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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
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ヒロアカ世界でありそうな事~人気調査2~

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見知らぬ少年に頭を掴まれた瞬間だった...中村の視界は真っ暗となり、暗闇に画面が現れて彼が登場する物語が流れ始めた。それは中村が進学する予定の高校での出来事だった。中村と仲が良いクラスメイトである主人公が性質の悪い女達から婦女暴行の冤罪を着せられ、中村を始めとした学校中の人間から迫害を受けた一年後に犯人グループが逮捕された事で冤罪が晴れる。冤罪だと知った中村達は罪悪感から主人公に謝ろうとしたが、そんな手の平返しを相手は赦さずに仕舞いには...主人公は精神を壊してしまい、孤立していた中で信じてくれた親友のいる高校へと転校してしまう。そして、週刊誌やネット記事にそれらを書かれてしまい、社会的に孤立してしまう。主体性が無く、己の罪を正しく捉える事が出来ず、自分に何よりも甘い、口先だけの偽善者達の代表...それが中村誠之という男である。

「ちっ...違う!俺は何もしていない!冤罪だって知っていたら何もしない!」
「大した事はしてないだろ?無視しただけじゃないか!!」
「謝ろうとしたじゃないか!チャンスをくれなかった相手の所為じゃないか!!」

取り乱している中村を野球部員達は白い眼で見ている。

「だけ?無視だって立派な虐めじゃないか!」
「っていうかさぁ~...友達なら冤罪を訴える友達を信じてやるのが先っしょ!...非の打ち所の無い人間に嫉妬してただけなんだよ...てめぇは」
「それで...自分が自業自得で痛い目に遭ったら言い訳ばかり...最低だな」
「みっともねぇなぁ」
「まったくだな」

見苦しく言い訳を続ける中村の眼前に無数の眼と口が現れていた...眼は中村に対する怒りと嫌悪で滲んでおり、口にも憤怒が浮かべているのが解かる。そんな眼と口が山田の周囲180°に出現していた!そして、口が開いて“偽善者”に向かって声を発した。

『馬鹿』『バ~カ!』『偽善者』『碓井君の引き立て役』『クズ野郎』『てめぇも統合失調症になれや』『クズ同士で傷の舐め合いをしてろ』『亮助の痛みはお前の比なんかじゃない』『勝手に理解した気持ちになって同じだの思うな』『雰囲気ブサメン』『ルサンチマン』『卑怯者』『ゴミ野郎の代表』『お前の居場所はこの世には無い』『この世から出て行け』『口だけ野郎』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『偽善者が!』『この偽善者め!!』『この醜い偽善者め!!』『この口だけの偽善者が!!!』




「うわぁぁぁあああん!!!!!俺のせいじゃないぃぃぃいいい!!!!!」




調から脳へとダイレクトに“伝達”された“読者”達の感情が籠った言葉を注ぎ込まれた中村は大声で泣き叫び始めた!涙と鼻水を流しながらみっともない顔で泣き喚ている。周囲にいる野球部員達は呆れた様子で眺めている。“俺は悪くない”や“知らなかった”だのクズの常套句を叫んでいる。例え...未来の事でも...どんな理由でも...自分が悪事を犯してしまった事を知ったら良心というモノがある人間は後ろめたさを感じるだろう。
とある漫画に『焼き土下座』という拷問が存在する...これは謝罪というのは辛ければ辛い程に意味があるという思想が具現化された拷問である。中村誠之という男は絶対にこれが出来ない人間なのは明白である。騒ぎを聞き付けた顧問の教師に対して全員でレギュラーから外したら泣き喚き始めたと説明する。




「......俺のせいじゃない......俺は悪くない......」




“読者”達からの感情をダイレクトに脳へと叩き込まれた中村は自室へと引き籠り、中学校へも通わず、受験勉強もしなかった。彼は弱かった...幼かった...馬鹿だった...故に受け入れる事が出来なかった。自分が弓川同様に...口先だけの偽善者である事を認める事が出来なかった。世間は馬鹿に厳しい...特に愛されない馬鹿には...故に調によって馬鹿である事を暴かれた偽善者は世間によって淘汰されたのだった。

唯一...コイツが役に立った事は野球部員達が虐めと縁の無い...問題が起こった時にも安易な気持ちで手の平返しをせず、双方の話を聞いて公平に判断しようと努力が出来る人間へと成長した事である。




「ぎゃあっ!!」

人気の無い公園で派手な格好をした女子中学生が調によって頭を掴まれている。亮介の隣の席に座っていた女子生徒で彼の弁当箱を捨てたりと嫌がらせをしていた癖に冤罪が晴れた途端に手の平返しをしていたクズだ。奴の頭には自分がどうしようもない馬鹿でゴミみたいな人間である事を知っている“読者(みんな)”の声が流されている。調はコイツみたいな平気で手の平返しをする様なクズには特に容赦が無く...“読者(みんな)”の声をクズ女へと流し込んでいる。どんなクズでも何度も何度も大勢から罵倒を受けたら少しは堪えるだろう...と考えから調は“読者(みんな)”の声を流し続ける。

「お前の様な奴は反省なんてしないだろうからね...“読者(みんな)”の声を聞きながら苦しめ!」

それから、とある一軒家の中で一人の女子中学生が両親によって押さえ付けられながら藻掻いている。顔が良く、偏差値も高いが、それだけが人間の価値ではないという事実を具現化した様なクズである。

「はっ...離して!お父さん!お母さん!!」
「大人しくしろ!文香!!」
「そうよ!あんたはこれくらいはしないとまともな人間になれないのよぉ!!」
「どういう意味よぉ!?」

何を言われているのか理解出来ない女子中学生の前に見知らぬ少年が現れる。外見と勉強が出来る事しか取り柄の無い奴からしたら、眼中に無い様な冴えない少年である。

「お前がどうしようもない馬鹿だって事だよ!」

「何ですって!?誰よ!あんたは!?」

「いいですね?最悪の場合は引き籠ったり、入院するかも知れませんが」

「構いません!次女や家族の為です!!」
「そうよ!あんな人間になるのに比べたら引き籠りの方がマシよぉ!!」

「どっ...どういう意味よぉ!?」

「自分の馬鹿さ加減を“読者(みんな)”から教えて貰って反省しろ!」




その後...街中で二人の少女が独り言を呟きながらすれ違った。2人は本来の世界線で進学先で出会って友人同士となる間柄だったが...今はお互いに名前も知らない仲である。

「あたしは最低な奴......好きな人を庇う事も出来ない...好きな人を陥れたクズに騙され...キスする様なアバズレ...その挙句...家族にすら迷惑を掛けるクズ...肝心な時に何もしなかった癖に...大事な人を護る事の出来た人間を認める事も出来ない馬鹿...亮介君に出会う資格の無いクズ...醜い悪役...」