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ブロンズ・ハーミット
ブロンズ・ハーミット
novelistID. 70979
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早乙女さん家のラスボス系お姉ちゃん

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「嫌いって訳じゃねぇんだけど…時々、スゲェ怖くなるんだよ…一生、姉ちゃんよりも強くなれねぇんじゃねえかって…」

乱馬は沈んだ顔をしている。早雲も玄馬も師匠である八宝斉を超えるのを諦めた時の事を思い出したのだろう…黙って見ている。

「それで…姉ちゃんの才能に嫉妬している自分が嫌になるんだよ…情けねぇ」

なびきは沈んでいる未来の義弟に声を発した。

「誰にだってあるわよ…そういうの」
「お姉ちゃん?」
「あたしだってさぁ…かすみお姉ちゃんやあかねと比べられて悔しいって感じた事はあるわよ?昔の話だけどさ」
「そうよ!あたしだって嫉妬の一つや二つした事あるわよ!!」
「そうよ?真剣にやっている事なら尚更よ…あたしが言っても説得力が無いかも知れないけどさ」
「いや…ありがとよ…あかね、なびき」

許嫁と義姉の励ましに乱馬は少し気を取り直しており、彼女らに礼を述べたのだった。

「そう言えば……姉ちゃん、何時来るんだ?」
「えっ…と……この手紙だと…今日だ…!」
「へっ!?」
「どうやら…かなり、遅く届いたみたいだ…」
「そっ…そうか…!」

早乙女親子は青ざめており、乱馬はあかねに向き直った。玄馬は親友の方に顔を向けている。

「あっ…あかね?道場で組み手でもしねぇか?」
「えっ?……別にいいけど」
「天道くん…何か手伝う事はあるかい?」
「あぁ…じゃあ、台所にいるかすみを手伝ってくれるかい?」
「わかった」



早乙女親子がまどかを出迎える準備をしていた頃…早雲と玄馬の師匠である元祖無差別格闘流の伝承者『八宝斉』は街中で下着泥棒に勤しんでいた。100歳を超える小柄な老人が素早く身軽な動きで大量の下着が入ってる風呂敷を担いで家々の屋根を飛び回っている。

「わはははは!大漁じゃあ!!」

「「「「「待ちなさい!!この下着泥棒!!」」」」」

大勢の女性達が八宝斉を追っており、スケベジジイは軽やかに舞いながら逃げている。もう直ぐ…天罰が降るのも知らずに

「!?…何じゃ?この気配は?」

前方から異質な気配を感じた八宝斉の背筋に寒気が走っており、前方を注視すると若い女性…何処か見覚えのある顔立ちをした美少女が歩いているのが見えた。そして、その少女の体がシュン!と消えたと思ったら八宝斉の顔面を衝撃を襲ったのである!

「ぶっ!?うぼぉ!?」

小柄な老人の体は吹き飛ばされて、近くのゴミ捨て場に叩き付けられた。何が起きたのか分からなかったが……目の前には先程見た美少女が立っており、八宝斉が盗んだ大漁の戦利品が入った風呂敷包みを片手で持ち上げている。

「いい歳をして恥ずかしいですね」
「何じゃ…おぬしは?(乱馬に似てるのぅ…身内か?)」
「老人とはいえ…性犯罪者に名乗る名前はありません」

そう言うと…美少女=早乙女まどかは八宝斉を追って来た女性達に風呂敷包みをポイっと投げたのだった。

「あぁっ!!わしの戦利品がぁ!?」
「あなたの物ではなくて彼女らの物でしょう?」
「おぬし…(何じゃ…この娘は!?さっきから隙が全く無い…乱馬やあかねちゃんと変わらん年頃なのに段違いじゃ…)」

腐っても超一流の武闘家…八宝斉もまどかの強さを感じており、彼の中の武闘家としての血が騒いで来た様子である!奴は懐から手製の花火爆弾を取り出すとまどかに向けて投げたのだった!!

