ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん
16.足の小指
ゆ「唯ちゃん、家の階段でコケたことある?」
唯「小さい頃はあったけど、最近はないなあ」
縁「段差に小指ぶつけたりもない〜?」
唯「うん。記憶にない」
ゆ「記憶にないだけで、実はぶつけまくりなんじゃないの?」
唯「あたし、夢遊病かなんかなの?」
ゆ「いや、ママさんパパさんが深夜、寝てる唯ちゃんを抱えて小指をガンガンと」
唯「さすがに気づくよ。あとうちの親なんでそんなことするんだよ」
ゆ「娘の足の小指、丈夫に育てよーって親の思いをのせて」
唯「そんな親、嫌だよ」
縁「たまにタンスにもぶつける〜?」
ゆ「あのご両親ならやってるね。唯ちゃんの足の小指のために」
唯「あたしの親、いったいなんなの?」
ゆ「ん? 一人娘の立派な成長を願う、いい親御さんだと思うよ」
縁「優しいしね〜」
ゆ「でも、娘の足の小指はたくましく育ってほしい!」
唯「こだわり強いなあ」
縁「唯ちゃん、足の小指強くなったらどうする?」
唯「どうもしないよ。ぶつけたとき痛くないくらいだろ」
ゆ「わかんないよ。すっごい変化するシュート打てるかもしんない」
唯「そんなことできんの、小指で!?」
縁「サッカー選手、みんな小指つよつよだね〜」
作品名:ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん 作家名:六色塔