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アザーラ話 (まえがき長い)

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眠れない。耳が痛い。後頭部がズキンとする。

私が力を得たことで無能になってしまった親達にはもう未来視の力はない。

彼らは私が絶滅を回避してくれる未来を作れることを信じている。嘘でもそのことで彼らを騙し続けなければ皆がパニックになるだけ。より悪い未来がやってくるだけだ。

せめて6か月の猶予があったなら良かった。ラヴォスの飛来から半年もすれば猿人種の胎児に魔力が宿る現象が来る。その胎児がテレパシーや熱を操って母体を助けることがらはじまって、次々と氷河期に適応する技を生み出していく。そんな未来についてが、もう少し早く訪れてくれたなら…もっと多くの恐竜人を未来へ残せただろうに…特別な力が持っていても私は無能だ…。 



「ラヴォスにテレパシーをしてはいけない。繋げれば貴方も思考を破壊され自我を失うだろう。」

未来で貴方がラヴォスによって気を狂わせるような出来事は起こらない。まだ産まれてもない貴方にそれを伝えることはできないけれど、もしも伝えることができれば理解してくれるだろう。地中に埋まるラヴォスの危険性についても…。

遥か未来の人間がラヴォスに関わったことで破滅する世界が見える。その情報を伝えることができ、もしも未来の絵が変わるとしたら…都合良すぎるかもだが、未来人が何かをこう…ゲートを使って助けに来てくれるかもしれない。

もしそうなら既に助けに来てくれてるような気もするが…

仮に助かるにしても、まず私達が絶滅する歴史が成立しなければならないとしたら、とても悲しいことである。死ぬ事実は変わらないことについて一族達は受けいれられないだろう。他の種族は絶滅する未来についてを教えられてないとはいえ、パニックする一族達らの口を封じきるのも難しい。必ず最後には悲惨な状況になって絶滅の未来を隠していた件を全種族から糾弾される。そんな未来ばかりが見える。



私はゲートが開く場所を眺めていた…。

タイムトラベラーがこの場所のゲートから出てくるのは判っていた。でもそれは恐らく別の世界線での出来事だ。

私が見える未来の世界には複数の世界がある。私の行動で変えられる世界線は一つしかなく、その世界線ではゲートが開く未来は見えない。

ゲートを開ける装置を未来視で見たが、この時代では作れはしないだろう。未来の技術を理解することについては挑戦はしているが、完成の見込みはついていない。多くの人材を開発に割り当ててみたが電球を作ることもままならない。せいぜい石構造の城を作るのが限界なのかもしれない。城の近くにマグマ熱があってそれを電気変換できると思ったりもしたが…

発電機の原理を作ることが難題過ぎた。

その開発についてはとにかくストレスフルで、そんなとき、マグマ地帯の上昇気流に乗って遊んでいる竜族達を観るのは凄くムカついた。いつもなら微笑ましい気持ちで見たり乗せて貰うのだが、時間に追われ開発にトライしてるときは本当にイライラしてむかつくのだ。彼らをテレポートで溶岩にぶちこんでやろうと思ったこともあったくらい。いま思うと懐かしくもあり、切ない出来事である。

私は頭を使うのはとにかく苦手だ。あんなものを未来の猿人達はどうやって作ったのだ?猿人に特別な才能があるかと思って開発に関わらせてみたが、未来の絵が変わる兆候なんてまったくない。あと半年でラヴォスが落ちてくるよ…。もう万策尽きてるよ…

◎ 

ぼーとゲートの場所を眺めて何気なく念を飛ばしてみる。

テレパシーでゲートに念を飛ばして、応答があるとしたら…なんて考えていると小さな違和感に気付いた。反応はないので誰かがテレパシーで応答してくれている訳ではない。けれどもテレパシーが可能な対象物が目の前の方向にあるような変な違和感。

小さな違和感なので今まで考えもしなかった。

テレパシーができない無機物等へと念を送るとそのエネルギーはその物を突き抜けたり吸収されていくのだが、テレパシーが可能な者であると吸収や突き抜けが起こらず、エネルギーが周囲に拡散したり、戻ったてきたりするという学説。

あくまで仮説であり事実かどうかはわからないものの、テレパシーが使えない相手とそうでない相手を比べると基本的にテレパシーの反動に対して違和感の違いがある。その違和感についてはあまり興味なく生きてきたけれど、ゲートの存在と切迫された今の状況が、私に何かを訴えかけるように働く。

ゲートへのテレパシーを繰り返し、その違和感を何度か確かめた後、今度はゲートに向けて未来視での接続をやってみた。



接続は成功しなかった。

だが、この力は未来の生物にしか接続できない。

私と同じ時間軸にいる者へ接続するのであれば、限りなく現在に近い未来に接続を試みなければならない。

ゲートの先の者がその場を離れたりすれば接続は失敗するし、寿命で死んでるだろう未来に向けてだったりすると接続できない。

テレパシーの違和感を今感じているということは、限りなく今に近い未来でなら接続は成功するはずで…

接続すると一気に視界が開ける。

対象者の考えていること、見えている世界が見える。でもノイズが多い。誰かがゲートの先にいて、私のテレパシーが届いている様子だが、ノイズが多いのでパニックを起こしているのかもれない。

精神が錯乱しているとしたら、思考に繋げたとたん、私が危ない目にあう。

恐らくその人はテレパシー対する感受性がとても強い者なのかもしれない。その人の脳は私のせいでかきみだされている状態であり、落ち着くまでこれ以上念を送ることはできない。5分ほど待った後、再び接続を試みる。

今度は視界がクリアに広がる。

クリアといっても部屋は暗い。でも光はある。

未来人がスマホと呼んでいるものが見える。文字は読めないものの、SNSに書き込みしているのは分かる。彼は今、突然起きたパニックについてを日記の要領で書き込んでいる。私のテレパシーは確実に届いている証拠だ。今度は思考をかきみださせないよう、小さな出力で送る。とても繊細なコントロールが必要になるが、やってみる。

(私の声が聞こえますか?)



(私はテレパシーで貴方に語りかけています。アザーラといいますが、よろしければご返事ください)

言語の壁を越えて意味が伝わること。

その経験か初めてだったのか彼の反応が、思考が目まぐるしい

彼は念での送信ができる体質でなかったから、私の一方通行で自己紹介を続けた。

ラヴォスのこと、ゲートのこと、貴方に受信の力があること。今経験していることは幻聴や妄想のような病気でないことを伝える。とても驚いているものの、次第に落ち着きを取り戻していく。それを観察していると今度は私が驚く番となった。

彼は恐竜人の私の存在を知っていた。

未来に住むだろう彼がなぜ私を知るのだろうか。

彼の記憶を探っていくと、確かに私が登場する。ゲームな世界で登場する私のことだった。

そのゲームの物語にはラヴォスに接続して精神が壊れたと思われる私が登場してくる。私は仲間を道ずれに城と共に消滅するようでそのシナリオは以前私が未来視で知った一端に非常に似ている。

偶然とは思えない。