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zoku勇者 ドラクエⅨ編7 ……いつもあなたと・2

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ジャミルっ!」

「うわ、出たし……」

昨日まで機嫌悪く、ジャミルを散々罵っていたガングロ妖精登場。
一変して今日は相当機嫌が良く、お花のオーラを飛ばしていた。

「アンタには見えないかもしれないケドさ、今、この町に大量の
星のオーラが溢れてんのヨ!これだけ沢山の人間を幸せにしたん
だから、アンタの天使としてのランクアップ上昇間違いないって!
って事は、今度こそ天の箱船だって動くハズ!よぉ~し、峠の道まで
戻るヨっ!ダッシュダッシュ!」

「うへえ~、また彼所まで戻るのかあ~……」

項垂れるダウド。次の目的地は天の箱船がある、また峠の道
カムバックらしい……。最後に……、町を出る前に4人は
エリザのお墓参りをしていく事にした。

「エリザさん、俺達もう行くよ、……色々ありがとな、先生の事は
もう心配ねえよ、大丈夫だよ……」

エリザの墓前の4人。町の花屋で買った花を墓に手向け、静かに祈った。

「モォ~ン、おねえさん、クッキーたくさんありがとモンでした」

ジャミル達の真似をして、モンもお墓に向かってちょこんと
小さく頭を下げる。

「……さあ、これで本当に俺らの此処でのお役目は完了だ、行こう……」

エリザとベクセリアに別れを告げ、4人は峠の道へと再び歩き出す。
ジャミルは町長に貰った羽根飾りバンドを装備品で頭に着けた。
そして……。

「……はあ~、パシリで動き回ってばっかり、いい加減にしてよお~……、
遺跡探索から更に色々あって……、オイラ達、本当にお疲れ様だよね……」

「ダウド、文句言わないんだよ……、疲れてるのは皆同じなんだから……、
僕らは冒険者なんだから……、動き回らなくちゃいけないのはRPGの
宿命だよ……」

「だってさあ~、アル……、ぶつぶつ……、鎌倉の大仏……」

峠の道、天の箱船がある場所まで距離が中盤に差し掛かった頃、
ヘタレダウドの愚痴炸裂。例え疲れていても滅多にそれを表に
出す事はない頑張り屋の女の子のアイシャに根性は完全に
負けているダウドである。

「俺、全然平気だけどな……」

「モンもお腹いっぱいだから今は平気モン!」

野獣ジャミルと、調子のいいモン……、揃ってバカの一人と一匹に
ダウドは顔をしかめた。

「……ホンっと、アンタ根性ないネ、大分分ってきたケドさ、ココまでとは
思わなかったわ」

「な、なっ!?」

サンディに言われ、ダウドはカチン。大体普段はジャミルの中に隠れて
殆ど何もしない癖に事あるごとに嫌味だけはしっかり落としていく
サンディにダウドは激怒する……。

「……いいよっ!そうやって人をバカにしてればいいよっ!ふんっ!」

「お、おい……」

急にダウドは早足になるとジャミル達よりも早く前に歩き出した。
よっぽどサンディの言った事が尺に触ったのか何だか。

「……ダウドが行っちゃったわ、私達も早く行かないとよ……」

「ふう、とにかく小岩山……、ダウドが動いてくれる気になって良かった……」

「あははっ!ヘタレ動かしちゃった!アタシってマジでエライっしょ!」

「……やれやれ……」

苦笑しながらダウドの後を追うアルベルトとアイシャ、……そして
ジャミルがその後から歩いて行こうとした、その時……。

「……いない……」

「だ、誰だっ!?」

ジャミルの前に、ローブを羽織った謎の女性が突然姿を現す。……女性は
ジャミルの方は視界に入らない様子。……うつろな表情で誰かを必死に
探している様であった。

「うわ、何この女!マジ、暗いんですケド!何かユーレーみたいだし、
アンタ相手してやれば?」

「あのな……」

サンディはまた身勝手な事を言う。しかし、ローブの女性は一言、
……あの人は此処にもいないと発した後、姿を消してしまった。

「何なんだよ……」

「おーい、ジャミルー、何してるんだいー?」

「早くー!モンちゃんも待ってるわよー!」

「モーン!」

「ジャミルが一番遅いよおー!」

気づくと、いつの間にか天の箱船がある場所まで辿り着いていた。
先に行っていた仲間達は箱船がある木の側でジャミルを待っている。
当然、ジャミルとモン以外、船は見えていないが。……しかし、
最後のヘタレの台詞には……、ヘタレを一発殴りたくなった。

「それにしても、さっきの変な女なんなワケ!?シカトかまして
くれちゃってさ、むっかつくー!まあいいや、そんな事より、
アタシたちも行くヨ!船に乗り込もう!」

「……」

ジャミルも箱船へと移動。だが、さっきの謎めいたローブの女が
何となく気に掛かって仕方がないのだった……。

「ほーれ、さっさとするする!アンタが船に乗ってくんなきゃ
始まらないんだから!」

「……分ってるよ!」

「はあー、それにしても……、相変わらず何処も何もない
空間なんだけど、オイラ大いに不安……」

「仕方ないよ、此処はジャミルとサンディに全て任せるしか……」

「想像の世界なのよ、私達には見えなくても、今、目の前に確かに
箱船はあるのよ、そうイメージしてみるわ……」

……お気楽な夢少女、アイシャにダウドはウンザリ、呆れてみる……。
そして、ジャミルが箱船に入った瞬間、船が最大級で大きくガタンと揺れた。

「おおっ!箱船ちゃんのこの反応!漸くジャミルが天使だって
認めてくれたってカンジ!?……いけるっ、これならいけるわっ!
今度こそっ!!」

「……ジャ、ジャミルが横綱から親方になったって事……、
あいたああーっ!!」

「よしなさいったら!2人ともっ!」

「はあ~……、けど、親方ランクになっちゃうとそれはもう
引退しちゃうんじゃないかなあ……」

「……アルもうるせーんだよっっ!!」

「後はあの操作パネルをちょちょいっといじってやれば箱船は
飛び上がるハズだよ!……いいっ!座布団!今度アタシの邪魔
したらアンタ絶対許さないカンね!」

「モォーンだ!」

して、操作パネルを前にサンディが4人を振り返った。

「アタシがこのパネルを操作すれば天使界に行けるワケだけど、
その前にやり残した事はない?今回だけ特別にこの優しいサンディちゃんが
待っててあげるケド!?」

「あ、じゃあ……、オイラ……、いだああーーっ!!」

「別に何もねえよ、さあ早く操縦してくれ……」

ジャミル、ダウドを押さえつける。逃走しない様、しっかりと。

「ジャミルの特大バカアホーーっ!!」

「よ、よしっ!じゃあいっちゃうからっ!後悔してももう遅いヨっ!」

「……」

サンディの言葉にジャミル達は息を飲む。そして等々、サンディが箱船の
操縦パネルのボタンを押した……。

「すすす 、……スウィッチ・オンヌッ!!」

「おおおおっ!?」

「きゃあ!?」

「ちょ、ちょ、ちょ……、まってええーーっ!」

箱船は更にガタガタ大きく揺れ始め箱船が浮かび上がる。ジャミルと
モンは船の内部が見えているが、他の3人は船の姿が見えていないので、
身体だけ空中に浮かんでいる様な感じなのである。覚悟はしていたが、
仲間達はやはり少々パニックに陥っている。冷静なアルベルトでさえ、
顔に大量の冷や汗が滲んでいた。