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zokuダチ。セッション17 冒険編1

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「あのな、何処で覚えてくんだよ、そういうの、けど、駄目だっ!
連れて行けねーのっ!」
 
「たいやっ!!(この合体した短足ペチャパイめっ!!)」
 
(何だかひまちゃん……、言葉が通じないと思って、とんでもない事
言ってるわ、……私には分るんだからね……)
 
「はあ、どうせ言っても聞かねえし……、分った……」
 
「ジャミル……?」
 
「お?」
 
実は昨夜、寝る前にもう一度、いろはが野原家にスマホで連絡を
入れたのだが、ひろしが長期有給を取り、やかましい子供達が
いない間、折角のチャンス、夫婦水入らずで久々に旅行に行って
しまおうとの事で、現在、マンションの方には不在との事。すっかり
ジャミル達に甘えてしまっているとんでもない夫婦であった。
 
「休みの間、俺らがずっと寺にいると思ってるし、このまま寺に
置いといても、こいつら脱走して爺さんに返って迷惑掛けちまうしな、
だからってマンションに帰しても、親が不在じゃな、だからさ……、
俺が全責任持つわ、連れてってやるよ……」
 
「おおっ!ジャミルのお兄さーん!さっすがー!おちんちんは
小さくてもおっきいところはおっきいですなあー!」
 
「……余計な事言うと……、山頂に捨ててくるぞ……、いいな?
ちゃんと言う事聞いて付いてくる覚悟は出来てんだろうな……?」
 
「……いやああ~ん……、あ、きもちいい~……」
 
しんのすけの頭を拳でグリグリ、仕置きするジャミル。
 
「……まあ、いいんじゃない、でも、オイラははっきり言って
あんまり子守りは出来ないよ……」
 
「迷惑掛けてるのは私達だって同じだわ、一緒に行きましょ、
しんちゃん、ひまちゃん、ボーちゃん、シロちゃんもね……」
 
アイシャは子供達の方を見て頷く。
 
「たいっ!(ケッ!)」
 
「……ボオ~……」

「アンっ!」
 
「……皆さん、どうやら本当にご決断が決まったようですな、ほほっ!」
 
相変わらずの優しい笑みを浮かべ、住職が皆の処に顔を出した。
 
「爺さん、本当に世話になったよ、有難うな、親切にしてくれて……」
 
「うむ、儂もこんなかわいらしいお客さんを接待出来て
楽しかったですぞ!いよいよ、大冒険の始まりですのう、
ですがくれぐれもご無理はなさらぬよう、何かあったら
すぐに此方へ引き返してきなされ……」
 
他のメンバーも住職に頭を下げ、お礼を言った。
 
「きゅっぴ、さあ、皆行こうよお~、まずは目指すは
チビのお友達が住んでるドラゴン谷だよお~、
其処から先の山道を通って抜けて行くんだよ!」
 
「お気をつけて、これは清水の詰め合わせボトルです、道中少しづつ
大事にお飲みなされ……、と、あまり数はありませんが、焼きおにぎりです、
お腹が減ったら食べると良い、ジャミルさんもアイシャさんも
早くお身体が戻ると良いですのう……、語武運をお祈りしております」
 
