クロノトリガーのリアリティを改めて問うてみるエッセイ
相手に幻覚を魅せるような技で擬態を演出していて、相手の記憶から擬態するべき人物の情報を引き出すような神掛ったことをしているのなら、夜空に化ける(夜空の映像を周囲に魅せて自身を隠す)ことも容易なのかもしれない。ディアブロスがリーネに触れていればリーネも含めて夜空に擬態できるのなら、簡単に誘拐が成功するはずだ。ヤクラ戦で鉄球攻撃が発射直前まで見えない事も鉄球を触れた状態で幻(自身の姿)で隠しているとすればその状況の辻褄が合いリアリティが増す。
簡単に幻を魅せられるということは、極端な話、死んだ映像なども魅せることができるかもしれない。ヤクラは派手な演出で死んだが、その死すらも偽装の疑惑が生まれる。
多くの魔物が死体になるとその場に残らない。死ねば消滅するのであれば、死んでないのに実は死んだかのような演出ができ、400年後の未来でヤクラの子孫を目撃するのも当然なのだろう。ゲームのシステム上の都合で死体が消えるのではなく、死体が消える世界観がトリガーのリアリティであるなら、まるまじスープのような魔物を使った料理の存在は実際は中身にまるまじはなく、まるまじという名前でも全く中身が違うのかもしれない(料理の色や形がまるまじしているとか)
ハイパー干し肉とかいうアイテムもその正体は肉なんかでなく、奇跡の回復アイテム(ポーションやエーテル)に似た謎の仕組み構造の食べ物バージョンなのかもしれない。どのようにして作るのかなぞだが、未来のゲートが原始時代に繋がってるくらいだから、他にも未開拓のゲートがいくつかあるのだろう。作中で登場しなかったゲート含めて遥か未来の超文明が過去の混入していても不自然ではない。。その超文明によって我らからみて想像もつかない仕組みで肉が生まれるのだろう。
中世においては魔法の神様(魔王様)がいる。 その時代、魔物の多くは戦闘中にピンチになると消える魔法(死ぬ演出魔法)によって死を免れているのかもしれない。だから何度同じ魔物を倒しても同じ場所でまた出会えるという不自然な状況になっているのでは?
ガルディアの森に生息する魔物は何度やっつけてもマップを切り替えるだけで復活してくる。つまり、その魔物達は努力家であり、日々鍛錬を惜しまないのだろう。クロノ達に戦いを挑んで、やばくなったら死んだ振りの魔法をかけて逃げている。HPがいつも低いのでレベルアップはしていない。ギブアップが早く経験値が少なくて成長しないのかも…。
草むらに無限のように手に入るシェルターがあるけれど、もしかしたら魔物達からの贈り物なのかもしれない。いつも模擬戦闘の訓練に付き合ってくれてるから、お礼のように、いつも草むらに置いてあげている。そうでなければ無限に手に入るシェルターについて、どんなリアリティある裏話があるというのだ?まさか単なるバグとか製作陣のプログラムミスなのか? そんなことを名作クロノトリガーがやってしまうというのは当時のスタッフ達への冒涜になるだろう。
時間の関係するフラグ(伏線)のようなものなら、草むら空間だけがタイムリープまたはループしているのだろうが、確かにそのような現象は物語の各所にあったような気がする。
クロノトリガーは各時代の時間軸はまっすぐ未來に進んでいるのたが、最果て世界のバケツのゲートだけは例外で常にラヴォス日1999年の崩壊の日に行ける。ここだけ時間の流れの構造が固定、またはループ、また空間がタイムリープしている事になり、それのゲートが自然に生まれたのではないとしたら、それができるのは最果ての管理者である老人ハッシュだろう。ハッシュの正体が古代では時を研究する賢者だったのだから仕組みを作るのは可能かもしれない。(※ハッシュはあくまで容疑者、犯人は他にいるかもしれない)
時の卵(クロノトリガー)についても、主人公を救助する為とはいえ、唐突かつご都合主義過ぎるように用意されている。その使い方は未来の死の山(山化したラヴォス)の頂上で使用しなければならないという。一体どんな科学的理屈でそうしなければクロノを救助できないなか全く説明なしの押し付けお使いイベントだが、それもリアリティある根拠があるのだろう。
ラヴォスな山だからラヴォスの記憶からクロノが死んだ時間を特定し、その時間に移動できるシステム、及びゲートを発生させ元の時代に帰れるシステム等が詰め込まれた卵なのだろう。タイムフリーズした世界でクロノを助けるべく、動きまわるというのは時間の止められた側では瞬きの間にそれをやられている訳で、光を越える速さで動いているはず。とんでもない量のエネルギーがそこに発生していて 止めた時間を進ませたとたん、ビックバンのごとく、その世界を消し飛ばすかもしれない。それら諸問題を全部都合よく解決する為の技術が卵に詰まっているとし、これを作中に説明されたら当時のカートリッジでは全く足らない。根拠あるシーンは全部カットする必要に迫られた。
いずれにせよ時の賢者ハッシュには時を操っている疑惑が詰まっている。(強くてニューゲーム)というメタなシステムでさえ、ハッシュが用意できるイベントですらあるだろう。開発者らの単なる遊び心ではなく、ハッシュがクロノ達を観察して楽しむ為の都合でクロノ達の記憶だけ消してタイムリープさせている。その為の強くてニューゲームであって、それをプレイヤーがメタ視点から観測しているのでは?
もはや突っ込みどころ満載のゲームだろうクロノトリガーについて、リアリティを突き詰めるからこそ見える深まるリアリティ。名作と云われるだけのことはある。
◎カエルのリアリティについて
カエルはリーネ発見の情報を知らされることなく、捜索を続けていたのか? もしクロノ達とマノリア修道院で合流できなかったら、一人でヤクラと戦ってバットエンドなの?
カエルの場合、その特性を利用して修道院の壁に昇れるから、こっそり内部の情報を調査できる。修道院が怪しいと思えば騎士団を派遣する為に王宮へ戻るか、近くの兵士に言付け等をする。いずれよせ、クロノ達がいなければリーネ救出が間に合わなかった。
状況にもよるだろうがクロノが城から出た後にカエルが城に戻っていた場合もリーネ救出は可能だろう。見つかったはずの王妃が部屋にいたはずなのに再び行方不明になっている。最後に部屋から出たのは赤髪の不審者という情報。それを従者達から聞いたカエルは急いで赤髪(クロノ)の捜索を開始したに違いない。街中で赤髪を目撃するものの肝心のリーネは見当たらない。赤髪は王宮を一人で出たからその正体が魔族で魔法でリーネを隠したのかもしれない。吐き出してもらわなければならないが、 もし尋問しても吐き出さないとしたら、リーネ様を奪回できない。逃げた先で吐き出すとしたら…と考えながら、追いかけた先でマリノア修道院にたどりつく
作品名:クロノトリガーのリアリティを改めて問うてみるエッセイ 作家名:西中



 

 
    