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zoku勇者 ドラクエⅨ編1 性悪天使降臨

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力を貸してくださいます、あなたの大切な指輪もきっと見つかる筈です……」
 
「ああ、天使様……、どうかお願いします……」
 
(……)
 
それって、もう完全に神頼みで俺に探してくれって言ってる様な
モンだよな?と、ジャミルは思いながら、再び教会の外へと飛び出す。
 
「わんっ!わんっ!」
 
外に出ると、犬がおり、ジャミ公の方に仕切に向って吠えていた。
 
「まさか、俺が見えるとか……、……お前、人間じゃないしな……」
 
「わんっ!」
 
「あ、おいっ!」
 
犬はこっちだよと言う様にまたジャミルに向かって一吠え、
付いて来いと言う様にジャミルを誘導する様に走って行き振り返る。
ジャミルはその後を追ってみた。
 
「わんっ!わんっ!(ここ掘れわんわん!)」
 
「……何てお約束な……、えーと、あった!指輪だ!あの婆さんのだな!?」
 
「わんっ!」
 
犬はそうだと言う様にまた吠える。ジャミルは指輪を持って再び教会へ。
……お婆さんの洋服のポケットにこそっと指輪を入れておく。
 
(あ~、懐かしいなあ、この感じ……、元祖シーフ時代を思い出すわ……、
この手の事は俺得意だからな……)
 
ジャミルは今度こそ、星のオーラは大丈夫だろうと確信しつつ、
教会を後にする。指輪の存在に気付いたお婆さんの天使様への感謝と
感激に震える涙声を聞きながら。

次は馬小屋にて馬のフンの後片付けをしたジャミル。が、彼は若干
機嫌が悪かった。……馬のフンに混じって誰かがやったらしい人間の
糞も混ざっていたからである。日もやっと暮れかかる頃、リッカが
経営する宿屋にて、彼女の働きっぷりをじっと観察していた。
 
「お客様にお出しする夕食はお豆のスープとおイモのシチュー、
どっちがいいかな?……玉にはお肉も用意出来るとお料理の
バリエーションも広がるんだけどな……」
 
(……)
 
宿屋はあまりお金が無く貧しい為、質素な経営である。それでも、
リッカのお客様への愛情とお持て成しは村を訪れる冒険者や
旅人達に好評であった。
 
(しかしよく働くこと、……俺には真似出来ねえよ……)
 
そして、時間は過ぎて夜になる。
 
「……今日も何事も無く、お客様をお持て成しする事が出来ました、
いつも見守って下さり、ジャミル様、ありがとう……」
 
純情リッカは手を胸の前で組み、姿の見えないジャミルに向かって
静かにお祈りをする。……照れ臭くなったのか、困ってジャミルは
慌てて宿屋から逃走する。
 
「……あ、あいつ……」
 
宿屋の外に出ると、もうすっかり夜になっているにも関わらず、
まだ自宅に帰ろうとせず、ウロチョロしているニードを発見する。
 
「家に帰ってもどうせ親父にどやされるだけだもんな……、さて、
どうしたもんか……、そういや最近、この村……、人魂が飛んでるって
噂があるんだよな……、……お、思い出したら誰かに何か見られてる様な
気がしてきたぞ……」
 
(……早く家に帰れ~、この不良ドラ息子~、でないと~……)
 
ジャミルはニードの背後に回ると、脅しのつもりでまた屁を一発
噛まそうとするが。
 
「こ、恐くなんかねえぞ!オレは幽霊なんてこれっぽっちも
信じてねえからな!でも、何か肌寒くなってきたし、そろそろ帰るか……」
 
(……)
 
悪寒を感じたのか、ニードはジャミルに発射される前にさっさと逃走。
スカシを食らったのはジャミルの方で、ジャミルはチッと舌打ちするのだった。
 
「……どうしてだよ、誰か……、どうして皆気づいてくれないんだ……」
 
「今度はあっちの方で声がすんなあ~……」
 
次から次へと。守護天使様は休んでいる暇があらず。声のした方向
目指し飛んで行った。其処にいたのは、通常の人間とは明らかに違う
状態の半透明のおっさんだった。おっさんは地面に蹲って嗚咽している。
 
「ああ、これが……、成程な……」
 
「悲しいよ、何でみんな……、オレの事無視するんだよ……、オレは
ちゃんと此処にいるのに……」
 
「あのな、おっさん……」
 
「!!ああっ、あんた、オレの事が見えるんだなっ!!」
 
「ちょ、落ち着……、うわ!」
 
ジャミルに気づいたおっさん。鼻水を垂らしながら大号泣で
ジャミルに近寄る。
 
「その恰好、頭の輪っか、背中の翼……、もしかして、アンタ天使様かい!?」
 
「一応な……」
 
「教えてくれっ、天使さん!皆が急に冷たくなっちまった!
仲の良かったダチも、家族も、皆がオレの事無視するんだ……、
酷ェよ……、どうして……」
 
ジャミルは最初困っておっさんから少し目を反らしたが、一呼吸置いて
頷くと、おっさんに事実を話し始めた。自分が死んだ事をまだ理解
出来ていないおっさんに。
 
「そうか……、やっぱりオレ……、死んじまったんだな……、はは……」
 
「ああ、普通の人間には俺の姿は見えない筈だからな……」
 
「有難う、天使さん、真実がやっと分かって、オレ、やっとすっきりした、
これでもう心置きなく行くべき所に旅立てるよ……」
 
「……うん、でもな、おっさん、アンタの事、皆は決して無視してる
訳じゃねえぜ?アンタが死んじまって悲しいのは誰も同じだよ、
こうなっちまった以上仕方ねえのさ、おっさんと話したくても、
触れたくてもどうにも出来ないんだ……、あんたの姿はもう地上の
人間には誰にも見えねえんだから……」
 
「……はは、誰にも気づいて貰えないのは本当に辛かったけど、
そう言って貰えて嬉しいよ、本当にありがとな、優しい天使さん、
……じゃあ……」
 
「……」
 
ジャミルは黙って、消えていくおっさんの姿を静かに見送る。
迷っていた魂は救済され、空へと高く昇って行った。
 
「……っと、これわっ!」
 
おっさんが消えた直後、辺りが一瞬光だし、ジャミルの正面に
結晶が降ってくる。ジャミルはその結晶を手元に受け止める。
星のオーラである。今日一日で、人間達へ手助けした行いの
ご褒美であった。
 
「よくやった、ジャミルよ!」
 
「うわ!イザヤール……、又出た……、てか、アンタ今まで何処に
隠れてたんだよ……」
 
突然ぬっと出てきた暗闇に光る禿げ頭。どうやらまだ出発しておらず。
恐らくこの村の何処かでずっと弟子を見ていたに違いは無かった。
 
「これであの者も悔いなく天に召されたであろう、……特にオーラは
これまで以上に一際大きく輝いている、先程召された者がそれだけ
お前に感謝の気持ちが大きかったと言う事であろうな……」
 
「だから、アンタの頭も眩しいんだって……」
 
「何だ?して、どうするのだ、ジャミル、一度天使界へ戻るのか?
私はもう暫く下界にいるが……」
 
「う~ん……、オヨ?」
 
「……!あれはっ、天の箱舟!?」
 
突如、頭上から聴こえて来た汽笛にジャミルもイザヤールも
頭上を見上げる。夜空を通過する、金色に輝く銀河鉄道9……、
ではなく、天の箱舟。神が創ったと言われる列車である。古来より
銀河を往航し、天使達が古くから何度もその姿を目撃し、存在を
認知している伝説の天駆ける列車。女神の果実が実りし時、天使界に