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zoku勇者 ドラクエⅨ編4 姫君と黒騎士・1

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匂いに釣られる。4人は美味しいスープに舌鼓をうち大満足であった。
 
「本当、美味しいね……」
 
「だろ!?最高だろ、リッカのスープ!」
 
「……あっひいよおー!でも本当にうまうまー!」
 
「……」
 
「モン~?アイシャ、スープとにらめっこさんしてるモン?」
 
「えっ?えええ、何でもないのよ!うん、本当に美味しいねっ!」
 
「モンー!」
 
アイシャは慌ててスープを口に入れた。確かに美味しいが、
何となく彼女にとっては非常に、……とても複雑な味に
なっていたのであった。
 
(ほーほー、何かすっげーおもしれー事になってきてんじゃない!
いよいよ恋の悩みならお任せのこのサンディ様の出番かしらっ!?)
 
……と、水面下で余計な変なモンも動き出しそうになっている様な
気配にも気づかず……。
 
「あっ、そうだ……、今ね、セントシュタインのお城がちょっと
大変な事になっているみたいだよ……」
 
カウンターへと戻ろうとしたリッカが急に事を思い出し、
4人を振り返った。
 
「ん?……城がか?」
 
「うん、詳しくはお城の前に立て看板があったから、見に行って
みるといいかもね、何だか急遽の衛兵さんを募集してるみたいだったよ」
 
「緊急事態なのか……、取りあえず行ってみるか……」
 
ジャミルの言葉に他の3人も頷く。4人+サンディ、モンは早速
お城へと向かう。リッカに聞いた通り、衛兵募集の件の立て看板も
チェックしておく。
 
『我が国に黒き鎧を纏いし正体不明の騎士現る 騎士を討たんとする
勇敢な者、我が城に来たれ 素性は問わぬ セントシュタイン国王 』
 
「だとさ……」
 
「うへえ~……、黒い鎧着てるだけで悪者扱いされちゃうとか……、
世知辛い世の中だなあ~……、悪い人じゃなかったらどうするのさあ~」
 
「とにかくお城に行ってみようか、国王様にお話をお伺いしなくては……」
 
「そうね、此処は私達の出番よね!よーし、頑張るわよっ!」
 
「モンモンー!」
 
「おい……、あまり張り切るな……って、なんかモンの奴、
すっかり騒動屋のパートナーに定着しちまったなあ~……」
 
ジャミルはアイシャの方を見る。……そしてモンの方も。アイシャの奴、
どうせこの話でも暴走すんのは避けられねえなあと思いながらジャミルは
諦めた様に城門の前へと向かう。
 
「……何よジャミルっ!何で人の方ちらちら見ながら蟹股で歩いてるのっ!?」
 
「何だっていいんだっ!……こんちゃーす!」
 
「何だ?お前達は……、まさか……」
 
ジャミルは城の門番衛兵に立て看板を見たと言う事を伝える。
衛兵達は最初不思議な顔をしていたが、慌てて城内へ入り、
国王に報告してくれたのだろうか、4人の処に再び戻ってきた。
 
「宜しい、通りなさい、国王様がお待ちだ……、失礼のない様に……」
 
城内へ許可された4人は国王がいる玉座の間を目指す。
モンに関しては此処でもぬいぐるみと思われている為か、
全く心配いらなかった。
 
「フィオーネよ、何度言えば分るのだ!あの者に会いにゆこうなどと
この儂が許さぬぞ!」
 
「いいえ、お父様!あの黒騎士の目的はこの私、フィオーネですわ!
私が赴けば国の民も安心してまた暮らせるようになります!
……何故分かって下さらないのですか!?」
 
4人は玉座の間へと向かったが……、やたらと顔の大きい栗饅頭の
様な短足のおっさんと、煌びやかな顔立ちの美しいポニーテールヘアの
姫君が何やら言い争いをしている。この顔の大きいおっさんがこの国の
国王なのだろうが、2人は城内へとやって来た4人に気づかず。この国に
起きているらしい事態はとてもややこしく、深刻そうである。
しかし、栗饅頭の様な顔の短足国王と、この姫君は……、どう見ても
とても親子には見えなかった。

「バカを申せ!自分の娘をあの様な得体の知れぬ怪しい男に
差し出す親が何処にいる!」
 
「……ですが!」
 
「……」
 
「お、おお?」
 
国王は先程からじっと自分達を見つめていたジャミル達4人の
視線に漸く気づく。
 
「ウォッホン……、客人か、すまなかったな、さあ此方に参られよ……」
 
……国王の隣の椅子には当然の如く、王妃とみられる人物が
腰を落ち着けていたが、此方は何やらずっと俯いて泣いており、
ジャミル達の方も見る気配があらず、只管4人を無視だった。
 
「お見苦しい処をお見せしてしまいまして、申し訳ありません、
私はこの国の姫、フィオーネと申します……」
 
「俺はジャミル!」
 
「アルベルトと申します」
 
「オイラ、ダウドだよ!」
 
「私はアイシャです」
 
「モンです、モン!」
 
「まあ、随分と可愛いらしいモーモンのぬいぐるみをお持ちで
いらっしゃるのね、ふふ、お喋りをするなんて……、本当に最近の
お人形は良く出来て……」
 
プッ!
 
「モン、オナラもするんだモン!今のは朝のオニオンスープの
ニオイだモン!」
 
「あ、あら……?」
 
「……こ、こらっ!ど、どもども、へへへ!」
 
ジャミルはうっかり姫君の前で平気でおならをしたモンを
慌てて後ろ手に隠し引っ込めさせた。
 
「全く……、モーモンまで誰かさんに似ちゃうんだから、
……ホント困るよ」
 
「……んだよっ、腹黒っ!」
 
「やめなさいよっ、アルもジャミルもっ!国王様達の前でしょっ!」
 
アイシャが一応注意するが、注意している彼女も含め、この4人に
常識があったらこの話は終わりである。
 
「……いえ、いいのですよ、あなた方は旅のお方ですね?もしかして、
例の黒騎士騒ぎの件で此方にいらして下さったのですか?」
 
「ん、んーと、まあ、そんなとこかな……」
 
「そうでしたか……、私の所為であなた方にもご迷惑を……、
ですが、私の事は大丈夫ですので皆さまは御自分の旅を……」
 
「おおお!いかにもワシがこの国のセントシュタイン国王じゃが、
そなた達は看板を見て城に尋ねて来てくれたのじゃな!?」
 
「……お父様!?」
 
しかし、娘の言葉を国王が遮る。国王はジャミルを見ると目を輝かせた。
 
「お主達があの黒騎士を成敗するのに力を貸してくれると言うのか!
そうかそうか!」
 
「……ど、どうすべ……?」
 
ジャミルは困って他の3人の方を見る。まだ正式に返事を
受けた訳ではないのだが、国王はどんどんと事を勝手に進めてしまう。
 
「まあ、一応折角来たんだから……、考えてはおく……、けどさ……」
 
「そうか!黒騎士退治を引き受けてくれるのか!お主、確か
ジャミルと言ったのう、ではワシの話を聞いておくれ……、
いきずりの旅人であるそなたに黒騎士退治を頼むのには勿論
ワケがある、……実はな、黒騎士は一度、ワシの娘、フィオーネを
狙いこの城に現れた事があるんじゃよ、奴は約束の時間までに
シュタイン湖と言う場所まで趣き、其処に姫を預けて行く様に
伝言を残して去って行ったのじゃ、……ワシはその言葉を
黒騎士の罠だと思っておる!ワシがシュタイン湖に兵を
派遣し、城の警備が薄くなった処で、再び奴はやって来るに