「爺さん……」
 
「……住職さん、はい……、私達、絶対挫けません、何があっても!」

「うむ、決意に燃えた良い表情ですな……、輝いた目をしていらっしゃる」
 
「わあー!おいしそうっ!ほっかほかのおにぎりっ!」
 
「……本当、お醤油のいい匂いだねえ……、あ、あれ、よだれ……、
垂れちゃった、あは、あはは……、って、こむぎっ!」

「おにぎりで釣られて思わずよだれたらしちゃった、いろはのお写真、
まゆ達のスマホに送っちゃお!……悟が喜ぶわん……」

「……ちょっと、こむぎっ!止めなさいっ!……こむぎーーっ!」

きゃあきゃあ騒ぎだしたこむぎ達の姿を見て、相変わらず、お二人さんも
仲が良くていいねえ~……、と、ダウドは苦笑。
 
「ほほほ、おむすびの具は何もないですが、シンプルで美味ですぞ~」
 
住職からボトルと焼きおにぎりを受け取り、6人とチビ、お子ちゃまと
シロはいよいよ冒険へと第一歩を踏み出す。
 
しかし、やはり真夏の中での山頂までの歩きは半端で無かった。
行く手に聳え立つ険しい山々、一行はまだ歩き始めたばかり。
山頂までの距離はまだまだ遠く、先は全然見えない。
こむぎは道中、お散歩気分を味わいたいとの事で、犬に戻ってみたり。

「いっちにい!」

「わんわん!」

「さんしっ!」

「わんわんっ!」
 
「疲れたよお~、前作ならまだ魔法とかあったから、ブツブツ……、
どうしてこう、いろはちゃんとこむぎちゃん……、あの二人は元気
なんだよお~……、嫌、みんなおかしいよお……」
 
早くも脱落者が出そうである。やっぱりダウドであった。
 
「しんちゃんは、……平気?」
 
汗を拭いながらアルベルトが聞く。しんのすけはおねいさん達の
側を離れず、しっかり歩いてはいるが。
 
「うん、オラ平気、皆についてくって言ったのオラだから、
だから我慢する……」
 
意外とこういう時、しんのすけは根性がある。
 
「……情けねえなあ、……ジャガイモだって我慢してるっつーに……」
 
口ではジャミルもそう言うが、何となく、ダウドの気持ちも
理解はしている。
 
「♪ぴ、ぴ、ぴ、ぴい~、きゅぴぴぴ~、ぴぴぴい~!」
 
皆の先頭に立ち、道案内の誘導をし、一番前でふよふよと
空を飛んでいるチビは実に楽しそうであった。
 
「音痴ドラゴン!」
 
「よしなさいよ、ジャミルったら……」
 
「ちぇっ……、チビちゃん、いいなあ、空が飛べるんだもん……」
 
ダウドは疲れている自分の目の前で軽々と空を飛ぶチビを見て、
羨ましくなったのか、嫉妬し始める……。
 
「はあ、ね、ねえ、少し休憩しよう、貰ったお水飲もう……、
……いろはちゃん達もおにぎり食べたいよね?」
 
「私ですかっ?まだまだお腹は大丈夫ですよっ!」

「こむぎもダイジョーブっ!」
 
「ダウド、歩き始めてまだ30分も立ってないよ……」
 
「だって~、……アル、暑くて重い、少し減らしたい……」
 
ちなみに、住職から貰った清水ボトルの詰め合わせを
リュックに入れ、背中に背負っているのはダウドである。
いろはとこむぎは交代でひまわりをおぶいながらきつい山道を
歩いている。ちなみに今、おぶっているのはいろはの方。
こむぎはわんこになっているので。でも、二人とも、ダウドが
ぼやいていた通り、相当疲れ知らずで元気いっぱい。
 
「う……、ぐすっ、……びえええ~っ!!」
 
「……大変、ひまちゃんが……!」
 
アイシャが慌ててひまわりに駆け寄り、様子を確かめる。
 
「おむつが濡れたんだね、じゃあ、ささっと取り替えちゃおう!」

「わんっ!」
 
「助かりますーっ、ゆっくり取り替えてねーっ!」
 
「……ダウドの野郎……」
 
適度な草場にひまわりを降ろし、こむぎのサックから紙おむつを出す。
こむぎも少女モードになると、いろはと一緒に協力し合い、おむつを
ささっと取り替え始めた。
 
「へえ、手際がいいね、慣れてるんだね……」
 
アルベルトはいろはとこむぎ、ひまわりのお尻を拭いてあげている
2人の手付きを見て感心するが。
 
「でも、最初は慣れなくて大変でしたー、昨日もおむつ下げた途端、
おしっこやられちゃいました!」