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zoku勇者 ドラクエⅨ編1 性悪天使降臨

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それこそ、イザヤールの頭ぐらいに……、俺、目がおかしく
なるかと思ったさ」
 
「……これ、お主、少しは口を慎まんか……、お師匠様に向かって……」
 
オムイに注意され、ジャミルは慌ててテヘペロ状態で誤魔化す。
 
「コホン、ふむ、そんなにも輝いておったか……、これはいよいよかも
知れんな、お前も知っておろうが、我ら天使のお役目は世界樹を育て
女神の果実を実らせること、そう、守護天使達が地上の人間達から
オーラを集めてくるのも全てその為なのじゃ……」
 
「ああ、階段の途中にいた天使も言ってたんだけど、女神の果実が実る時、
神の国への道が開かれ、天使達は永遠の救いを得る、役目から解放されて
神の国へ戻れるらしいってさ、……んで、その女神の果実ってのが、
とてつもないパワーを秘めてるんだって?もしも、俺らが直に食ったら
どうなるんだろ……?」
 
……しかし、アホなジャミルの乏しい頭の中では、ポパイがほうれん草を
食ってパワーアップする様なイメージしか浮かんでこなかったのである。
 
「ふむ、しからば、守護天使ジャミルよ、お主のやるべき事も
分かって来たのではないか?再び地上へと赴き、星のオーラを
集めてくるのじゃ、しかし、お主ももう守護天使となった身、
これからはイザヤールは共をせぬぞ、さあ、準備が整ったら
下の階に行き、輝く星型の穴の側に居る女天使に話し掛けるが良い」
 
「……分った様な、分らん様な……」
 
「守護天使ジャミルよ、汝に星々の輝きがあらん事を……」
 
オムイに祝福されながら、ジャミルは長の部屋を後にする。しかし、
今回も大変な役どころだなあ、話の派遣場所は天使界、しかも職業は
天使だしで、取りあえず、地上へ行く前に、ハ……、イザヤールの所に
行ったり、他の天使からも色々と話を聞いて回ったりしようと
思ったのである。
 
「天使界ってやたらと広えし、しかし面倒くせ……、おい、師匠さん、
……いるかい?」
 
「ウォルロ村の守護天使ジャミルか?世界樹にオーラは捧げて来たのか?」
 
「……ああ、さっき長さんのとこにも事後報告してきたとこさ」
 
「宜しい、入りなさい」
 
ジャミルはドアを開け、イザヤールの部屋に入る。……相変わらず
頭は眩しかった。自部屋に戻ったのか、既にもうラフェットの姿は
其処には見えなかった。
 
「……ウォルロ村の守護天使ジャミル……、う~む、いちいち
この呼び方だと面倒であるな、では、たまにはそう呼ぶ事にしよう、
よいか?ジャミル……」
 
「ああ……(だから最初からそう思ってんだけど……)」
 
「宜しい、それでこそわが弟子、天使は上級天使には逆らえぬのが
習わしだからな、さて……、どうだ?星のオーラを捧げられた世界樹は
実に美しいであろう」
 
「ああ、ものすげー輝いてたよ、……アンタの頭ぐらいに……」
 
「何だ?聞こえんぞ、そなた、言いたい事が有るならはっきり申さぬか」
 
「いや、何でもねえ……」
 
「うむ、人間達からオーラを受け取り、世界樹に捧げるのが我ら
天使の務め、ジャミルよ、お前の今後の活躍に期待しているぞ!
……これからは私は決まった担当地区を持たず、地上の彼方此方を
回るつもりだ、お互い良い成果を出そうぞ!」
 
ジャミルはイザヤールの部屋を後にする。地上への出勤準備でも
しておくかなと思いながら、2階をフラフラする……。
 
「……此処、どこ?」
 
アホな守護天使はまだ自分が行った事のない領域範囲に
来てしまったらしく、迷子になってしまっていた。この付近は
ジャミルにとって非常に嫌なニオイ……、勉学、知識のニオイが
するらしく、避けて通っていた。
 
「あら、守護天使さんのジャミルじゃないの……、世界樹への
オーラの捧げ物は終わったのね?」
 
「あ……」
 
側に立っていたのは、イザヤールの部屋から姿を消したラフェットである。
ラフェットはジャミルの顔を見てくすくす笑い出す。
 
「珍しいわね、アナタがこんな所に来るなんて、地上に降りる前に
地上についての学習でもする気になったのかしら?」
 
「いや、間違って来ただけ、あは、あはは……」
 
「そう、そんな事だろうと思ったわ、でもちょうどいいわ、アナタまだ
この部屋に入った事ないでしょ、地上に行く前にちょっと立ち寄りなさいな」
 
「いい、遠慮する……、あわわ!」
 
ラフェットはジャミルの手をひっぱり無理矢理部屋の中へと通す。
……中は沢山の本、何かの資料やなんやかんやでいっぱいであった。
 
「おええええ~……、本くせえ~……」
 
「全く、これくらいで酔ってどうするの、アナタは本が大嫌いらしいって、
イザヤールから聞いていたけど、少しは慣れなさいな……、ほら……」
 
そう言いながら、ラフェットは一冊の資料らしき本をジャミルの
前に差し出す。
 
「何だい?これ……」
 
「見たいかしら?でも、アナタはだーめ!」
 
「……おい」
 
ラフェットはジャミルが受け取ろうとした本をさっと取り上げた。
 
「この本はね、天使界や地上で起こったありとあらゆる出来事を
一冊の本に資料として纏めているの、簡単には見せてはいけないのよ、
例え、天使界の天使達でもね、此処はそう云った記録の資料が
沢山集められている部屋なの、どう、分った?私はイザヤールや
あなたみたいに守護天使として地上に降りたりしないの、地上の地図、
生まれて死んでいった地上の人間達の名前、そう云ったありとあらゆる
記録を書物に纏めているの」
 
「ああ、何となく……、けど、ありとあらゆる記録って……、
まさか、俺がイザヤールに悪戯した事とか、いちいち、ねちねち
記録されてんじゃねえだろうな……」
 
「さあ?どうかしら、でも、悪戯は程々にした方がいいって
事かも知れないわよ、さ、もうおいきなさい、守護天使さん……」
 
「……」

……下界での再びの星のオーラ集めで数日。オーラの収穫も貯まり
天使界に戻った直後、イザヤールはオムイ様と話があるからと、
又一人でさっさと2階へ行ってしまう。一人になったジャミルの処に、
早くも下界での彼の活躍を聞き付けた天使達がわちゃわちゃ集まって来た。
 
「凄いわ!随分沢山のオーラを集めて来たのね、ね、今すぐ世界樹の
所に行って捧げて来なさいよ!何だか凄い事になっているみたいよ!」
 
……此処にいない他の天使達は皆、天の箱舟の到着に備え
外に出ているらしい。もう間もなく天使の役目も終わるだろう、
そう呟いている天使もいた。
 
「既に知っているだろうが、世界樹がその実をつけた時、我等は
神の国へと帰れるのだ、お前も見た事があるだろう?人間界と
天使界を繋ぐ天の箱舟を……、そう、その天の箱舟こそが、我らを
神の国へと導くための乗り物なのだよ……」
 
皆が歓喜と喜びに満ち溢れている。ジャミルは自分も世界樹の様子を
見に行こうとその場から離れた。まずはオムイの所に顔を出そうと思った。
と、天使の人だかりの中に、ラフェットがいる。しかし、彼女の表情は
これまでにない真剣な表情だった。ジャミルはラフェットに声を掛けようと
近寄るが……。