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zokuダチ。セッション17 冒険編1

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アイシャも麦茶を一口。飲んで喉を潤した。
 
「……はな、から、むぎちゃ……、でた」
 
「ボーちゃんたら、もう……、ほらほら……」
 
アイシャはボーちゃんの鼻から噴出した麦茶をタオルで丁寧に
拭いてやる。今日は異様に面倒見の良いジャミルの姿を見、
しんのすけは冷や汗を流す。しんのすけはこの時点では2人の
入れ替わりを知らないので無理もないのだが。
 
「……怖いゾ」
 
「それで、爺さん、チビから聞いてると思うんだけど……」
 
「おお、大事なお話でしたな、儂の知識がお役に立てれば
なのですが、喜んでお話致します……」
 
「本当に助かるよ、と、チビ、話が終わるまでの間、こいつらと
遊んでやってくれな」

「きゃああ~い!」
 
「分ったきゅぴ!」
 
チビにしんのすけ達とひまわりの子守りを頼み、いよいよ話は本題へと。
 
「チビ、チンチンカイカイ!」
 
「ぴいい~?」
 
「たいっ、たいっ!」
 
この兄妹とのやり取りは、どうにもチビも困惑するらしい。

「アンっ!(こうやるんだよ!)」

「……きゅぴ……」

シロが先輩として、チンチンカイカイの手本をチビに見せているが……。
 
(チビちゃん、大丈夫かしら……)
 
ちらちら見ているアイシャも不安でハラハラする……。
 
「ふむ、心と体の入れ替わりとは……、映画やテレビの中だけかと
思いましたが……、本当に起こるんですのう……」
 
「うん、マジでびっくりした……」
 
「たくっ、いっつも騒動起こすんだからっ!巻き込まれるのは
オイラ達なんだよっ!?反省しなよねっ、返事っ!」
 
「悪かったと思ってますよ……」
 
(……ダウドの野郎……、調子に乗って強く出やがってからに、
ちゃんと元に戻ったら後で覚えてろよ……)
 
「うん、普段の行いだよね、本当に……」
 
「……ダウド、アル、皆、私達の所為で本当にごめんなさい……、
皆を巻き込んでしまって……、私、どうしたらいいのか……、ぐす……」
 
「!!」
 
「ええっ!?」
 
急にアイシャが正座し、土下座をし始めた為、2人は慌てる。
 
「いや、アイシャは悪くないんだよお!悪いのはジャミルっ!」
 
「おい……」
 
「アイシャさん、絶対大丈夫ですよ、元気出して下さいっ!」
 
「そうだよっ!きっとすぐに元にもどれるわんだふるー!な日がくるよっ!」

いろはとこむぎもアイシャを励ます、そんな光景をお子ちゃま達が
見ていて……。

「……向こうは何だか深刻なリアルおままごと……ですか?」
 
「しゅら、ば……」
 
「たいやー!」
 
「アン!」
 
「きゅっぴ……」
 
揉めている、お兄さん、お姉さん組を見て、溜息をついた。
 
「皆さん、どうか落ち着きなされ、これは儂が大昔に調べた知識なんですが、
この島には、まだまだ解明されていない多くの謎が残っておるそうで、
その一つが此処、モンブラン山に眠るとも言われておるのです……」
 
