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zokuダチ。セッション18 冒険編2

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「いろは、行くわんっ!……フンっ!」

「うんっ!」
 
子犬モードのこむぎ、シロと共に鼻息を荒くし張り切る。こうして、
迷子の迷子の子猫ちゃん、……ではなく、行方不明のジャミル捜索隊?が
出動したのである……。そして、アイシャの姿のまま、謎の屋敷に
監禁されたジャミルは……。
 
「……」
 
「まあ、相変わらずね、ベッドの上で大股広げてふんぞり返って、
少しは女の子らしくしようと思わないのかしら?」
 
さっきの女性が再びジャミルの様子を覗いに部屋を訪れた。
 
「……別にい?俺、元々女じゃねーから、それより、何時こっから
帰してくれんだい?」
 
「何を訳の分からない事を……、これは今までの中で
アホの最強クラスかしらね……」
 
「あんたの言ってる事も分かんねえっつの!……なあ、困るんだよ、
ダチも待ってんだからよう……」
 
ジャミルは更に足をおっぴろげ、蟹股になるとベットを
げしげし蹴った。
 
「あら?お友達もいたの、ふふ、でも残念ね、あなたは
お友達の処へはもう二度と帰れないのよ、覚悟する事ね……、
旦那様に目を付けられた以上、此処からは逃げられないわよ……」
 
「な……、お、おいっ!ちょっと待てよっ!!」
 
女性は再び部屋に鍵を掛けると部屋を出て行く。訳も分からず
いきなり拉致され、残されたジャミルは唖然とするばかりである。
 
「……くっそ!開かない……、今はシーフじゃねえのが悔しい~っ!
とほほのほー!!……バカやってる場合じゃねえ、どうにかして
こっから逃げねえと、どこか、どこかないか……」
 
他に何処か逃げられそうな場所が無いか、部屋を徹底して
探してみたものの……。
 
「窓ガラスか……、此処をぶちやぶって……、……強化ガラスじゃ
ねえかよっ!ざけんな畜生っ、何処までっ……!?」
 
窓ガラスから外を覗いてみると、温室庭園がある様であった。
 
「……?誰か、歩いてる……?」
 
外に人影が見え、誰か庭園の中に入って行くのがうっすらと垣間見える。
 
「何をしているの?お行儀が悪いわね、本当に、彼方此方
じろじろと……、どうせ逃げる個所でも探していたんでしょう?」
 
「……又来やがった、行ったり来たり……、マジで何なんだよ、
アンタ……」
 
再び部屋に現れた女性に、ジャミルはうんざりする……。
 
「そう言えば、まだ自己紹介していなかったわね、私はルーゼ、
宜しくね、ふふ……」
 
「別にアンタの名前なんか聞きたくねえよ……」
 
「あなたの名前も教えなさい、旦那様にお伝えする必要があるのよ!
さあ!さっさと答えるの!」
 
「だからさ、その、旦那様とか……、何なワケ?……」
 
「今は話す必要はありません!早く教えなさい、さあっ!」
 
「……アイシャ……」
 
今はアイシャの姿なので仕方無しに、彼女の名前を名乗る他なかった。
 
「アイシャね、宜しい……、ふふ、顔と名前だけは可愛いわね、
性格には問題アリアリだけれど……」
 
「……」
 
ジャミルはブン剥れて、ルーゼというらしき、女性を睨んだ……。
 
「あらあら、膨れちゃって、お餅みたいで可愛らしい事、うふふ……」
 
「!?」
 
ルーゼはそっと、ジャミルの頬に触れた……。
 
「……う、な、何だよっ!?」
 
「本当に、お餅みたいな柔らかいほっぺたね、お姉さん、
こういうの見るとね、何故か感じてしまうのよ……、うふふ……、
舐めてしまいたい…」
 
「……や、やめろおおお~っ、うっ、くっ……」
 
ジャミルは必死でルーゼの手から逃げようと顔を背けて抵抗する。
 
「はあ、冗談よ、ムキになっちゃって、まあ……、本当に
お馬鹿さんね、ふふ、うふふ……、でもこれ以上手を出したら
旦那様に私が怒られてしまうわ、理性を抑えないとね……」
 
