二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zokuダチ。セッション21 冒険編5

INDEX|5ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

睨むのであった……。


冒険編25 力併せて

その頃、ユウは屋敷の玄関付近の螺旋階段に座り、チビを抱いて
介抱していた。
 
「……ぴ?」
 
「あっ、チビさん、目を覚まされましたか、ふふ、さすがスーパーな
ドラゴンさんですねえ……」
 
「あれえ?ユウちゃん、お顔笑ってる、元に戻ったの!?」
 
チビが驚いてユウの顔を眺めると、ユウは再び顔を曇らせ、悲しそうな
表情をするのであった。
 
「違うんです、……チビさん、私……、本当は、おにいさまとおねえさまが
助けに来てくれた時から、もう自分の意識はあったんです……」
 
「きゅぴ!?」
 
「でも、私……、ルーゼ様が怖かった、あの方の目を見ると震えが
止まらなくて……、どうしたらいいのか分らなかった……、従うしか
なかったんです……」
 
「ぴい、ユウちゃん……」
 
「私、お2人にも皆さんにも酷い事をしました、きっともう
嫌われてしまいました……、本当にもうどうしたらいいのか
分らないの……」
 
ユウはそう言うと、チビの顔の上に涙を一滴溢した。
 
「ぴいっ!それはユウちゃんが悪いんじゃないよお!それに
そんな事でジャミルもアイシャもユウちゃんを嫌ったり
しないから!……だから、元気だして……?」
 
「……チビさん……」
 
チビはそっとユウの頬の涙を舐めてやるのだった。
 
「ありがとう、チビさん、私、ちゃんとおねえさま達に謝りたいです、
皆さんにも……」
 
「そうだよ、わりィ事したらちゃんと謝りゃいいんだよ、
許して貰えるまで……」
 
「きゅぴっ!?」
 
「……あ、ああ、ケイおねえさま達……」
 
ユウとチビの前に、ケイ、マフミ、ブウ子の3人娘が再び
現れたのであった。
 
「あたし達も途中で完全に洗脳が解けて何とか元に戻れたのさ……」
 
「許して貰えるか分かりませんけど、私達にも償いとして
何か出来る事をさせて頂こうと思いまして、戻って来たんです
うっ!きゃあー!」
 
「まあ、仕方ないが、たまにはボランティアとして、私も協力して
やる事にしたのだ!」
 
「きゅぴ!じゃあ皆でジャミル達を助けに行こう!お願い、
力を貸して!」
 
「ああ、勿論さ!私もルーゼの野郎をぶっ飛ばしてやるよ!」
 
「きゃあー!ケイちゃん、それは無理よー!出来ない事は
言っちゃ駄目!私達は私達の出来る事をするのーっ!きゃああー!!」
 
「ぐ……、おめえ、そのいちいちキャーキャー言いながら喋るの
いい加減によせよ、迹にさわるんだよ、むかつく……」
 
「嫌よ、きゃあああーーっ!私のチャームポイントなのっ
、きゃあああーーっ!」
 
「……ぴきゅ、又外から足音がする、誰か来たよ!」
 
「え、ええええっ!?」
 
チビの言葉にブウ子を除く娘たちは一瞬脅えるが……。
 
「……突撃ーーっ!悪魔女のルーゼを倒せーーっ!領主様を
お助けするのだああーーっ!」
 
「おおおおーーっ!」
 
「……あれ?ダウ……」
 
「あはっ!チビちゃん!」
 
現われたのは、下級部隊兵と善良なエリート部隊兵達であった、
何故か隊の一番最初にダウドがおり、庭師の爺さんも加わっている。
 
「ダウも皆も、おじいちゃんも、一体どうしたの……?」
 
チビが首を傾げ、きょとんとすると、ダウドは意気揚々と
経緯を話し始めた。
 
「オイラ、街へ行って戻って来る間に皆と会ったんだよお!やっぱり
皆このままじゃ嫌なんだって、領主さんを助けたいんだって、だから
皆で一緒に来たんだ!」
 
「非力な私達ですが、何か出来る事があればと思いましてな!」
 
「うむ、儂も街で鎖を外して貰った後、やはり一緒にダウド殿に
付いていく事にした、このまま黙っていられるか……、何としても
旦那様に目を覚まして貰わんとのう、ああ、子供さん達はそのまま、
儂の友人の家に預かって貰っておるよ」
 
