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zokuダチ。セッション18 冒険編2

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つけやがってからに……、人間、腹ペコには勝てねえのさ……」
 
「おお~?」
 
「洟垂れ、オメーは肉食わねえのか?シロだって腹減ってるだろ」
 
「オラは綺麗なおねいさんが欲しいのん……」
 
「アホ、諦めろ……」
 
「しゅうう~ん……」

「……アンっ!」
 
 
……ドカッ!!
 
 
「……っと、ごめんよっ!!」
 
「うわあっ!?」
 
突然、変な男が後ろから通り掛かり、ジャミルに向かって
強くぶつかって来た。反動でジャミルはよろけてその場に
尻もちをついてしまう。
 
「いっつ……、……このクソ親父っ!何しやがるっ!?」
 
「嬢ちゃん、んなとこでボーっとしてるからだよ、はっはっ、
随分と威勢がいいんだなあ、はっはっ!」
 
男は笑いながらその場を通り過ぎて行くが……。
 
「お、だいじょうぶ……?」
 
「……ボー」

「……クゥ~?」
 
「ああ、平気だけど、やられた……」
 
「お、おお……?」
 
「あの糞親父っ!金をスリやがったっ!……くしょおーっ!!」
 
ジャミルは砂を掴んで立ち上がり、地面を思い切り蹴ると走り出す。
 
「お?ど、どこ行くのーっ!?」
 
「しんのすけっ、俺は金取り戻してくらあ!なーに、あれぐらいなら
アイシャの姿でもワケねーからっ、すぐ戻って来る!!」
 
ジャミルはスリを追ってそのままダッシュで走って行く……。
 
「……ボーちゃん、シロ、これは、た、大変だゾおっ……!!」
 
「……ボオオ!!」

「アンっ!……アンっ!」
 
しんのすけ達も慌てて、アルベルト達に知らせに露天まで
走って行った……。
 
 
ジャミルは、スリ男を追っていく内に、ついカッとなり、
どんどんと、人の通らない薄暗い路地通りまでいつの間にか
足を運んでしまった事に気が付く……。
 
「少しやべえかな、知らない所だしな……、一旦戻って皆に相談すっか……、
……ハア、まーた一人で突っ走っちま……」
 
そう言って、動き出そうとした、その時……。
 
 
「へへ、……お嬢ちゃん、動くな……」
 
 
「……!?な、……ふぐっ!!」
 
ジャミルは後ろから強い力で身体を羽交い締めにされ、
口も塞がれる……。さっきのスリ男とは又違う、大柄な体格の
別の男であった……。
 
「静かにしてりゃ何もしねえよ、……ちょっと来て貰いたい処が
あるんだがね……」
 
(……いつもの俺ならっ、くっ、こんなの何て事ねえのにっ、……んっ、
力が出ねえっ!!)
 
ジャミルはもがいてみるが、男の方が遥かに力が強く、今は
アイシャの姿でいる所為か本来の力を出す事が出来なく、
どうしても男を振り払う事が出来ず……。
 
「……!!」
 
それでも精一杯の抵抗で、ジャミルは片足で男の急所を思い切り蹴った。
 
「……くそっ、このアマっ!静かにしてろって言ってんだよっ!!」
 
しかし、荒くれ男に強烈な腹パンチを喰らい、ジャミルはそのまま
意識を失い視界も真っ暗になった……。
 
 
 