「……畜生、いい加減にしろよ……」
 
「まあ、仲良くしましょうよ、近いうちに、あなたも此処の家族の
一員になるのだから……」
 
ルーゼはジャミルにウインクをすると再び部屋を出て行った。
 
「……お、俺って……、やっぱ受け体質なんかな……、ううう~、
……何か自分で言ってて泣きたくなるわ……」
 
情けなさと悔しさでジャミルはどうする事も出来ないまま、
そのままベッドに転がりふて寝してしまうのであった。
 
 
そして、場面変わって再び仲間サイド……。
 
ジャミルを探す一行は、チビ、こむぎ、シロの匂いを頼りに、
ジャミルが最後に消えた場所の路地裏まで辿り着いた……。
 
「此処でジャミルの匂い、消えてる……」

「何も匂いしなくなったねえ……、ね、シロ……」

「……クゥゥ~……」
 
「ここから先……、ジャミルの身に何かあったって事なのかな……」
 
(ジャミル……、本当にどうしたの……、何があったの……、どうか
無事でいて、お願い……)
 
アイシャが硬く目を瞑った。その時……。
 
(……!何か変なの来るわん……!)
 
近づいてくる足音。……異変に気付いたこむぎ。咄嗟に身構え、
子供達の前に立って庇うと、威嚇し始める……。

「……ゥゥゥ~!」
 
「こむぎ、どうかした……?」
 
「……おお?……シロ……?」

「……アンっ!!」
 
「またあ……、シロ、君までどうしたのさあ~」
 
疲れた様な、少々情けない声をダウドが出した。
 
「……いろは、みんな、気を付けて!恐いのが来るよっ!」
 
「!?」
 
こむぎの声に一同振り向くと、後ろから一行に迫って来たのは……。
ごつい荒くれ男であった……。
 
「へっへっ、坊や達、夜遅くまでこんな処で遊んでちゃ駄目だよ~、
こわ~いおじさんに……、連れて行かれちゃうぞお~……」
 
紛れも無く、ジャミルを誘拐した、あの荒くれ男であった……。
荒くれはいろは……、彼女の方をジロジロ見ている。
 
「ぴいっ!この嫌なおじさんから、何だか微かにジャミルの匂いが
するよおっ!」
 
「ええっ!?チビちゃん、て、言う事はっ……!!」
 
チビを抱きしめるアイシャの手にもぐっと力が入る……。
 
「へへ、しぶとく張り込んでたらカモが又来たか、こらあいいや、
けど、こんなわざわざ場所に入って来るとか本当に頭の足んねえ
お子様達だ……」
 
「あの、おじさん、い、一体何なんですか……?」
 
「……ゥゥゥ~っ!ワンっ!ワンっ!」
 
荒くれ男はいろはから目を離さない。どうやら今度は彼女を狙って
連れて行こうとしているらしかった。……こむぎも男を威嚇するのを
止めない……。
 
「ほお~、中々の上玉だなあ、他のガキ共は要らねえな、邪魔だ、
待ってな、男共を始末したらよ、可愛がってやるからさ、嬢ちゃん……」
 
「……ゥゥゥ~!……キャイイーーンっ!」
 
「……げっへっへっへ!邪魔だっ!糞犬共っ!」
 
「……ガル……!アンーーっ!!」

「こむぎっ!シロちゃんっ!……あっ!?」
 
「アル!いろはちゃんがっ!狙われてるわ!」
 
「……いろはちゃんっ!!」
 
「ボオオオー!ひまちゃん、あ、ぶな、い!」
 
「ひまーーっ!!アルベルトお兄さん!ひまも連れて
行かれちゃうよーっ!」