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zokuダチ。セッション17 冒険編1

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他のメンバーには話してはいなかった。ジャミル達と一緒にお寺に
着いて行きたいと言う理由でマンションを出てきたのである。
 
「うーん、お弁当さん、中々のお味でしたなあ……」
 
「……ボー、おなか、いっ、ぱい……」

「……にへえ~……」
 
どうやらしんのすけとボーちゃん、2人でリュックの中のお弁当を残さず
全て平らげてしまったらしい……。

「あーっ!こむぎ……、わ、わたしのクッキーまでっ!ひどいっ!
ひどおおーーいっ!……わおおおーーんっ!楽しみにしてたんだよーっ!」

「……ク、クゥゥ~ン……」

「オメーか……、言うまでも無く……」

ジャミ公はシロの方をジト目で見る。シロもバツが悪そうに、ジャミ公から
目を反らすのだった……」。
 
「こむぎも落ち着いて、クッキーは又後で買ってあげるから、……私が
とにかく野原さんの処に連絡して来ます!」

「……しゅ~ん……、わかった……」
 
いろは、スマホを片手に野原家に連絡を入れる為、急いでバスを飛び出す。
落ち込んでいるこむぎを慰めようと、アイシャはいろはの代わりにこむぎの
頭をナデナデしてあげるのだった。
 
「たいやいっ、やいっ!」
 
ひまわりは自分で用意したんだぞとばかりに、紙おむつと哺乳瓶、
ミルクのセットを自分で勝手に突っ込んだこむぎのサックから取り出し、
ドヤ顔。
 
「ちゃっかりしてらあ、でも駄目だ、お前らは連れてけねーの!
此処でバイバイだっ!……勝手な事ばっかしやがってからに!」

「えーっ!?」

「ボオ!?」
 
「たいやいやーっ!」

「……アンっ!アンっ!」
 
足をおっぴろげ、つい蟹股スタイルになり、ジャミルが腕を組んで
仁王立ちする。ひまわりはジャミ公の足にしがみつき、抗議でビシビシ
お手で足首を叩く。今のジャミルはアイシャの姿なので、ひまに叩かれて
いるのは事実上アイシャである……。いつも大人しいシロも今日は
ジャミ公に吠えて抗議。
 
「アイシャのおねいさん、何だか、いつもと感じが違うゾ、ジャミルの
お兄さんみた~い……」
 
しんのすけは試しにジャミルの胸にパイタッチしてみる。
 
「……あふゃああっ!あんっ!こ、こらっ、やめえいっ……!!」
 
「しんちゃん、お願い止めてっ!その身体はっ……!!」
 
涙目になってアイシャがしんのすけを止めに入る……。
 
〔げんこつ〕
 
「いい加減にせんかい!このセクハラマセガキっ!」
 
「おおお~!いやぁ~ん、感じちゃうゾ……、あはああ~ん……」
 
しんのすけ、ジャミルにげんこつを貰うが、全く懲りていない。
 
「あーうー……」
 
其処へ、スマホ片手にいろはがバスの方へ戻って来る……。
 
「いろはちゃん、どうだった?野原さんの処とは連絡取れた!?」
 
「あの、迎えに来て貰えるんだよね……?じゃないと、僕らも困るよ……」
 
ダウドとアルベルトがいろはに恐る恐る尋ねると、彼女は絶望的な表情を……。
 
「駄目でした、夏休みの最初だからついでに……、みさえさんが……、
しんのすけとシロとひまわりとボーちゃんも是非一緒に、いい経験に
なるからと……、子供達を宜しくお願いしまーっす!……との、事です……」
 