「八宝大華輪!!」

乱馬達では反応出来ない程の速度で放たれた爆弾だったが…まどかは素早く前方に移動するとヒョイ!と爆弾をキャッチしてしまう。

「なっ!?」
「返します」

まどかは涼しい顔で爆弾を八宝斉へと投げ返したのだった。




「へぶっ!?」




爆発が収まった頃には八宝斉は真っ黒コゲになっていた。

「いい年して……性犯罪者なんてしているからそうなるんです」

そう言うとまどかは八宝斉に背を向けて去って行こうとしたのだが…黒コゲになっていた八宝斉が立ち上がって来た。どうやら、まどかが死なない様に火薬を調整していた様である。

「元祖無差別格闘流…八宝斉!まだまだ、若いモンには負けんぞ!!」
「元祖無差別格闘流…あぁ!お父さんの師匠ですか…!」

まどかは完全に武闘家モードとなっている八宝斉が身に纏う闘気を眺めた後……小さく呟いた。

「少しは歯応えが有りそうですね…でも」

彼女は八宝斉の真似をして自身も闘気を解放させるのだった!!

「風格という物が有りませんね」

辺り全体…否…街全体に強烈な圧迫感が覆い始めるのであった。



「!?なっ!何!?この感じは!?」
「こっ!この感じは!?姉ちゃんが誰かと戦ってんのか!?」
「おっ…お姉さん!?」
「あぁ!姉ちゃんが闘気を解放させてんだ…ジジイの奴みてぇに!!」
「これ…本当におじいちゃん以上よ…ここまでだなんて!」

あかねは乱馬達の言葉を信じていない訳では無かったが…自分と同い年…しかも、女の子で此処までの実力者がいる事に戦慄していた。

「さっ、早乙女くん?まっ…まさか!これが!?」
「あぁ!ウチの娘だ!!誰だ!?あの娘(こ)を刺激したのは!!」
「なっ!何だ!?この闘気は!?」
「!?あっ…アイツが!あの女が!!近くに来ているネ!?」
「シャンプー!しっかりするだ!!オラが付いているだ!!」
「うっ…うるさいネッ!お前じゃ役に立たないネッ!!」
「何だ?この寒気は?怯えているのか!?この僕が!?」
「何!?何なんですの!?体が動かない!!」
「なっ!何や!?このゴッツイ闘気は!?」

街中の強者達がまどかが発している闘気を感じており、それぞれの反応を見せていた。



「おぬし…何者じゃ?」
「無差別格闘早乙女流継承者『早乙女玄馬』の娘『早乙女まどか』です」
「玄馬の娘か……奴の師匠として稽古を付けてやる」
「あまり期待していませんが…よろしくお願いします」
「行くぞ!!」

完全に本気モードになっている八宝斉と後に無差別格闘流史上最強と評された女武闘家『早乙女まどか』の一騎討ちが始まったのだった。

「はあっ!!」

八宝斉の拳とまどかの蹴りがぶつかり合う。衝撃が辺りに広がり、二人の闘気がぶつかり合い、周囲の建物が揺れ始める!

「やるのう……おぬし」
「お爺さんこそ……その年でこの強さ……驚きです」

二人は一旦距離を取ると構えるのだった。そして、再び激突する。

「うぉりゃあ!!」
「たぁ!!」

八宝斉は飛び上がりながら手刀を振り下ろすが、それを紙一重で躱して、まどかは八宝斉に蹴りを放つ。

「ぬぉ!?」

八宝斉はそれをガードすると……その腕を掴んで投げ飛ばした! 

「おりゃああ!!」
「とおっ!」

空中で体勢を立て直したまどかは着地と同時に八宝斉の懐に潜り込むと、そのまま彼の体を投げ飛ばす!!

「うぐわあああ!!」
「まだまだっ!」

まどかは手刀を振りかぶると八宝斉に向かって振り下ろす!しかし、彼はそれを紙一重で避けた。だが…それを読んでいたまどかは既に次の攻撃の準備を完了していたのである。

「なっ……何じゃと!?」

まどかの手刀が八宝斉の脇腹を捉えた。次の瞬間には“ゴキッ!”という鈍い音が鳴り、八宝斉は地面に叩き付けられたのだった。