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zokuダチ。セッション13 ジャミ公の夏休み(?)編・1

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「此処の3階のお部屋の何処かから、犯人のにおいする……」

チビはまだ誰も住んでいない部屋の方へと飛んで行った。

「ワクワクもん、モフーっ!!」

「此処……、開けるきゅぴ……、行くよ……」

「モフっ……」

チビがドアノブを回す瞬間を、モフルンが息を飲んで見つめる……。

「ぴっきゅ……!……いた、犯人きゅぴ!!」

「モフっ!?」

「ええ……?な、なんりゅ、お前ら……」

空き部屋にいたのは、チビが推測した通り、小悪魔であった。

「やっぱりリトルがみかん盗んだんだね……、…ぴっ!黙って
お部屋に勝手に入ってみかん一箱持ってっちゃうなんて!こんな事
出来るのはリトルしかいないきゅぴ!」

「フン、……美味そうな匂いがしたから勝手に食ったりゅ、
悪いかりゅ?」

……小悪魔、開き直る……。

「ぴいっ!悪いに決まってるでしょ!早くみかん返すのっ!!」

「けど……、もう半分食っちゃったりゅ、どうにもならんりゅ……
糞人間共が食う食料にしては中々美味いりゅ!」

「モフっ!……こんなにみかんが減ってるモフ……」

「おう、そうだ、折角だからおめーらもみかん食え、そうしたら
お前らも共犯者りゅ、黙ってればみかんの行方もわからなーい!
万事解決りゅ」

「ぎゅっぴ!何言ってるのっ!!」

「……でも、みかん……、おいしそうモフ……」

モフルンがよだれを垂らす……、そしてみかんはもう数える程しか
数もなく……。

「きゅ、きゅぴ~……」

そして……。

「ああ、美味かったりゅ、ごっそさん!んじゃ、リトルは帰りゅ!」

リトルは空き部屋の窓から空を飛んで脱走した……。

「みかん、……チビも食べちゃったきゅぴ……」

「今回の事は……、ナイショにするモフ……」

「ぴい、ナイショ……」

「モフっ!」

……こうして、小悪魔の誘惑に負け、共犯者となった2匹は、ばっくれて
何気ない顔で下に降りて来たのだった。

「きゅぴきゅぴ!しらな~い!」

「モフモフ!」


ケツアゴがやって来る

また巡って来た日曜日、今日は珍しく、あの野球馬鹿達は
練習に行かず、マンションにいた。特に普段冷静な谷口が
落ち着かない様子で統合玄関と自分の部屋を何度も何度も
そわそわと往復で行ったり来たりしていた。

「よう、珍しいな、……今日は練習行かねえんだ?」

「ああ、ジャミルさん……、こんにちは……、今日は俺と同じ
野球部員の同級生がマンションに遊びに来るんです……」

「ふーん、でも別に部屋で待ってたって大丈夫じゃね?何で
そんなに落ち着きがないんだ?」

「色々、有りまして……」

「ふーん?まあいいや、じゃあな……」

「はい、どうも……」

部屋に戻ろうとしたジャミルの前に、丸井がやって来る。

「何だよ……」

「オホン、本日来られるお方は、偉大なる墨高野球部で、
谷口さんとバッテリーを組んでおられる方なんだ、オレっちも
詳しい事はわかんねーけどよ……、くれぐれも粗相のない様にしろ、
お二人の邪魔をなさると悪いので今日の練習はオレっちら、3人だけで
行ってくるんだ、じゃあな!」

「……」

丸井は勝手に一人でベラベラ喋ると、ユニホームに着替えた後、
イガラシと近藤を連れ、外に出て行った。

「人の客なんか、俺には関係ねーし……、しっかしうるせー
ムスビ野郎だ……」

そう言いつつ、ジャミルは一旦は部屋に引っ込んだが、すぐに
部屋から出てくる。どうしても谷口の相棒とやらが気になるらしい。

「よう、谷口!」

「倉橋!やっと来たな……」

どうやら客人、御到着の様である。

「あんまり、これと言って珍しくもねえツラだな……、アゴが
角ばってて割れてて目が点で眉が繋がってるぐらいで……」

充分珍しい顔であると思うが……、点目で眉つながりは
イガラシも同じである。

「それにしても……、マンションに引っ越したって言うから……、
何だい?汚ねえ所だな、あーあ、廊下なんかほこりだらけじゃないの、
掃除屋頼まないの?」

「……いいんだよ、早く俺の部屋に……」

「此処の住居人の皆さんはどんなツラしてんだろうな、
拝ませて貰いたいもんだなあ!」

これはイガラシ以上の大物だなあ……、とジャミルは思う。

「……倉橋、失礼だろう!此処のマンションの人達には凄く
お世話になっているんだ、暴言言ったら怒るからな……」

「はいはい、んじゃ、お前の部屋に案内してくれや……」

「さっきからそう言ってるじゃないか、……もう……」

2人は漸く部屋に入って行くが、本当にあの四角アゴが、
谷口の友達なのかと、ジャミルは一瞬疑いたくなった。

「まあ、弟子も癖の悪いのばっかだしな、納得してやろう……」


谷口の部屋


「なあ、此処のマンション、他にどんなのがいるんだ?
見せてくれよ」

「他にどんなの……って、倉橋……、そう言う言い方は
やめろって言ってるだろ……」

「よう!」

「ジャミルさん……」

差し入れを持ってジャミルが谷口の部屋にやって来る。
本当は唯の野次馬で、チョイ、様子を見に来ただけである。

「これ、しんのすけの親御さんに貰ったんだ、ドラ屋の羊羹、
話の友の茶菓子に食えよ」

「ど、どうもすみません……」

「じゃな!」

ジャミルが部屋を出て行こうとすると。

「ふーん、いい人みたいだけど……、いかにもな、頭が軽そうな
知能も無さそうな感じじゃないの?」


……ぴきっ……


「倉橋っ!!」

「……今、なんていいました……?」

「すいませんっ、ジャミルさんっ!!俺がようく言い聞かせ
ますから!今日はもうこの部屋には近づかない様にして
下さいっ!!それでは、失礼しますっ!!」

谷口はジャミルを慌てて部屋から追い出すと、急いでドアを閉めた。

「……の野郎……、このままで済むと思うな、今に見てろ……」

何を見るんだか、ジャミルは噴火しながら自分も部屋へと戻って行った。
そして、再び谷口の部屋……。


プルルルル……

「あ、電話……、はい、もしもし、イガラシか?……何、分った、
すぐに行く……」

「どったのー?」

「ちょっとな、俺の後輩が……、後輩を殴って暴れて町で
喧嘩沙汰になって……、手が付けられないから来てくれと……、
真ん中の後輩から連絡があった……」

谷口は青ざめた顔をしてガチャリと受話器を置く。

「へえー、凄いもんだねー、お前の後輩!どんなモンよ、
見てみてえな……」

倉橋は四角い顎を摩りながら谷口の方を見た。

「面白がるなよ、こっちはいつも大変なんだ……、それで倉橋……、
お前、俺が戻って来るまで絶対この部屋から出るなよ?」

「何で?」

「いいから!……じゃあ、頼むな……」

谷口は倉橋を心配そうに振り返りながら外へと出て行く。

「フン、折角来たんだ、こんな面白そうな処、見学せずには
帰れません、よと……」

……いう事を聞かず、倉橋が部屋の外に出ると、シグ、リウ、ジェイルの
悪ガキ3男子がエントランスでボール遊びをしていた場面を目撃。


「ボール……」

「リウ、下手だなあ!オレちゃんと打ちてえんだから真面目に投げろよ!」