クロノトリガーのリアリティを改めて問うてみるエッセイ
オーラは数ある回復手段の内の一つであり、序盤は役に立つが終盤では殆んどの使わなくなるもの。作中、オーラな力が物語にとってどういう背景があるのかは描写されていないものの、 設定上意味のあるストーリーが隠れている。だとすれば、次の問題が解決される。
問題(なぜマールの祖先のリーネは誘拐されるに至ったのか?)
誘拐の動機について作中では描写されてないが例えばリーネを人質にしてガルディア王家と何かを交渉するのだったら、要求あるはずで殺しは二の次になるはず。交渉が決裂して報復や見せしめに殺す場合、共に誘拐されていただろう大臣が王家との交渉を進めるのかもしれない。あるいは王家には全く要求するものがなく、政治を動かせる大臣に要求をするのかもしれない。何を要求するかだが、例えば魔界が有利なるような外交交渉(戦争で有利な立場にる政策)をするだとか、王家の財産(物語の重要なアイテムとなるペンダント)になるだとか、そこへの答えは難しいので一旦保留するとし
そもそもヤクラが大臣に擬態する魔法を使える事から大臣に成り済ましてガルディアの政治をできるので、欲しいものは大臣の情報なのだろう。大臣と関係している人々や大臣自身の細かい情報を得えて王宮でボロがでないように立ち振舞いしなければならない
大臣が情報を吐き出さないので見せしめにリーネを殺す。であると誘拐の動機とリーネが死ぬ結末に矛盾はなく、これ以上のリアリティは追及する必要はない。
しかし大臣を利用することを目的としてのリーネの誘拐人質事件だとするなら、リーネにヤクラが「この世に別れを告げる準備はできたか?」と言いながら殺そうとしているとき、大臣は宝箱の中にいる事に矛盾が生じる。 大臣を目隠し状態に音声だけで脅すよりも、リーネを大臣の目の前に見える状況にして脅した方が効果は高いだろうからだ。 ヤクラは戦闘中「鉄球」で攻撃をするのだから、それを足枷にすれば大臣をわざわざ宝箱に閉じ込めなくても自由を奪えるし、リーネについても鉄球を足枷に着けてない事に矛盾が生じる。
あえて鉄球を使わないで宝箱に閉じ込める理由について、ヤクラはリーネを殺すつもりはなく、殺そうとする演技をするだけだった。それを見破られにくくする為に宝箱の中に詰め込み音だけで聞こえるようにしていたとするなら辻褄が合いそう。しかし、目隠し目的なら宝箱でなくとも布切れで目隠しで十分のはずで、宝箱である事の意味付けとしては弱くなる。
宝箱に入れられた原因について単に大臣がお喋りで口煩いとだか、宝箱が拷問の一種だとか、そもそも深い意味なんてない魔族らの遊び心なのかもしれない。ポーションなんていう便利なアイテムさえあれば、いくらでも拷問できるし、死にかけからの復帰が可能だろう。魔族としても色々な拷問をやり尽くして飽きてしまい、拷問のやり方も如何に斬新で面白いのかが重要になって宝箱に詰め込んだ。
あるいは魔族にとって大臣こそが宝だったので宝箱に入れた。あるいは大臣自ら宝箱に隠れて出られなくなってしまった。そんなリアリティなのかもしれない。
そもそもいつどこでどうやって大臣とリーネを誘拐したのだろう。専属護衛のカエルの隙をついて誘拐するには、至難の技だろう。カエルの目はでかく視界はほぼ360度あるといっても過言ではなく、視界を横切るものがあれば直ぐに気付けたはず。護衛のつかないプライベートなタイミングを狙って誘拐されたのなら、寝室から誘拐できそうで、翼の生えたディアブロスがヤクラの配下にいたからそいつが空から寝室に入り、魔法やらで眠らせて連れさったか?
カエルは誘拐事件ついて責任をとりガルディアを去ったから、カエルの落ち度で誘拐の隙が生まれた可能性は高いとして、部屋の外にて見張っていたカエルは誘拐の物音を聞き逃したということか? 耳のないカエルとはいえ、振動は知覚できるそうだから、無音で誘拐しない限りカエルは気付きそうなものだが…
複数のディアブロスがリーネの寝室に降り立ったったのかもしれない。部屋の隅に隠れ、もう一人がリーネに変身して部屋を出て、「トイレに向かう」等とカエルに言って部屋から遠ざけた隙に誘拐をしたのなら暴力で気絶させたしてもカエルは気付きはしないだろう。しかしこのやり方は城の外にいる兵士が空を見張っていると成功しにくいだろう。夜空に紛れる色に擬態したり、抱えているリーネと共に夜空に紛れなければ成功しないだろう。
修道院ではリーネだけでなく、王に変身する魔族がいた。後に魔王城に突入したときも、クロノの母親ジナに擬態していた魔族がいた。魔族は未来にいるジナを知るはずないのに擬態できるということ。わざわざ 誘拐して魔法陣やらに変身したい相手を置いて儀式をしたりで擬態魔法を完成させるようにするような面倒な魔術システムではなく、もっと究極的に簡単に擬態技術を魔族達は利用している。
相手に幻覚を魅せるような技で擬態を演出していて、相手の記憶から擬態するべき人物の情報を引き出すような神掛ったことをしているのなら、夜空に化ける(夜空の映像を周囲に魅せて自身を隠す)ことも容易なのかもしれない。ディアブロスがリーネに触れていればリーネも含めて夜空に擬態できるのなら、簡単に誘拐が成功するはずだ。ヤクラ戦で鉄球攻撃が発射直前まで見えない事も鉄球を触れた状態で幻(自身の姿)で隠しているとすればその状況の辻褄が合いリアリティが増す。
簡単に幻を魅せられるということは、極端な話、死んだ映像なども魅せることができるかもしれない。ヤクラは派手な演出で死んだが、その死すらも偽装の疑惑が生まれる。
多くの魔物が死体になるとその場に残らない。死ねば消滅するのであれば、死んでないのに実は死んだかのような演出ができ、400年後の未来でヤクラの子孫を目撃するのも当然なのだろう。ゲームのシステム上の都合で死体が消えるのではなく、死体が消える世界観がトリガーのリアリティであるなら、まるまじスープのような魔物を使った料理の存在は実際は中身にまるまじはなく、まるまじという名前でも全く中身が違うのかもしれない(料理の色や形がまるまじしているとか)
ハイパー干し肉とかいうアイテムもその正体は肉なんかでなく、奇跡の回復アイテム(ポーションやエーテル)に似た謎の仕組み構造の食べ物バージョンなのかもしれない。どのようにして作るのかなぞだが、未来のゲートが原始時代に繋がってるくらいだから、他にも未開拓のゲートがいくつかあるのだろう。作中で登場しなかったゲート含めて遥か未来の超文明が過去の混入していても不自然ではない。。その超文明によって我らからみて想像もつかない仕組みで肉が生まれるのだろう。
中世においては魔法の神様(魔王様)がいる。 その時代、魔物の多くは戦闘中にピンチになると消える魔法(死ぬ演出魔法)によって死を免れているのかもしれない。だから何度同じ魔物を倒しても同じ場所でまた出会えるという不自然な状況になっているのでは?
作品名:クロノトリガーのリアリティを改めて問うてみるエッセイ 作家名:ヘケラン西中