「……」
 
住職の話に、6人はごくっと唾を飲み込む。
 
「まだ我々が知らない未知の世界、このモンブラン山の更に先に……、
別世界の果てに繋がる不思議な大穴があると言われております……」
 
「そんな場所が……、マジで……?」
 
「其処に……、幻のお花が咲いているのかしら……」
 
「幻のお花?ですか!?私も今まで沢山不思議を貰ったけど、まだまだ
不思議な世界は広がるんですね!」

「まだまだ、わんだふるー!なセカイがいっぱいあるんだねえ!」
 
「はい、そう、古い書物で拝見した事がありますじゃ、あくまでも
伝説なので……、その場所に行った……、と言う方もまだ実際お会いした
事もないですし……」
 
皆に又、麦茶のお代わりをコップに注いで回りながら住職が口を開く。
 
「はあ、それじゃ……、やっぱり、夢物語に近いお話って事だよねえ……」
 
溜息をつき、足をおっぴろげてダウドが唸った。
 
「ぴい、ひまわりちゃん、寝ちゃったきゅぴ……」
 
「ん?」
 
チビに突っつかれ、ジャミルが後ろを振り返ると、確かにひまわりが
爆睡していた。
 
「……たい……、すぴ……」
 
「奥に儂の昼寝部屋があります、ご利用為さると良い……」
 
「じゃあ、私達が暫くの間、ひまちゃんのお世話もしまーす、
又あとで、お話聞かせて下さいねっ、しんちゃん達も行こうーっ!」
 
「ほーい……」
 
「ボー」
 
ひまわりに釣られたのかしんのすけも眠そうな返事を返す。いろは達が
お子ちゃま達を部屋に連れて行き、漸くその場は落ち着き静かになる。
 
「とにかく、行くか行かないかはジャミルとアイシャ、
2人の判断に任せるよ、僕らは友達として、最後までサポートさせて
貰うだけだから……」
 
「アル……、でも……」
 
少し俯いてアイシャが不安そうな表情をする。
 
「はあ、それでも折角此処まで来たんだから、一応行ってみる
価値はあるよね、ボソッ、……オイラ、本当は怖いから
嫌なんだけど……」
 
最後の方は小さく呟いて、ダウドもジャミルの方を目線で追ってみて
ちらちらちら……。
 
「とにかく、実の処、本当にそんな場所があるのかは儂には
お答え出来ませぬが、あなた方はまだお若い、お若いうちでないと、
チャレンジ出来ない事もあるでしょう……」
 
「爺さん……」
 
「ほっほ!では、儂がお話出来るのはこんな処ですかのう、折角
こんな元気な皆さんが来てくれたんですじゃ、今日は腕に寄りを掛けて、
夕ご飯をご馳走致しますよ!」
 
「ぴいー!ご馳走!チビもお手伝いー!」
 
「あっ、住職さん、私も……」
 
アイシャが立ち上がるが住職は首を振る。
 
「いやいや、皆さんはお客様なんですぞ、どうぞ今日はごゆっくり
お寛ぎなされ」
 
「アイシャ、大丈夫だよお!おしょーさんのお手伝いはチビがするからね!
心配しなくていいよお、ゆっくり休んでてね!」
 
チビはアイシャの顔をペロッと舐めると、住職の後について行った。
 
「チビちゃん、住職さん、有難う……」
 
「ジャミルも、まだ時間はあるから、どうするのか今夜ゆっくり考えて……」
 
ジャミルの方を見ながらアルベルトも微笑んだ。
 
「アル……、ああ……」
 
そして、夕ご飯、住職とチビが用意してくれた食事がちゃぶ台に並んだ。
本日のお献立は、高野豆腐の煮つけ、焼き魚、漬物、味噌汁、ほかほかの
白米ご飯。
 
「ほっほ、皆さんが来てくれましたからのう、今日は腕に寄りを掛けて
奮発致しました!ささ、どうぞ召し上がれ!ご遠慮なさらず、ご飯のおかわりも
沢山ありますぞ!」
 
ちなみに、焼き魚はジャミル達への特別なスペシャルおかずらしい。
 
「うわ、美味そうだなあ……」
 
「ほんと、お腹すいちゃったよお~!」
 
「ご飯の時間ですね!私もはらペコってお腹すいちゃいましたー!
美味しそう!さ、こむぎもシロちゃんも、一緒にいただきまーすっ!」

「いただきますわんっ!」

「アンっ!」

こむぎは既にわんこモードに戻り、夕ご飯はシロと一緒にドッグフードを
頂いている。彼女が不思議体質だと言う事は、住職にも話しており、爺さんも