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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
novelistID. 70979
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ヒロアカ世界でありそうな事~人気調査2~

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「悪いけど...今日のレギュラーから外れて貰うよ」
「えっ...何でだよ?」
「君が来ない間に皆で話し合ったんだ...信用出来ない相手とプレイする事は出来ない」

部長はそう言ってから中村と同じポジションで二年生の選手をスタメン入りさせる事を告げる。中村とスタメンを争っていた後輩は勝ち誇った表情で彼を見ている。後輩はイケメンで少し鼻持ちならない性格で中村とは折り合いが悪かったのである。なので、スタメンから外された事に対して彼は声を荒げて反論していた。

「何でだよ!?もしも、今日負けたら中学最後の試合になるんだぞ!」
「そうなったら高校でプレイすればいいじゃないか?中村、〇〇高校への推薦が決まっているんだろ?あのクズ高校のさぁ...!」
「はぁ!?クズ高校って...〇〇高校は偏差値の高い進学校じゃないか?」

そんな中村の言葉を聞いた部員達の視線は更に冷たくなった...口々に呟き始める。

「如何にもって台詞だよな...悪役に相応しいぜ」
「まったくだね...こんな考え方だからあんなクズ連中の一員になるんだな」
「そうそう......本当に賢い人と“自分が優れた人間だ”と思っている奴って違うんだね~...勉強になるわ」
「うん、こんな奴にはなりたくないよね」
「僕らにそれを教えてくれた彼に感謝だよね」
「こういう奴を恥知らずって言うんだね」

「何だよ!?何を言ってるんだよ!?お前ら!」

中村は部員達の中には彼と仲が良かった同級生や後輩もおり、全員が中村を嘲る様な...まるで悪人に対する怒りと嫌悪に滲ませた表情で言葉を紡いでいる。部長やポジション争いのライバルだった後輩が何かをしたと考えた中村は一番仲が良かった後輩へと話しかける。

「なぁ、斎藤...何が在ったんだ?俺が試合に出ないと...困るだろ?」
「いえ...別に困らないです」
「斎藤?」
「俺は来年が有りますし...今は先輩と同じ部の仲間と“みんな”に思われたくないです!」
「どういう意味だよ!?」
「......俺が小学生の時に虐められてたって話をした事がありますよね」
「えっ!?あっ...あぁ...確か...虐められている中で野球を始めて活躍する様になったら、虐めていた奴等にも認められる様になったんだっけ?」
「俺......今でもアイツらの事を赦していません。アイツらに褒められても嬉しいなんて感じた事なんて一回も無い!」
「何を言っているんだ?」
「だから......“彼”の気持ちは痛いほど解ります」
「何の事だよ!?何を言ってるんだよぉ!?」

騒ぐ中村にポジション争いをしていた後輩が声を掛けて来た。勝ち誇った様な笑顔を浮かべている。

「要するにですね~...皆、中村先輩の事が信用出来ないって言っているんです」
「宮野...お前が皆に何かを吹き込んだのか!?」
「人聞きが悪いなぁ~...悪いのは全部、馬鹿なあんたの所為でしょう?」
「何だと!?」
「ある人がさぁ~...俺達に教えてくれたんですよ。あんたが俺達の知らない場所で犯した...あんた的に“若気の至り”って奴をね♪」
「何だよ...それ?誰が俺の何を教えたんだよ!?」
「さぁ~...今のあんたに説明しても意味ないっしょ!一つだけ言わせて貰うならさぁ...『この部屋にお前の居場所は無い!出て行け!!』だけですよ」
「なっ...!?」

絶句する中村に部長が宮野に続いて口を開いた。

「お前...今日負けたら最後の試合だって言ってたよな?」
「......」
「俺達はもうお前を試合に出すつもりは無い。だから、この場で野球部を引退してくれ」
「部長...!」
「宮野の言う通り...この野球部にお前の居場所はもう無い」
「俺達は...あんな事を知って...あんたと一緒に野球をやる様なお人好しじゃない」
「うん、あんたと野球をやる位なら俺が部を辞めるよ」
「俺も!」
「僕もだ!」
「......」

部員達からの真剣な拒絶に黙って俯いている中村に部長が続ける。

「解っただろう?お前と野球をやってくれるのは...お前と傷の舐め合いをしてくれる様なクズだけだ」
「......」
「そうっすよ♪野球がしたかったら〇〇高校に進学してからにして下さい♪あそこなら...あんたと同類のクズ共がいるでしょう♪」
「お前っ!!」

宮野の嘲る様な言葉に我慢の限界となった中村は彼の顔を殴る為に拳を振り上げようとした。それを察知した部長が近くにいた部員達に指示を飛ばした。

「!?中村を押さえろ!」
「「はい!」」
「!?離せ!離せぇ!!」
「ふぅ~...危ない!危ない!!」
「大丈夫?宮野君?」
「あぁ、大丈夫だよ。斎藤」

2人係りで押さえ付けられて暴れる中村を呆れた眼差しで見ながら部員達は呟いている。

「やっぱりさぁ~...馬鹿だわ!コイツは!」
「うんうん!」
「こんな奴の所為で体育会系が脳筋だとか言われるんだよなぁ」
「どうしますか?部長?」
「試合前だからなぁ...どうしようか?」
「俺は大会に報告してもいいと思います」
「いいのか?俺達はもう引退でいいけど...」
「皆で口裏を合わせればいいんじゃないですか?人間として信用出来ないからスタメンから外したら暴れ出したって事にしてね?」
「それでいいか...コイツなら因果応報って奴だな」

部員達がそんな事を話していると...ドアからノックの音がすると同時に彼らの耳に中村の“正体”を教えてくれた恩人の声が聞こえて来た。

「もう入っていいかい?」
「あっ...四世クンか!入って来ていいよ!」

部長が返事をすると部屋の中に見覚えの無い制服を着た少年が入って来た。大人しそうな雰囲気で没個性な外見をした眼鏡少年である。だが、芯の強そうな瞳をしている。少年は中村に対して非常に冷たい眼差しを向けている。

「誰だ?」

調は中村の問いを無視して部長に話しかける。

「今から...この偽善者の頭に直接、“読者(みんな)”の声を叩き込むから、それまで押さえ付けてくれない?」
「あぁ、コイツに自分がクズだって教えてやるのか!任せてくれ!」
「頼みます...彼の為にも」
「そうそう♪こういう奴は痛い目に遭わないと解らないよなぁ♪」

「何だよ?何をする気だよ!?」

「今から...お前がクズでどうしようもない馬鹿で!クソみたいな偽善者だって教えてあげるのさ!」
「お前...まさか!お前が皆に何かを吹き込んだのか!?」

中村は怒りに満ちた眼で調の事を睨み付けるも...調はそれ以上の怒りと嫌悪...そして、正義に満ちた眼で中村を睨み付ける!!

「ひっ!?」

調に気合で負けた中村は咄嗟に眼を逸らしてしまう。そして、自分の罪も正視出来ない偽善者の頭を掴んだのだった。

「えっ!?」