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バイオハザード Fの起源  第一話 ホークアイズ(鷹の目)

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「このままじゃ軍が到着する前に突破される。ここを死守しながら、援護を頼むしかない。ジェイク、援護を頼む!」

ソニアがタブレットを操作しながら叫んだ。
彼女のタブレットには、ホワイトハウスの連絡先が表示されている。
そして、その中には、レオン・S・ケネディの名前があった。

「おっさんかよ! ワシントンから呼ぶ気か?」

「いや出張中で来てた。午前中にスーツなんて生意気な物を着てほっつき歩いてたのを見た。多分市内のホテルにいる」

「マジかよ。仕方ねえな。クソっ!あとでお説教か!」

ジェイクはそう悪態をつきながらも、ソニアの指示に従った。
彼らはB.O.W.の群れを食い止めながら、施設内の緊急通信回線へと向かう。

通信が繋がり、レオンの顔がディスプレイに映し出された時、すでに彼の表情は引き締まっていた。

「ジェイク、ソニア、またお前たちか。何があった!?」

「または余計だな」

ソニアは無表情で銃をぶっ放しながら、憎まれ口をたたいた。

レオンの声は緊迫していた。ジェイクは息を弾ませながら、状況を報告した。

「レオンのおっさん、とんでもねえヤツらがペンタゴンに現れた! Fウイルスが絡んでる可能性が高い。こいつら、何かを狙ってる!」

ソニアが状況を補足する。
彼女の知的な分析が冴えわたる。

「見た目からして、感染源は外部の可能性が高いい。しかも、特定の目的を持って侵入している。このB.O.W.たち、Fウイルスの変異種だろう。まったく、いつまでたっても懲りない蠅どもだ。いい加減に蝿の飼い主を引きずり出したいところだが」

レオンは状況を即座に理解したようだった。
彼の眼差しは、遠くの脅威を見据えているかのようだった。

「Fウイルス感染者の変異種だと…! 分かった。すぐにそちらへ向かう。それまで持ちこたえろ! お前たちならできる!」

通信が切れると同時に、目の前の壁が破壊され、さらに多くのB.O.W.が雪崩れ込んできた。

「行くぞ、バカ女!」

ジェイクは吠え、ソニアと共に、レオンが来るまでの時間を稼ぐべく、迫りくる脅威に立ち向かっていった。
ペンタゴンを死守するために。

[newpage]


ペンタゴンの訓練施設は、もはや地獄と化していた。
次々と押し寄せるB.O.W.の波に対し、ジェイクとソニアは完璧な連携で立ち向かっていた。

「ったく、どこから湧いてきやがるんだ、このクソどもは!」

「うちの警備兵どもはなんで湧いてきやがらない?んだろうな」

「クソ!全滅かよ!」

ジェイクは咆哮しながら、迫りくるゾンビの頭を正確に蹴り抜き、その体勢で別のゾンビの腕をへし折る。
彼の体術は、父親 アルバート ウェスカー から受け継いだ身体能力と合わさり、見る者を圧倒する暴力的な美しさがあった。
彼は身一つで敵の群れに突っ込み、その拳と足で次々と敵を打ち砕いていく。

「ジェイク!お前は頭はいいくせに、こんな時は手を使うのか?人間は道具を使う生き物なのは知っているか?銃はどうした」

「無くしたんだよ!!」

ジェイクが叫ぶと、同時にソニアの方から予備の銃が飛んできた。
全身銃器とあだ名 される彼女は、ものすごい数の銃器を普段から身につけている。

彼女の金色の瞳は、どんな暗闇でも敵の急所を正確に捉えていた。
一発の銃弾が三体のゾンビを貫き、崩れ落ちさせる。
彼女の射撃は、知的な分析とfウイルスとの奇跡の結合により生まれた「鷹の目」による超人的な視力によって、まさに芸術の域に達していた。

