ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん
31.プレッシャー
ゆ「名前ってときにプレッシャーになったりするよね」
唯「あー、名前負けしないように的な」
ゆ「そうそう。縁ちゃんもちょっとはあったんじゃない?」
唯「縁を強くするから『ゆかり』だもんな」
縁「え〜、そんなのあんまりないよ〜」
唯「あんまりないってさ、ゆずこさん」
ゆ「例えばうま煮とかさ、相当なプレッシャーだと思うんだよ」
唯「ずいぶんスッと切り替えたな」
縁「うまくなかったらうま煮名乗るの恥ずかしいもんね」
ゆ「そうなんですよ。絶対にうまくないといけない存在、それがうま煮!」
唯「調味料とか絶対間違えられないな」
ゆ「最後まで食卓に残ってたら、きっとその晩悔しさで大泣きするよ」
縁「でもさ、プレッシャーになるのはうま煮を作った人かな。それともうま煮自身かな」
唯「うーん。作った人もだけど、うま煮本人も自分の人生をかなり呪いそうだな」
ゆ「うま煮として生を受けたのにどうして俺はうまくないんだ! みたいな」
縁「ごめんね。うま煮なのにまずく作っちゃって、ほんとごめんね……」
唯「まずいうま煮、結構切ない話だな」
ゆ「童話になるかもしれないね。泣いた赤鬼的な」
縁「ああ、切ない系のやつ」
唯「あんま食べないけど、機会があったらちゃんと完食しないとな。うま煮」
作品名:ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん 作家名:六色塔