 
「「……ええええええーーっ!?」」
 
 
アルベルト、アイシャ、ダウド、一斉に声を揃えた……。
 
「……あんのケツデカオババーーっ!!」
 
「おお?どこにお泊まりするのー?」
 
「ボー、くい、すぎ……、た……」
 
「たいやっ!」

「でも、こうなっちゃった以上、どうしようもないし……、私達も
しんちゃん達のお世話を一生懸命しますから……、ね、こむぎ?」

「うん!しずみかかったおふねだわん!」

「こむぎ、それを言うなら……、乗りかかった船でしょ……」

「あれあれ?そーともいう?」

「……おいおいおい、あのなあ~……、……犬娘……、ちゃんと
勉強してんのか?はあ、とほほ~……」
 
初日からお約束のトラブルに見舞われてしまった6人の運命は……。
しかし、このままでは、こむぎの言う通り、本当に船が沈んでしまいそうな
予感がし、ジャミ公は不安を抱くのだった……。

冒険編2 寺での一時

……このままではどうにもならないので、ジャミル達は、糞ガキ集団を
引き連れ寺に行くことにし、其処で今後どうするか考えようという事になった。
 
 
騒々寺
 
 
「いらっしゃ~い、待ってたきゅぴ!」
 
皆より一足先に早く来ていたチビがみんなをお出迎え。
 
「よう、チビ!ご苦労さん!」
 
「お?」
 
「たやいっ!」
 
「ボ」

「アンっ!」
 
「……ぴい?」
 
チビはジャミル達の後ろにいたしんのすけ兄妹、シロとボーちゃんを見、
不思議そうな顔し首を傾げた。お兄さんらしく、ひまわりはしんのすけが
抱っこしている。
 
「おお、ジャミルさん達、いらっしゃい、その節はお世話になりましたのう……」
 
遅れてチビの後ろから住職が出て来る。チビから状況は聞いている為、
住職はジャミルとアイシャの身体の事も分かっている様であった。
 
「爺さん、久しぶり、つっても、まだそんなには立ってねえか……」
 
「こんにちはーっ!お世話になりまーすっ!えと、バーベキューの時、
お会いしましたよね、改めまして、私、犬飼いろはですっ!」

「わたしはこむぎだよーっ!よろしくねーっ!」

いろは、こむぎも住職にご挨拶。住職もニコニコ笑顔を返した。
 
「おお、今日は又違うお友達なんですのう、お話はチビ殿から
お伺いしております、お疲れでしょう、ささ、此方へ……」
 
住職はジャミル達を茶の間へと通し、皆に氷たっぷりの冷たい
麦茶を振舞った。いろはとこむぎも麦茶を早速頂く。
 
「はあ~、やっぱり冷たい麦茶は美味しいねえ~!」

「でも、ちょっとにがいねえ……」

「あはは、こむぎはまだあんまりお茶に慣れてないからね……」
 
「……う~ん、オラもプスライトの方が良かったゾ……」
 
「……おーい、静かにしてろよ……」
 
早速、しんのすけの我儘が発動。ジャミルは慌ててしんのすけの頭を
ゲンコで小突く。
 
「いやああ~ん……」
 
「おお、これは気が付きませんでのう、こんな小さい子が来ると
分かっていればジュースの一つでも用意したんじゃが、気が利かんで
すまんですのう……」
 
「いや、元は勝手に付いて来たこいつらがわりィんで……、
爺さん、あんまり気を遣わねえでくれな……」
 
「しんちゃん、麦茶も美味しいよお!」
 
「うん、暑い時は、さっぱりした飲み物の方がいいんだよ、
甘過ぎるのだと逆に喉が乾いてしまう場合もあるからね」

「わたしも麦茶は初めてのんだけど、いろはのいうとおり、さっぱりして
おいしいよ!元気がでるよ!」

「おお~?」
 
ダウドとアルベルトが美味しそうに麦茶に口を付けるのを見、
こむぎにも勧められ、しんのすけも漸く麦茶を飲み始めた。
 
「……これは又、おつな味ですなあ~……」
 
「調子のいい奴だ、ったく……」
 
そう言いながら、ジャミルも麦茶を貰って飲んだ。
 
「本当、冷たくて美味しい……」