ジェイクは前線で敵を引きつけ、ソニアはその死角から的確な援護射撃を繰り出す。
完璧なコンビネーションだった。
だが、敵の数は想像を絶していた。

幸いなのは敵が徐々に弱体化していくことだ。
Fウイルスは感染者の能力を一時期的に飛躍させるが、後はただの緩慢な動きをするゾンビ化していく。
すでに敵の何体かは、武器を取り落してふらつきながら近寄ってくる。

一体の強化型B.O.W.が、ジェイクの背後から奇襲を仕掛けた。
その異形の腕が、彼を捕らえようと伸びる。
ジェイクは寸前でそれに気づいたものの、回避は間に合わないと判断した。

その瞬間、ソニアが動いた。

「ジェイク、危ない!」

彼女は叫び、ジェイクの前に飛び出した。
同時に銃を構え、至近距離から強化型B.O.W.の頭部を狙撃する。
銃弾は正確にターゲットを貫いたが、倒れ込んだB.O.W.の腕がソニアを直撃した。
鈍い音と共に、彼女は倒れ小さく呻いた。

「てめぇ、バカ女!なにやってんだ!」
ジェイクは怒りに震え、ソニアにぶつかった強化型B.O.W.の胴体を両手で掴み、そのまま壁に叩きつけ、跡形もなく粉砕した。

しかし次の瞬間、彼の視線はソニアに釘付けになった…

「クソッ…!」
ジェイクは舌打ちした。

状況は絶望的だ。

B.O.W.の群れは、倒れたソニアを狙うかのように、二人を取り囲む。
ジェイクはソニアを背中に庇い、唯一残された銃を構える。
「ちくしょう、こんなところで終わりかよ…!」
ジェイクの脳裏に、シェリー・バーキンの笑顔がよぎる。

このままでは、あの優しい笑顔にも二度と会えないだろう。
その時、訓練施設内の照明が突如として消え、漆黒の闇に包まれた。
そして、闇の中から、銃声が響き渡る。
ズドン!ズドン!ズドン!
正確無比な三連射。
その度に、一体、また一体と、B.O.W.が闇の中に崩れ落ちる。

やがて、照明が再び点灯すると、ジェイクとソニアの目の前には、すべてのB.O.W.が倒れ伏していた。
ソニアのその目だけは暗闇の中で何が起きているかが分かっていたらしい。
その場に立っていたのは、見慣れた男の姿だった。

「遅いんだよ、レオンのおっさん!やっとヒーローの登場かよ!」

ジェイクは悪態をついたが、その声には安堵が混じっていた。

レオン・S・ケネディは、愛用の拳銃を構えたまま、軽く息を吐いた。
彼の表情はいつものポーカーフェイスではなく、よく頑張った幼い子供たちを見守るような目だった。

「悪いな、ジェイク。ちょっと手間取った。お前たちにしては、随分と追い詰められてたみたいじゃないか、なあ坊やたち」

レオンはそう言いながら、わずかに口元を緩めた。その瞳には、ジェイクとソニアを優秀なエージェントと認めつつも、どこか子供扱いするような、いつもの態度が見え隠れしていた。

「もうちょっと早く来い、と逆恨みして殴ろうとしてもこの腕だともう無理だな」

不運にも彼女の右腕は変な方向を向き、自力で動かすことはできない。

ジェイクが彼女の前に立ち、迫りくるB.O.W.の群れを警戒していたが、レオンの登場で状況は一変した。レオンは素早く周囲を見渡し、訓練施設の惨状とソニアの負傷を一瞬で把握する。

「ソニア、動くな。ジェイク、お前はソニアを連れて医療区画へ。」



医療区画の緊急処置室。
ソニアは、意識が朦朧としながらも、懸命に状況を理解しようとしていた。
医療班が慌ただしく動き回り、彼女の右腕にギプスを装着する。

「右腕の複雑骨折だ。しばらくは安静が必要になる。無理はさせられない」

医師の声が、ソニアの耳に届く。