「うわあーい!凄いねえっ、皆がいてくれれば百人力だねっ!
行こうっ、皆で!」
 
チビは嬉しそうに皆の顔を見て宙を飛び回り、パタパタと尻尾を振った。
 
「でも、私……、皆さんに会わせる顔がありません……」
 
「何言ってんだ、この馬鹿!顔が合わせられねえんだら顔を
合わせられる様にするしかねえだろうが、このアホンダラチビ!」
 
容赦しないブウ子は煮え切らないユウに向けてげしげしと
きつい一言を発する。
 
「ぎゅぴ、……アホンダラチビって……、何だかチビに向かって
言ってる気がする……」
 
「ま、まあ、ブタの言い方はあれだけどさ、そうだぜ、ユウ!
自分でした事はきちんと責任を取らなきゃな!だからあたしら
だって償いで出来る事がありゃと行こうと思ったんだよ!」
 
「そうよ、行きましょう、ユウさん!きゃあああーーっ!」
 
「ブウ子さん、……ケイおねえさま、マフミおねえさま、はい、
ユウは行きますっ!ルーゼが無理矢理押し付けたこの変な力……、
今度は皆さんの為に使いますっ!」
 
「……何で私だけおねえさまじゃねえんだ?まあ、いいけどさ……」
 
ユウは涙を再び拭うと、皆の顔を見、決意を決めた様であった。
 
「よおーし!オイラも覚悟決めたよっ、行こう、皆でとつげ……」
 
と、ダウドが言った瞬間、別の隊がこちらに向かってのしのし
歩いて来る。それはアルベルトとダウドが地下牢でシメた、悪
エリート部隊兵達だった……。
 
「……う、わあああああっ!?」
 
最後までちゃんと言葉を言えず、パニくったダウドは慌て、
下級部隊兵の後ろの列に逃げて行ってしまった。
 
「ぴい!ダウ、逃げちゃ駄目だよお!覚悟決めたんでしょっ!!」
 
「……チ、チビちゃあ~ん、だ、だってえ~…」
 
「おい、今逃げたタレ目のガキ、よくも地下牢ではやりやがったな、
畜生……、許さねえぞ、絶対、……後一人、生意気な金髪のガキは
どうした?」
 
「ひいいい~、や、やっぱり怖いよおお~……」
 
悪エリート部隊のお偉いさんらしき男がダウドを睨みつけると、
ダウドは脅え、再びヘタレ病が再発してしまう。
 
「皆さん、此処は我らが相手を致す!その間に皆さんはルーゼの
所に向かうのです!」
 
「ひ?わわわ!兵隊さん、無茶だよお~!」
 
悪エリート部隊の前に、反発するエリート部隊兵と下級部隊兵が
立ち塞がり、両部隊が互いに睨み合った……。
 
「何だあ?雑魚糞部隊じゃねえか、おーい、ふざけてんのか?
ああっ!?俺達エリート部隊に刃向かおうってのか、イイ根性
してんじゃねえか、て、お前らもよ、ルーゼ様に逆らおうってのかい、
ヘッ!」
 
「お前達もいい加減に目を覚ませっ!何時まであの魔性女に
取りつかれているのだっ!本当に旦那様を救おうと思うなら
下級兵士もエリート兵士も関係ない!今こそ力を併せる時!」
 
「……雑魚が、生意気だな、俺達はこの屋敷の主なんかはっきり
言ってどうだっていいんだよ、関係ねえ、あくまでもルーゼ様に
従うのみだ、はははははっ!」
 
お偉いさんの声に合わせるかの様に、他の悪エリート部隊兵は
キッと言葉を発した下級部隊兵を見下し、ゲラゲラと笑うのであった。