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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
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ヒロアカ世界でありそうな事~人気調査3~

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荒井はいい意味でも悪い意味でも調を気にしていなかった...彼はとっくの昔に自分が“物語の主人公”になれるとも思わなかったし、漫画やアニメに登場しても精々名無しのモブだと思っていた......調が荒井を視るまでは

「うっ...!」
「調!?どうした!?」
「四世君!?」
「なっ...何だ!?」
「どうした!?どうした!?」

荒井の顔を見て不快気な顔をした調が“個性”を使って奴の顔を視たのである......そうしたら、調が気持ち悪そうに口を塞いで呻き始めたのである!!

「調!!吐きたいのか!?遠慮しねぇで吐け!!」
「そうよ!我慢しないで!!」

錠助の隣にいる女子生徒が持っていたコンビニ袋を取り出して調へと渡した。女子生徒『森川萌』からコンビニ袋を受け取った彼は袋を広げると中に胃の中のモノを吐き出した。周囲の生徒は酸っぱい臭いに眉を顰めるも...吐き終わった調は呆然と立っていた荒井を睨み付けながら口を開いた。

「ありがとう...森川さん」
「ううん!気にしないで...」
「調?気分が悪いのか?保健室に行くか?」
「いや...いいよ。吐いたら落ち着いたから...」
「無理はしないでよ...顔が真っ青よ?」

そう言って森川は“自分が処理する”と言って調から袋を受け取ると袋の中身を流す為にトイレへと向かったのだった。錠助は依然と心配そうな顔で調を見ており、調本人は荒井を睨み付けている。周囲の生徒達は様子を伺っているが...数人の生徒達は調の様子から荒井がどういう奴なのか見当が付いていた。

「本当に大丈夫だよ...僕が気分が悪いのは...其処にいる“悪魔”の所為だから!!」
「悪魔?コイツがか!?」
「えっ...おっ!俺が!?」
「あぁ!!お前は悪魔だ!!今まで視た奴の中で一番酷い!ここまで酷い人間を視たのは初めてだ!!」
「「「「「!?」」」」」

周囲の生徒達の荒井を視線が変わったのを奴は感じた。調は厄介者の正義マンだと疎まれていると同時に確かな正義感を持っている人間だと信用もされているのである。おまけに調はTPОを年相応に弁えているので暴力を振るったりしなければ......出来るだけ常識的な手段で問題を解決しようとする人間なのも理解されていた。調は鬼気迫る感じで激しい怒りを露わにしており、周囲の生徒達...特にエスカレーター式で明智学園に在籍している者達は調が視たモノがどんなに酷かったのかを察していた。

「おいっ!荒井...お前、何をしたんだよ!?」
「なっ!何もしていない!俺は何もしていない!!」
「身に覚えが無い!?そうだろうな!お前が悪魔になるのは!お前が大人になってからだ!!」
「おっ...大人!?」
「お前は悪魔みたいなドクズ...いや!狂人になるんだよぉ!!」

そう言って調は近くに在った椅子を持ち上げたのだった。瞳に殺意が宿っており、錠助は慌てて止める。

「止めろ!!何をする気だぁ!?」
「離してくれ!!今からコイツを殺すんだよ!!」
「殺すって!?そんな事を黙って見てられる訳ないだろ!!」
「コイツはなぁ!!罪の無い子供を何十人も笑いながら殺す様な人間になるんだぞ!!」
「なぁ!?」
「「「「「!?」」」」」
「しかも!その子達を辱めながら殺している姿を映像に残して後から楽しんでいる様な人間になるんだ!!」
「「「「......」」」」

調の涙ながらの叫びを聞き、周囲にいる生徒達も言われている当人である荒井を含めて絶句していた。世の中には様々な創作物が存在しており、中には未成年者では購入出来ない様な過激な作品も存在している。四世の“創作物の登場人物”としての役割や評判が分かるという“個性”ならそういう作品も範囲内に入っているだろう...ならば

「荒井ってよぉ...18禁のPCゲームとかの登場人物って事か?グロ要素のある...」
「うわぁ~...頭が良いくらいしか知らなかったけど...そういう奴になる素質があるって事?」
「子供を何十人も殺す?しかもエッチな事をしてから?ガチの猟奇殺人者じゃん!!」
「そりゃあ......そんなのを映像で見せられたら吐きたくもなるよな...」
「うん......そんな奴が近くにいたら殺したくもなるよね」

周囲の生徒達の視線は荒井へと向かっており、その瞳は嫌悪と恐怖、軽蔑に満ちていた。そんな中で錠助は調を押さえ付けていた...友人を犯罪者にしたくない一心で

「コイツがそういう奴になるなら警察やヒーローに任せろ!!お前が手を汚す必要はねぇ!!」
「!?そうだ!皆!錠助を手伝おうぜ!」
「そうよ!警察に逮捕して貰いましょう!」
「そうだな!今の警察は未来の情報でもちゃんと聞いてくれるし!」
「俺!先生を呼んで来る!!」
「四世!大人しくしろ!!」
「四世クン!私達は君の事を信じるから!落ち着いてよ!!」

周囲の生徒達は錠助を助ける為、行動をし始めたのだった。対する荒井は呆然としていた...彼は本当に何処にでもいる“普通”の男子高校生だった......四世から言われた様な事なんて考えた事も無い...自分から誰かを虐めた事も無いし......動物等も好んで殺した事も無い......だけど...自分から率先して誰かを助けた事も無かった......ネットで誰かが悪口を書かれているのを見て便乗した事もあるし......差別的な発言を鵜呑みにした事もある...荒井翔太という男子高校生は主体性の無い...勉強しか取り柄の無い......環境に染まり易い人間でもあったのである。それ故に

「荒井君...今度、保護者の方々と一緒に警察へ行って貰う」
「えっ...」

あれから数時間後...荒井翔太は生徒指導室で担任と向き合って話していた。担任である男性教師『速見敦志』は調から荒井の“創作物の登場人物”としての役割や評判を知らされた為か...自分の生徒を汚物を視る様な眼差しを向けていた。担任によると...調は校長先生に付き添われて警察に行っているとの事である。

「なっ...何でですか!?四世の“個性”は俺も知っています!でも、俺がするかも知れない事はアイツも言っていたけど、未来の事ですよ!?」

例え...四世の視た出来事が未来の出来事でも警察のデータバンクに犯罪者予備軍として個人情報が記載されるだけで直接は罰せられる事は無いと荒井でも知っていた。担任は溜息を吐くと言葉を続ける。

「俺も見せられたが...事はそう単純な事じゃないんだ...」
「えっ...?」
「お前の事だけ視た限りじゃ判らなかったらしいが...未来のお前は下っ端だったんだよ」
「下っ端?」
「お前の単独犯じゃなくて...組織ぐるみの犯行だったんだ」
「......」
「つまり...お前は大きな犯罪組織の一員として...組織の力を自分の力と誤信した挙句...大勢の子供達を“神様”みたいな気分で嬲り殺しにする人間になる可能性があるって事だな」
「なっ......何ですか!?それ?最低の人間じゃないですか!?」
「その通りだな」
「せっ...先生!?」

速見先生は軽蔑しているのを隠さない態度で荒井と向き合っている。