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zokuダチ。セッション21 冒険編5

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「それでも……、旦那様はこれまで本当に良くやってこられた、
民の幸せの為に……、お前が来る前まではな……、儂はこれまで
通りじゃ、……お前の言う通り、人間誰しもやましい心を持たぬ
人間などおらんよ、儂にだって汚い心はある、……じゃが、旦那様に
対する忠誠心、何も心は変わらんよ……、のう、旦那様……」
 
「……ケ!やってられるかってのよ、来い、相棒!」
 
ルーゼは呪文を唱えると、グリフォンの様な外見の怪物を呼び出し、
背中に飛び乗った。
 
「久しぶりだね、長い事待たせちゃったね、でももう此処は
終わったからさ、次行こう!」
 
「おいコラ!まだ話は終わってねえぞっ!欲望のエキスとか、
てめえは一体何企んでんだよっ!ちゃんと説明しろっ……!!
そもそもお前はどっから来たんだよっ!!」
 
ジャミルはルーゼに完全な説明を求めるのだが、ルーゼはもう完全に
その場から逃げる体制万全で話を遮ろうとした。
 
「うるせーウンコ猿だなっ、お前らに説明する必要はねえんだよ、
後はこのスケベ爺から懺悔話でも話を聞けば?もうおてえが
掛けた洗脳も解けるんじゃね?ま、今度又会えたらそん時に
でも話してやるよ、じゃあな、馬鹿共さん!!早く全員揃って死ね、
バーカ!!」
 
「……ま、待てっ、ルーゼっ!……ううっ!!」
 
ルーゼはジャミルが止める間もなく、相棒の怪物と共に瞬く間に
姿を消してしまった……。
 
「逃げられたかっ、畜生っ……!!何だこの中途半端さはよっ……」
 
「あ、あそこに倒れてる女の子達のお山があるよっ!!」
 
「……な、何て事っ!?」
 
「わーっ!き、きのこの山じゃなくてえーっ!女の子の山ーーっ!?」
 
「ダウド、落ち着いて……、あれは一体……」
 
アルベルトも目を見張る。こむぎが指差した方向に沢山の女の子達が
倒れていたのであった。


冒険編27 休息の時間

どうやら、倒れていた女の子の集団はこれまで領主が娶り、
ルーゼにエキスを抜かれた後、放置され、異次元の様な場所に
何年も閉じ込められていたのである。しかも彼女達はこの屋敷に
いた時の記憶を全く覚えていないらしく。
 
「取りあえず元気で目を覚ましたつー事は、ルーゼに魔術でも
掛けられてそのまま眠らされてたんかな、本人達が覚えて
ねーんじゃ話聞きようがねえけど……」
 
「皆黙って帰って行くね、何も思い出さない方がその方がいいと
思うけど、それよりも問題はあっちの方だよ、領主さん、今まで
した事、どう謝罪をするんだろう……」
 
アルベルトはそう言うと、ぞろぞろと戻って行く女子集団と、
倒れている領主とを交互に見つめた。
 
「旦那様……、取りあえずお背中の治療をせねば……、誰か、誰かーっ!」
 
「はいっ、お任せ下さいませっ!!」
 
庭師が一声、廊下に向かって声を掛けると、今まで何処にいたのか、
暫くご無沙汰であったメイド集団がさっと姿を現した。
 
「背中を骨折しておる様だ、静かに運んでおくれ……」
 
「了解でございます!!タンカをっ!」
 
メイドが別のメイドに声を掛け、連係プレイで領主をいそいそと部屋の
外に運び出して行った。
 
「……ジャミル君も、ユウさん達も……、旦那様もルーゼに術を
掛けられていた手前、自身が行ってきたこれまでの事を覚えているのか、
旦那様に問い質す必要がある、どちらの答えが出ても、旦那様には
君達に謝罪をして償わなければならん、謝って済む問題ではないのだが、
済まないが、もう少しだけこの屋敷に留まっては貰えないだろうか……」
 
