ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん
32.棒
縁「あ〜、疲れた〜」
唯「結構歩いたな」
ゆ「やっぱり地図と実際とは違うねー」
唯「ああ、もう歩きすぎて足が棒みたいだよ」
ゆ「そっかー、唯ちゃんの足は今、棒なんだね」
唯「みたいだよ、みたい」
縁「棒なら犬が当たってきちゃうね〜」
唯「室内でも来ちゃうの、犬? うち飼ってないよ」
ゆ「まあ、歩けば棒に当たる生き物ですから」
縁「犬、ちょっとかわいそうだね」
唯「こんな疲れてるのに犬、当たりにきちゃうかあ」
縁「自分だけたくさん歩いてきてずるい! 僕とももっと遊んで〜ってことだろうね」
唯「うん、その気持ちはとてもよくわかる。わかるけど、疲れてるし遊んであげるのは難しいな」
縁「私、遊ぶの手伝うよ〜」
ゆ「おお、藪から棒に片棒を担いだ」
唯「ちょっと棒、渋滞しすぎじゃない?」
ゆ「それは言い過ぎだよ。針ほどのことを棒ほどに語ってるよ」
唯「また棒だ」
ゆ「いいじゃん、唯ちゃんの足が棒で犬がその棒に当たってきて、縁ちゃんが藪から棒に片棒を担いで、私が針ほどのことを棒ほどに言えば、もう鬼に金棒だよ」
唯「うん。努力は大いに認めるけど正直むりやりだな」
ゆ「あーあ。せっかくがんばったのに」
縁「苦労を棒に振っちゃったね〜」
作品名:ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん 作家名:六色塔



