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zokuダチ。セッション13 ジャミ公の夏休み(?)編・1

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「あいてっ……!!」

こうして、ジャミルの部屋のゲートは漸く消えたが、シグを
追い掛けてきた他の3人はそのまま帰れなくなり、戻る方法が
分るまで此処に済む事になった。

「……な、何とか…、住人6人確保したけど……、マジで又
大変な連中が来た……、はあ、今月、後4人かあ~……、どうすっか……」

……プルルルル!

「げ……」

と、ぼやいた処に、部屋の電話が鳴る。……相手はもう分かっている。
ジャミルは眉間に皺を寄せ、受話器を取った。

「……もしもし……」

『市役所です、……ジャミルさんですか?どうでしょう?
お客様の入り具合は……』

「何とか……、6人はどうにかなったんだけど……、なあ、後4人、
……今回は免除してくんね?」

ジャミルがそう伝えると、電話の向こう、市役所にいる黒子は
一瞬会話を止めた。

『分りました、今月はまあ、取りあえず宜しいでしょう……』

「……ホントかっ!?」

『では、今月達成出来なかった分、8月も最低目安人数、10人で
お願いしますね……、あ、数はどんどん上回って頂いて構いませんから、
10人と言うのはあくまで目安です、お願いしますね……』

「……あう」

『……プーッ、プーッ、プー……』

「……おにいいいいいいいーーーーーー!!」

何はともあれ……、異世界からの新住居人達はどんなマンション生活を
送るのだろうか。


夏休みは計画立てないで

「……みらいちゃん達も、いろはちゃん達も、もうすぐ夏休みなのね」

やや雨模様気味の空を見ながらアイシャがぽつりと呟いた。

「……一年中、夏休みみたいなモンの俺達には関係ない話だろ……」

「そうだけど、ねえ、私達も何処か行きたい……よね?」

さっきから、やけにアイシャがジャミルの方をちらちら見ている。
これは何処かへ連れて行けと言う、哀願である。

「今年の私達の夏はまだ始まったばっかりなんだからっ!
海や山の他にも何処か楽しい処あるかなあ?ねえっ、ねえ、
ねえねえねえっ!」

「……セッカチな奴、たく……んで、欲張りだなあ~……」

「ぶー!」

……段々とアイシャの口調に熱が入って来た為、こうなると
止まらなくなるのでジャミルは冷や汗を掻き始めた。

「ねえ、アイシャ、又デパート行くけど、一緒に行くかい?」

バーバラがアイシャを探してジャミルの部屋に顔を出した。

「あっ、行くっ!連れてって!」

(……やれやれ、まーた化粧品か、幾つ持ってりゃ気が済むんだか……、
全くオバちゃんはキリがないでしゅねーっ!)

「……何だいっ、ジャミルっ!!」

「何でもねえよ……」

「あんたも来なよ、どうせ一日部屋でゴロゴロ、屁をこいて
終わるんだからさあ……」

「やだよ……、荷物持ちさせる気満々なんだろ……」

バーバラから顔を背けるジャミル……。

「あら?ご名答さんだね、けどちゃんとお礼ぐらいはさせて貰おうと
思ってんだけどさ、玉には食事ぐらい奢るよ、……どうだい……?」

「……」

「いいじゃないっ、いこーいこーっ!はい、決まりーっ!!」

「おい、勝手に決めんなよっ、アイシャっ……!」

「決まったね、じゃあ支度しておいで、待ってるからさ」

「はあーいっ!」

「……やっぱりこうなんのか、まあ、飯付きだからいいけど……」

「ほんっとーにジャミルったら食べる事しか頭にないんだからっ!」

「うるせーなっ、俺の生きがいだよっ!わりィかっての!」

「何よっ!ジャミルのバカっ!!」

……二人はお互いに顔を見合わせ、舌を出しアカンベーをするのであった。


そして、デパート。

外は曇りでもムシムシ暑い上に、……中は省エネの為、冷房も控えめで……。

「おーい、何処まで行くんだよ……」

「先に洋服見るんだよ、沢山回る処はあるんだからねっ!」

「わーいっ!新しいワンピっ!」

「うげえ……、あのさ、俺、ちょっと行きたい階があるんだけど、
行って来ていい?」

「ああ、いいよ、試着とかもするからね、ゆっくり行っといで!」

「じゃあな……」

これは相当時間が掛かりそうだなと、ジャミルは改めて女達の
凄さを思い知る。

「どれ、サービスで、あいつの洋服も見繕ってやろうかね……」

バーバラはアイシャを連れていそいそと歩き回り、メンズ服売り場の
場所まで足を運んだ。

「これなんかよくないかい?最初からあそこ用に穴が開いてるトランクス!」

「バ、バーバラってば……、もう~……」


ジャミルは何処へ行ったかと思えば、本売り場で雑誌を立ち読みしていた。
アイシャに言われた事を気に掛けて、旅行雑誌を見ていたのである。
こ難しい本を読むと、普段は酔って目が回ってゲロるジャミ公ではあるが。

「……確かに、夏はこれからだからな……、常夏の島、ハワイ……、
無理、行けねえっつーの……、精々近くの海だよなあ~……、
後は……、ドズニーランドか……、これも予算の関係で俺には無理……」

ジャミルは諦めて、雑誌をパタッと閉じた。

「まあ、近場でも楽しめりゃ平気だろ、うん……、さて……」

ジャミルは思い出した様に、ゲームコーナーの方へ向かう。

「さあー、等デパート開店○周年記念、福引ですよーっ!
お楽しみ賞品がいっぱいですよーっ!!!」

「福引か、まあ絶対一等なんか当たんねーし、詐欺だよな、くだらね……」
……チラッ、チラッ、チラ……」

ゲーセン方面に家具売り場が有り、近くで福引を行っている。
そのまま通り過ぎようとしたが、一等の景品が気になり、周りの人間を
かき分け、景品案内を覗き込む。

「ちょっとわりィすね、……えーっと、一等……、……ハ、ハワイっ!?」

……もう、この景品名はお約束言うか、定番ですね……

「えーと、この福引券て、何買ったら貰えんだい?」

ジャミルは近場にいたおばちゃんに聞いてみる。

「まあ、何でもいいから千円以上此処で買い物しまくる事だね、はいよ、
どいとくれっ、フンっ!!」

「うわあ~……」

威勢のいいおばちゃんは券を握り締め、戦場に向かったが、戦利品はやはり
ポケットティッシュ沢山の様子であった。

「……やっぱ、ああなるよなあ~、当たるワケねえし、だけど、
まぐれって事も……、もしかしたら……、お、俺と……アイシャの……、
二人のアイランド……」

ジャミルは急に決意すると、何でもいいからと取りあえず買い物しまくり
1枚だけどうにか貰った券を握りしめ、福引場へダッシュする……。

「俺とアイシャのっ……!2人のアイランドっ!!……うおおおおーー!!」

「はい、券一枚ですね、ではどうぞっ!!」

周りも見守る中、ジャミルは勢いを込め、抽選機を回す……。

「出ろっ……、2人の……、アイランドオオおおーーっ!!
ふんんーーっ!!」

……ガラガラガラ……

「おおおっ……!?」

「出ましたっ……、一等でえええーーすっ!!」

「うそっ、マ、マジで……、本当に……?嘘……、夢じゃないんだろうな……、
は、ははは……」

ジャミルは本当に赤玉を引き当ててしまった喜びと衝撃……、ショックで
その場から動けなくなった。

「兄ちゃん凄いな、運がいいよ!」