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zoku勇者 ドラクエⅨ編6 ……いつもあなたと・1

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「はあ……」

そういう訳ならと……、取りあえずジャミル達は安心する。
それから暫く後。モンは見事クッキーの山を平らげ再び眠りに
ついていた。……今度は安眠状態で……。

「ぶーがぶーが……、ゲブ……」

「モンちゃん、やっと寝てくれたけど……、本当に有り難う
ございます……、ご迷惑お掛けしてしまいまして……、クッキーで
お腹があんなに膨れてるわ……、このお腹、破裂しそう……、全く、
しょうがないんだから……」

アイシャは困った様な表情をしていた物の、デブチャンモンの
状態に吹く寸前だった。

「いえいえ、此方も見ていて癒やされましたから、……こんなの久しぶり……」

エリザもそう言いながらモンのポンポコ腹に触れる。お腹を
撫でられ気持ちがいいのか、一発、モンは小さなおならをした。
取りあえず、爆弾の方は何とか落ち着いた為、いよいよ本題に
入ろうと、ジャミルは町長の言付けをエリザに話し始める。

「そうでしたか、パ……、町長に頼まれて様子を見に……、
ルーくん、今お仕事に没頭中で研究室に籠もりっきりなんですよ、
丁度いいわ、私も心配だから外にある地下の研究室の方に
先に回って鍵を開けて貰います、ルーくん人見知り激しいから」

「あ、エリザさん……」

ジャミルが言葉を続ける前にエリザは急いで席を立ち、
外に出ようとした。だが。

「……い、つう……」

彼女は外に出ようとした際に、玄関の入り口で何故か頭を押さえて
そのまま立ち止まってしまったのである。

「奥さん……?」

「!?」

「!だ、大丈夫かい?具合悪いんじゃ……」

「ジャミル、何だかエリザさんの様子が……」

アルベルトも、モンの腹を突いて遊んでいたダウドも、アイシャも
異変に気づき、エリザを心配するが、彼女は自分を心配してくれて
いるジャミル達に対し、明るく、あはは、大丈夫ですよー!と、
手を振った。

「私、偏頭痛持ちなんです、時々こうで……、困っちゃうんですよ!
本当に大丈夫ですから、さあ、私は先に行ってルーくんにお話して
おきますね、皆さんも来て下さいね!……ルーくん、研究に夢中に
なるとお風呂にも入ってくれないんだから!困っちゃう!」

ジャミルは玄関を元気に出て行く彼女の姿を見つめていたが、
その姿に何だかとても嫌な……、悲しい予感をうっすらと
何となく感じ取っていたのだった。

「……けほっ、けほ、……こほん……」

「どうする?俺達もそろそろ動くか……、あまり待たせると悪いしな」

「そうだね、じゃあ研究所の方に僕らも行ってみようか」

エリザが外に出て行ってから数分。ジャミル達も地下研究所の方へ
移動しようと言う事になった。

「モォ~ン!」

「ちょっ!モンっ!何でまたっ!」

機嫌の良くなったモンは今度は自力で移動してくれるかと思いきや、
再びダウドの背中の上に飛び乗ってしまった。

「モン、此処がいいんだモン!」

「良かったな、相当気に入られたな、お前、まあ、またご機嫌取りで
暫くの間は我慢してやれよ、何せ皇太子は我儘で困るからな……」

「モンモン!」

「あああーーっ!何でこうなるのさあーーっ!!」

「モンちゃんたら……、でも、よっぽど居心地がいいのね、
ダウドの背中……」

「うう~、アイシャもさあ、笑ってる場合じゃないよお、何とかして……」

……ブモンッ!!

「……いやああーーっ!もうこんな生活いやだあーーっ!!」

また絶叫するダウドにジャミル達は苦笑。モンはクッキーの所為で
更に重くなっており、おまけにおならまでやられる始末。しかし、
ダウドは今回の相当の被害者である。最近はやたらとおならの
回数も遠慮しなくなってきている為、これは完全にジャミルの
悪い教育の悪影響を受けているのである。

「……何だっつーんだよ……」

「それにしても、すっかり暗くなってしまったね、大分冷え込んで
きたし、エリザさんにもご迷惑掛けてしまうから急ごう……」

夜空を見上げながらのアルベルトの呟きに、ジャミル達は
地下研究所へ急ぐ。……だが、再び爆弾を背負ってしまった
ダウドは相当大変そうであった……。

「……けほ、パパったら、ルーくんに会うのが恥ずかしい
からって、何も旅人さん達に頼まなくても……、ん~と、
ルーくん、いる?」

「エリザかい?こんな時間に珍しいな、いるに決まってるよ、
どうしたんだ?」

「お疲れさま、うん、ルーくんにお客様だよ……、パパの
お使いの人が古文書の解読が進んでいるかどうか訪ねてきて
くれたんだよ」

「僕に……?ふん、そんなよっぽどの暇人が……」

「あ、ジャミルくん達、来てくれた、此処ですよー!」

「……」

途端に外が何やらやかましくなる……。研究所で独り引きこもり、
黙々と作業をしていたボサボサ髪の青年は読んでいた本をパタッと
閉じ、椅子からのそっと立ち上がる。

「ルーくん、鍵開けて下さいな……、あっ……」

ガチャリと音がし扉が開いた。姿を現したのは、後ろ髪を縛った
仏頂面、白衣着用の無精髭の眼鏡の青年……。胡散臭そうに、訪れた
ジャミル達をじろじろと見る。

(……こいつなんかすっゲーにおうんですケド!?クッサーー!!)

ジャミルの耳元でサンディが喚く。当然青年には聞こえていないが。
エリザが言ったとおり、恐らく数週間は風呂をシャットアウト
しているのは分かる……。

「こんちは……」

「君達がお義父さんの……?こんなお子ちゃま達なのかい、仕方ない、
お義父さんに頼まれたんじゃな、しょうがない、入ってくれ……、
しかし、あの人も一体何を考えているんだか、こんな子供に……」

「……」

青年は頭を掻きながら再び研究所へ引っ込む。折角来たのに
無愛想な態度にジャミルはむっとするが、声を出したいのを
堪えて後に続いて研究所内へ。……先ほど、青年が頭をぽりぽり
掻いた時に何やら白い物が頭から飛んだのをジャミルは見逃さず。

「今忙しいんだけど、で、何の用……」

「……お~い、古文書の解読の件で来たんだよ!」

今度はジャミル、切れそうになるが、アルベルトが何とか注意して制した。

「ああ、そうか、古文書の解読結果ね……」

「ルーくん、その前にじこしょーかいしなくちゃ!」

「しても何の得にもならないと思うんだけどな、面倒くさいな、えーと、
初めまして、ジャミルさんですか?まあ、出来るだけ覚えておきますよ、
すぐに忘れると思いますが、僕はルーフィン、考古学などをやっています、
……まあ、こんなところかな」

「ぱちぱち、ぱちぱち!ルーくん、えらいえらい!」

面倒臭さ100パ状態でジャミル達に挨拶をした旦那に奥様は拍手。
……一体この夫婦はなんやねんとジャミ公は思ったが……。

「そんな事よりも、この奇病の原因が一応、漸く分かりましたよ……、
一応ね……」

「さっすがルーくんっ!」

ルーフィンの言葉にジャミル達も思わず身を乗り出す。この男は
無愛想で一見嫌な感じではある物の、やはり奇抜な相当の奇怪な
天才らしかった……。それにしても、天才と言うのはやはり何処か
変わり者が多い。

「えーと、一度しか説明しませんので……、事の起こりは