「ああ、元の世界に戻る方法もまだ分かんねえしな、情報が分るまで
此処に置いて貰えんなら助かるけど……」
 
ジャミルがそう言って他のメンバーを見ると、皆、静かに頷く。
 
「すまないのう、就寝部屋は後でメイドに案内させよう、ゆっくりして
いっておくれ……」
 
庭師はそう言い、自分も領主に付きそおうと部屋を後にした。
 
「はあ~、これでオイラ達も漸く此処で寛げる……、って
事なのかなあ~……」
 
「冒険もそろそろ終わりなんだね、でも、わたし達のわんだふるな
夏休みはまだまだこれからだよっ!」
 
「こむぎ、戻ったらまずは夏休みの宿題だよ、……最後に
泣かない為にも……、私は初日にお寺で、持参した宿題を
もう片付けちゃったから……」
 
いろは、薄ら笑いでこむぎの肩に手を置く。こむぎは大絶叫。
 
「あ、あっ、ずるーいっ、いろはってばっ!何で声かけて
くんなかったのーっ!!一緒にやろうよーーっ!!一人で
先に宿題やっちゃってずるいっ!」
 
「だって、お寺で時間が空いてた時、こむぎ殆どグースカ寝てたでしょ、
それに宿題は自分の力でやる物だよ」

「……いいもん、そうだ!分かんない処はまゆに答え教えて
もらっちゃお!」

「めっ、こむぎっ!ズルは無しだよっ!!それに、そんな事したら
ユキちゃんにも怒られるよっ!」
 
「つくづく大変だね、学生さんはよ、俺らには関係のねえ話だけど……」
 
ジャミルは苦笑しながらいろはとこむぎを他人事の様に見ているが……。
 
「いろはちゃん、こむぎちゃん、大切な夏休みを削ってまで今まで
長い間着いて来てくれて本当に有難う、私、凄く感謝してるのよ、
おチビちゃん達にも……、皆が支えてくれて助けてくれたから、私達、
辛い時も頑張れたし、こうして元の身体にも無事に戻る事が出来たんだもの……」
 
「うんっ、私達も、……すっっごく!楽しかったよ!また一緒に
冒険しようね、アイシャさんっ!」
 
「わんわん、今度はユキ達も誘って一緒に冒険しよっ、わんわんわんだふる
アドベンチャー!」
 
と、まあ、此方は女の子同士、和気あいあいとしているが、突然、
アルベルトが思い出した様にジャミルの方を見て、ポンと手を打った。
 
「そう言えば、……仕置き……、忘れてないよね?」
 
「……ひいいっ!?」
 
変なポーズになったままジャミルが凍りついた……。
 
「今から僕もスリッパ磨いておこう、楽しみだなあ……、うふふふ……」
 
「……ア、アルったら……、もう……」
 
「あはは!何か、今日はホントに久しぶりにゆっくり休めそうだよお!」
 
「ねえ、ダウド、これからこむぎ達と一緒に街にしんちゃん達を迎えに
行こうよっ!」
 
「え!……えええええ!?」
 
「そうですね、お爺さんの知り合いのお家の場所を知ってるのは
ダウドさんだけですから、そろそろお迎えに行ってあげないとずっと
待ってるおチビさん達も可哀想ですし……」
 
「分ったよお~、……とほほのほお~……」
 
「きゅぴ、チビも一緒に行く!ダウ、ふぁいとお!」
 
「チビちゃんは、空が飛べるからいいよねえ~……」
 
「よーしっ、もうひとふんばり、わんだふるごー!ダウドっ!」
 
「……あはは、元気いいねえ、こむぎちゃんは……」

「あったりまえだよーーっ!!」
 
鼻から湯気を噴くこむぎに呆れるダウド。これまで散々走り回された
ダウドは、更に、いろは、こむぎ、チビと、もうひとっ走り、街と屋敷を
往復する羽目になったんである。
 
「ダウド、大丈夫かしら……」