「……此処は……?何処だ……?」
 
気絶させられていたジャミルが漸く目を覚ました。どうやら何処かの
部屋のベッドに寝かされている様であった。
 
「いちち……、まだ腹が……、ん?うわっ!な、何だよ!この格好!?」
 
ジャミルはアイシャから借りた洋服ではなく、いつの間にか
スケスケシースルーのネグリジェを着せられていたのである……。
 
「やべえぞこれ、俺、もしかしたら……、ラブホに連れ込まれたのかも……、
あ、あわわわっ!!」
 
急いで部屋のドアを開け、逃げようとするとお約束で鍵が掛かっていた。
 
「野郎……、けっ、そうかよ、そっちがその気なら……、
ドアぶっ壊したるわっ!」
 
ジャミルが気合を入れ、ドアを思い切り蹴ろうとすると……。
 
「……あら、乱暴はいけないわ、女の子でしょ、全く……」
 
「うわあああーっ!?」
 
壊す前にドアが勝手に開き、おかっぱヘアの美しい女性が
部屋に入って来た。
 
「な、なななななっ!?何だよ、あんたはよっ!!いきなりっ!!」
 
「……聞いた通り乱暴な子ね、でもいいわ、あなたの様な
野蛮な女の子を旦那様は好むのだから……、本当に変わった趣味よね、
あのお方も相変わらず趣味が悪過ぎだわ……」
 
謎の女性はジャミルの方を見て、怪しい笑みを浮かべると
くすりと笑った……。
 
(何なんだよ、これは一体……、俺……、マジでどうなっちまうんだ
よおおお!!)


冒険編10 捕われのプリンセス?

一方、一向に戻ってこないジャミルの身を案じる皆様方は……。
 
 
「どうしよう……、ジャミル戻って来ないわ、何かあったのよ、
きっと……」
 
「きゅぴい~……、アイシャ……」
 
「ジャミルさん……、どうしたのかあ、本当に……」
 
「心配だねえ~、……もう、おにいちゃんなんだから……、
みんなにしんぱいかけちゃダメだよう……、ちら……」
 
「お願い、こむぎちゃん、オイラの方見ないで……、照れ臭いから……」
 
「……オラの方も何となく見てる気がする……、照れますなあ~……」
 
「ボオ~ん♡(いや~ん)」
 
「……う、たいうう~……、ふぇ……」
 
「ひまちゃん……、ジャミルさんが心配なんだね……、
大丈夫だよ、よしよし……、ほ~ら……、いい子だね……」
 
ぐずりだしたひまわりを優しく慰めるいろは。一方のこむぎ。
彼女もまた戻って来ないジャミ公に不安になってきたのである。
 
「皆落ち着こう、もう少し此処で待ってみよう……、下手に
動かない方がいい、もしかしたらもうすぐ戻って来るかもしれない……」
 
そう言ったものの……、アルベルトもジャミルが心配で不安で堪らず……、
時刻はもう夕方になり、本日の露店も店をしまい、次々と引き上げて行った。
 
「大丈夫、チビがいるよお!チビ、ジャミルが走って行った方向、
匂い嗅いで行けば分る、ジャミル絶対見つけられる!」
 
「そっか!チビちゃんがいたのよね!」
 
「きゅっぴ!」
 
チビを抱きしめ、アイシャが微笑んだ。

「わたしもっ!ジャミルの匂いをかいで探せるわんっ!
おてつだいするよ!」

「アンっ!」

こむぎも子犬に戻り、シロも力を貸すよと。

「そっか、君達もいたんだね、でも……」
 
「アル……、此処はやっぱりチビちゃん達に任せた方が
いいと思うよ、こんなに戻って来ないんだもん……、絶対に
何かあったんだよ……、うう~、オイラだって正直あんまり
動きたくないけどさ……、ジャミルが心配だよお……」
 
「アル……」
 
ダウドとアイシャが不安そうにアルベルトを見つめた……。
 
「分った……、チビ、こむぎちゃん、シロも頼むよ……、
力を貸して……、その代り皆、絶対離れちゃ駄目だよ、特に
其処の困った皆さん……」
 
「アルも……、オイラの方見ないでよ……」
 
「オラもなの……?」
 
「ボオ~……(照れちゃう~♡)」
 
「きゅっぴ!チビにお任せっ!行くよおーっ!!」
 
「行くわんっ!まいごのジャミルを探すわんっ!」
 
「アンっ!」

「……こむぎ、シロちゃん、お願いっ!」