zokuダチ。セッション22 冒険編終
「……ジャミル、ジャミルぅうううーーっ!!」
急にダウドが転がり込む様にジャミルの部屋に大慌てで入って来た。
「……な、何だよ、ダウド……」
「あ、チビちゃんとアイシャも一緒なの、丁度いいや、皆、外出て!」
「はあ……?」
「いいから早くっ!!」
あまりにもダウドが異様に興奮しているので、仕方なしにジャミル達が
マンションの外に出ると、其処にいた人物は、……何と……。
「おにいさまーっ、おねえさまーっ、チビさーん、やっほー!
ユウでーす!あはっ!」
「ユ、ユユユユユ……、ユウ!?ユウなのか!?な、何で此処にっ、
一体、これは……」
「……嘘でしょ、ユウちゃん……、どうして……?どういう事……?」
「嘘じゃないです、皆もちゃんといますよーっ、ホラっ!」
「あ……」
「……きゃーっ!ジャミルさん、アイシャちゃん、チビちゃんもーっ!
きゃあああーーっ!!」
「よ、久しぶり!相変わらず、馬鹿やってんのか?ジャミル!」
「……ふんがふんがふんががああーっ!!」
マフミ、ケイ、ブウ子も、普通に……、ちゃんといたのである。
「ど、ど、ど……、どゆこと?」
「み、皆に又会えたのは凄く嬉しいけど、でも、でも、でも……、
何がなんだか私にも分らないわあ~…」
……状況が分からず混乱するジャミルとアイシャ……、と、更に其処に……。
「ふむ、私達にも詳しい状況は把握出来ぬのだが……、君達が
いなくなってしまった夜に、ふと夜空を見上げたら、急に空が
明るくなって光だしてね、気が付いたらこの世界にいたのだよ……」
「……お、おっさん!?」
「領主さま!」
「どうやら儂らの住んでいた世界と街ごと、ジャミルさん達の
いる世界に、ワープして来てしまった様ですじゃ……」
「庭師のじいさんもっ!こ、これって、マジか、マジなのか!?」
「ふ、二つの世界が、もしかしたら……、融合……?し、しちゃったって
事なのかしら、何かの異変で……、大変だわっ!!」
「原因は今は分らぬが、街の民もそれ程、混乱してはおらぬ様であるし、
暫くは私達もこの世界にお世話になるかなあと思っておるのだよ……」
「そういう事ですじゃ、……ジャミルさん達、これからもどうぞ
儂らとナンダカンダ家を宜しくのう……」
「あはっ、これからもユウを宜しくですーっ!」
「きゃあああーっ!なのーっ!……きゃああああーーっ!!」
「はあ、まーたお前らの面拝まなきゃなんないのか、ま、又宜しくな!」
「ふんがーーっ!飯はどこじゃあああーーっ!!」
「……うっそおおーーんっ!!」
「きゅっぴーーっ!!」
……二つの世界がくっつき、更におかしい事になってしまった、
この変な島……、次回から、更に新展開で、今後もますます
大暴走?予定です。
海へ行こうよ 1
8月も終盤になった。だが、まだまだ夏は終わらない。
ジャミル達、動きたくない物臭ダウド、堅物ガラハド、
獣・トカゲを除いたロマ1軍団は、近くの海へと
海水浴に来ていた。
「はあ~、ほんっと、元に戻れて良かったわよう、……私、
臭いかも知れない汚れた海水パンツ履くの覚悟してたもん……」
念の為、アイシャは浮き輪常備。着用水着は真ん中にリボンの付いた
可愛らしいワンピース水着である。
「んだとお?俺だってな、ペチャパイ専用水着なんか
着なくて良かったよっ!」
「……何よおっ!、冗談なのにっ、そんなにムキになる事ないでしょっ!」
「何だよっ!冗談に聞こえねんだよっ!」
元に戻って早速、2人のケンカがスタートする。いつもの如く。
すっかりいつもの日常も戻っていた。
「ほらほら、アンタ達……、時間が勿体無いだろ、さっさと
海に行っといで……」
バーバラが呆れながらもジャミルとアイシャの背中を押した。
「え~?バーバラは海入らないの?泳ごうよ!」
「ふふ、大人のお姉さんは露出は控えめにしとくモンなのサ……」
「そうなの……?」
「そうだよな、もう肌さらけ出すほど若くねえ……って、
いってええっ!!」
バーバラのゲンコがジャミルに飛んだ。
「ったくっ!寺へ修行に行こうが何しようがこの口の悪さは
結局変わんないねっ!!」
「……ぐおお~、ぐおお~……」
「……」
ビールを2缶開け、真昼間から酔っ払い状態のホークが
大鼾をかいて、ビニールシートの上で倒れていた。
「ホークったら、海にまで来て、お酒飲みに来たのかしら……」
「ああ、このブタ狸もほっといていいよ、あたしが見てるから、
だから早く海に行っといで!」
「んじゃま、行くかね……」
「んー、他の皆は?」
クローディアの所にも泳ぎに行かないかアイシャが誘ってみるが、
水着を着ておらず、パラソルの下で静かに休んでいた。
「クローディアも、泳がないの……?」
「ええ、日に焼けてしまうのが苦手で……、海辺で貝殻を
拾っている方が好きなのよ、私に遠慮せず、海に行って
らっしゃい……」
「そう……、残念だね、折角の海なのに……」
両手を後ろに組んで、アイシャがちょっと残念そうな顔をする。
「で、オメーは何やってんだ……」
「ふっ、……見れば分るだろう、クローディアの護衛だ……」
……グレイはアイスソードまで持ち出し、クローディアの
側に座っている。グラサンに、派手なアロハシャツ姿である。
「んな処まで、誰が来るんだよ……、ん?」
と、ジャミルが言った処に、ワイワイガヤガヤ、高校生らしき
集団が歩いて来た。そして、クローディアの姿を見ると、早速、
彼女をナンパし始める。
「ヘイ、彼女お!海、入らないのお!」
「ねえねえねえっ、んなとこで座ってないでさあっ!一緒に遊ぼうよ!」
……今まで座っていたグレイが急に立ち上がり、無言でアイスソードの
矛先を高校生達に向けた。
「うわっ!?何だこのおっさんっ!ちょっとやべえっ!」
「誰がおっさんだ、貴様ら……」
「うわ、ヤクザだあーっ!逃げろーーっ!!」
高校生達は揃って逃走する……。
「フン、ガキめが……」
「グレイったら……、何もそこまで……」
頬に手を当て、クローディアが困った顔をする。
「はあ、そう言う事ね、悪い虫が集らない様にか、成程……」
「お前らもとっとと行け、邪魔だ……」
「へいへい、分りましたよ、お邪魔しましたーっ、
アイシャ、行くぞ!」
「う、うん……」
ジャミルとアイシャが海辺に向かって歩いていくと、今度は
前方からシフとアルベルトが走って来た。シフはTシャツに
短パンスタイルで竹刀を担ぎ、モタモタと必死で砂浜を走る
アルベルトを脅している……。
「坊やっ!もっと早く走るんだよっ!……たく、相変わらず
トロイねえっ!!」
「そんな事言ったって……、ぼ、僕もう、限界……」
「あいつらも何かバカンスって状態じゃねえな、何しに来たんだ……」
「うん、アル、可哀想……、異世界じゃあんなに頑張ってくれてたのに……」
申し訳なさそうにアルベルトを見ながら、2人は海に入り、
泳ぎに行った。
作品名:zokuダチ。セッション22 冒険編終 作家名:流れ者