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zokuダチ。セッション16 入れ替わり編

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なかった。が、気持ちを切り替えてアイシャに成り切ろうと……。

「はいっ、どうぞーっ!」

「お邪魔しまーす、階段から落ちたんですよね、あの、大丈夫なんですか?」

「ええっ、大丈夫、大丈夫よっ!アイシャちゃんは元気!こーんなに
元気よっ!」

「はい?」

「なんか、アイシャおかしいよ……」

「だから何でもないのよっ!うふふふっ!元気だったら!いつも通りよっ!」


プウ~……


「!?」

「……お、おならっ!?」

「や、やべっ!何?今のは何でもないのよっ、うんっ、本当に何でも
ないんだったらっ!!」

(バーバラさん達が話してたの聞いたけど、やっぱり階段から落ちた所為……、
なのかな……)

「でも、だれだっておならはするよね、うん……」

いろはとこむぎは顔を見合わせてこそっと話す。……アイシャが
この場にいたら、……泣き喚いて怒り狂う処である……。

「あっ、これお見舞いです、まゆちゃんが作ってくれた、にゃんこマフィン、
お裾分けにどうぞ、食べて下さい!」

いろははマフィンの入った袋をジャミルに手渡す。袋からは焼きたての
マフィンの香ばしい臭いが。……ジャミルは今アイシャの姿なのも忘れ
鼻の穴を大きく広げる。……アイシャがこの場に居たら殴り殺されていたであろう。

「!!う、うまそーっ!……あ、ど、どうもー!いろはちゃん、どうも
ありがとねっ!おいしそーだわっ!」

「……」

マフィンを見て袋に涎を垂らし、興奮し始めたアイシャに、いろはとこむぎは
不思議そうな表情をしながらも、一応挨拶をし、部屋を後にする。

「……いろは、何かへんだよう……」

「あっ?……わ、私、おかしい!?」

「……違うよう、アイシャだよう……」

「ええ……?」

「あれ、アイシャじゃないわん……」

俺がアイシャでアイシャが俺で……3

その日の夜……、こんな状況の時に限りジャミルは加齢臭組に夕食に
誘われる。……場所は中華料理屋のパーミヤンである。

「何でこういう時に気前が良くなるんだア?ふうっ……」

「……ジャミル……」

再び、アイシャがジャミルを訪ねてくる。元の自分の部屋に。

「アイシャか?いるぞ……」

「……うん、お邪魔します……、って、自分の部屋なのに……、
ぐす……」

中に入った途端、自部屋に懐かしくなったのかアイシャが又
ぐずり出した……。

「それで、ジャミルもホーク達にお誘い受けた?」

「ああ、ロマ1組は全員強制参加だと、なーに考えてんだかよ……」

「ぐす……、こんな状況じゃなければ楽しめるのに……」

「だからな、ぐしぐしぐしぐし……、俺のその泣き顔……、
やめろっつんだよ……」

「はあ、お願いだから、普通にしててね、ジャミル」

「分ってるよ、おい、俺の処来るときはくれぐれもダウドに気づかれんなよ……」

「うん、気を付けてるわよ、じゃあ……」

アイシャはジャミルにそれだけ言うと不安そうな表情を浮かべ、
部屋を出て行く。

「やれやれだあ……」


そして、中華料理屋パーミアン……

男は男、女は女同士の席に着き、丸い円卓を囲んだ。

「アイシャっ、どんどん食べなよっ、お腹空いただろ!」

「ええっ、遠慮しないわっ!」

バーバラの声に喜んでジャミルが返答し、テーブルから身を乗り出し
張り切り出す。

「ジャミル……」

声が聴こえたのか、アイシャが遠巻きにジャミルを睨んだ……。

「って言うのは冗談よっ!うふふー!」

「……」

「バーバラ、今日、アイシャおかしくないか?」

シフが不思議そうな顔をしてバーバラに訪ねた。丁度二人が階段から
落ちた時、悪ガキトリオを追い掛け外に飛び出して行った後だったので
シフは状況を知らないでいる。

「ああ、ちょっとね、……これこれこうで、こうだったのさ……」

「へえー、成程な……」

「アイシャ、階段から落ちたんですって?大丈夫なの?」

クローディアもアイシャの姿のジャミルに尋ねる。

「ええ、アイシャちゃんは元気よっ!こーんなに元気っ!
もーりもりよっ!」

「今日は何時にもまして元気ね……」

「そうなのっ!困っちゃうわあ!うふふふっ!」

……あまりにも、アイシャ(中はジャミル)の言動が不自然過ぎな為、
今日のこむぎ同じく、クローディアも複雑な顔をし出した。

(……ジャミルのバカ……、後で覚えてなさいよ……)

やがて、元気のいい、変なボーイが料理を運んで来る。

「アイヨッ!オーダーオマチデスガア!ペキンダックダヨ!オイヨイヨ!」

ボーイの青年は、何故か滑舌が悪かった……。

「おおっ!北京ダック!いただきまーすっ!」

ご馳走を目の前にしたジャミルは、今の自分がアイシャの
有る事を忘れたかの様に北京ダックにがっつき貪りついた。

「何だかアイシャ、本当に今日は凄いわね、お腹が空いていたのかしら……」

「……頭を打った所為もあるんだよ、……クローディア、此処は静かに
見守ってやろう……」

「バーバラ、……そうね……」

あまりにもガツガツするアイシャ……、(中身はジャミル……を)見、等々
本物が動き出した。

「……アイシャ、ちょっと……」

「んだよ、何よう……」

「ちょっとこっち来てっ!!」

「なになにー!なんなのよおー!」

アイシャはジャミルを引っ張り、無理矢理女子トイレまで連れて行った。


「んだよっ……!」

「あれ程普通にしててって言ったのにっ!約束守ってよっ!それに
よくちゃんと噛まないであんなにガツガツ食べたら太っちゃうでしょっ!
……バカっ!!」

「……別に、俺の身体じゃねえし……」

「……ぷう~っ……」

アイシャは涙を堪えて頬を膨らませ、もう今にも爆発しそうであった。

「ま、また俺の顔でっ……、わーったよっ、抑えるよ、
セーブすりゃいんだろ!」

「もう私、どうしたらいいの……、お願いだからちゃんとしてね……」

「分ったから、あんまり泣くなよ、頼むから……」

自分の情けない状態を見ているのも辛いが、それ以上に自分の
身体の中のアイシャがしょげているのをみると、ジャミルは
どうにもならない気持ちに……。仕方なく席に戻り、大人しく
する事にした。

「……」

「おや、さっきはどうしたんだい?ジャミルと何話してたんだい?」

バーバラはニヤニヤしながらジャミルの顔を見た。

(静かにしろっつんだよ、このオババは……)

「別にっ、何でもないのよっ!」

「そうかい……?」

「アイヨッ!マーポードウフ、エビチリオマチッ!」

ボーイが今度は麻婆豆腐、エビチリを運んで来た。
滑舌が悪いので、マーボーがマーポーになっている……。

「ふーん、両方とも辛いやつだねえ……」

「エビチリか、これじゃ甘すぎるね、もうちょっと辛い方が
いいんじゃないかい?」

一口味見で食べてみたシフが文句を言う。

「……充分辛いよ、アンタの味覚がどうかしてんじゃないの……?」

バーバラに突っ込まれても、シフは納得いかない様子で、テーブルに
置いてあるオプションの豆板醤を自分の分の皿に掛け始めた。

「……うっ、か、辛っ!」