、ペンタゴンから厳重な警護のもと、ホワイトハウスの地下深くにある情報室へ向かった。

基本的にペンタゴンから出られないが、ホワイトハウスなど政府の機関で守られることが前提となっているところでは活動できるため、この任務は例外だった。

情報室のモニターには、大統領演説の映像と共に、奇妙なノイズが走る波形が表示されていた。室内には、レオンとシェリーの姿があった。

レオン·スコット·ケネディ。
大統領直轄のエージェントの中でも超特Sの実力者だ。
身長180cm、70キロ台の、細めの硬質な筋肉で固められた体。
アッシュブロンドの髪と緑がかった青い瞳。
見る人を一瞬、足止めしてしまう美形だ。

レオンは冷静な表情でデータを分析し、シェリーは神経質そうに唇を噛んでいた。
ジェイクは、シェリーの姿を見て、一瞬表情を緩ませる。

「遅かったな、お二人さん」

レオンが、モニターから目を離さずに皮肉めいた口調で言った。

「いい子はもうおねむの時間なのに、起こして悪かったな」」

と、冗談めかして言うレオン。
ソニアはレオンの言葉にカチンときたようだが、すぐにジェイクが腕を掴んで制した。
しかしソニアはジェイクの腕を軽く振り払い、ニヤリと笑った。
その表情は、レオンのそれと瓜二つだった。

「あらぁ、お久しぶりです、エージェント・ケネディ。ええ、お陰様で。いい夢見てるところだったのに一旦起きちゃったら眠れないんですよぉ私。どう責任取ってくれますか?責任もって寝かしつけていただけますぅ」

と、特別魅力的な猫なで声とウインクで返す。
ジェイクが後ろを向いて小さく、ブフッ!と吹き出すのが聞こえた。

「呼び出したのはホワイトハウスなんだから、夜更かしして悪い子だって怒らないで下さいね。でもあなたなら、私のおしりペンペンしてもいいですよ」

ときわどく挑発する。
後ろを向いたジェイクが、口許を押えて震えていた。

レオンは一瞬、眉をひそめたが、すぐにその口元に薄い笑みを浮かべた。

皮肉の押収になりそうなことに気づいて、面倒臭いのが苦手なジェイクが口を開いた。

「おっさん、状況は?」

「もう、ジェイクったら、おっさんはよして!不明な電波なの。大統領の演説に割り込もうとしているのか、それともただの妨害なのか。しかし、この周波数は、これまで確認されていないタイプだわ」

シェリーが、眉間に皺を寄せて説明した。