ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん
40.勇者ぞうきん
縁「ぞうきんってくさいよね〜」
ゆ「牛乳ふいたやつとか、すごいよね」
唯「なんかとりとめのない会話だな」
ゆ「でも、それだけぞうきんは頑張ってるってことだね!」
唯「いや、ふいてるのは人だよ?」
ゆ「でも、きたないところに突入してくのはぞうきんだから、ある意味勇者だよ」
縁「じゃ、主人公になれる〜?」
ゆ「うーん。汚い大魔王を倒した勇者ぞうきんは、故郷に帰ってきました。でも村の人は冷たかったのです」
唯「ほう」
ゆ「村人は勇者がくさいから近寄らなかったのです」
縁「え〜、大魔王倒したのに」
ゆ「勇者ぞうきんは悩みます。頑張って世界を救ったのに……」
唯「そんなレベルのにおいなの?」
ゆ「途方に暮れる勇者に、一人の少女が声をかけます。『私なら、あなたを元に戻せます』」
唯「おっ」
ゆ「そしてしばらくたった後、勇者ぞうきんのにおいはすっかり取れていたのです」
縁「お〜」
ゆ「村人に受け入れられた勇者ぞうきんは、その少女に言いました。『僕と結婚してください、重曹さん!』」
唯「重曹かよ! 早く名を明かせよ!」
縁「あははははは」
ゆ「ま、くさいくさい言ってる私らはしょせん村人ってことだよ。めでたしめでたし」
唯「めでたいかなあ」
作品名:ゆゆゆの日々。たまにちけふとおかーさん 作家名:六色塔



