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zoku勇者 ドラクエⅨ編9 大神官を探せ!

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モンに困惑。中のリンゴもモンによってすっかり平らげられていた。

「げっぷモーン、ごちそうさまモン!」

「……今更……、連れて帰るワケにいかないし……、オイラも戻る気もない、
大神官様を自分の手で探し出すまで……、それにしても、モン、いつの間に
……、やっぱりオイラって抜けてるヘタレ……」

其処まで言い掛け、ダウドは首を振る。……自分はヘタレを卒業しようと
決意したのだから。……ジャミルを見返してやる為。みんなの足手纏いに
ならない様に……。

「いいよ、モン、一緒に行こうよ、オイラが守るから、大丈夫だよ……」

「モォ~ン?」

モンにも何となく、ダウドの様子がおかしいのが分かる様で、不思議そうに
きょとんした。

「ダウド、何だかいつもと違うモン……、無理しちゃ駄目なんだモン?」

「な、なんでさっ!オイラ別に普通だよ!それより行くなら早く行こうよ!
何だったらモン一人でも神殿に戻っててもいいからっ!」

「……モォ~ン……」

モンにはダウドが何で怒りだしたのか、それは理解出来ず。塔へと歩き出して
行ってしまったダウドの後を追った……。

「よし、塔の扉の前だ!と、等々此処まで来たぞ!えーと、扉を開けるには、
確か……」

ダウドは神官に教わった扉の開け方を実行。扉の前で丁寧に頭を下げ、
お辞儀をする。モンもマネしてちょこんと一緒にお辞儀。……すると、
勢いよく音を立て扉が開いた。

「やったあ!」

「モンーっ!」

「よし、中に突撃……ひゃあああっ!!」

「……ガルルル……」

しようとしたダウドを待ち構えていたモンスター集団。……見た途端、
ダウドは腰を抜かしそうになり、やっぱり一瞬でいつものヘタレに戻って
しまうのだった……。

「大丈夫モン!モンに任せるモン!モン、さっき食べたりんごパワーのお陰で
元気百杯モン!!……行くモンーーっ!!」

「……だ、駄目だよっ、モンっ!危な……うわーーっ!!」

「ガルーーッ!!」

「キシャァァーーッ!!」

モンスターとは言え、まだ小さな子供のモン。ダウドは慌ててモンを
助けようとするが、腰が抜けて動けず……。しかし、モンは大口を開け、
率先してモンスター集団に噛み付き、ダウドを守ろうと健気に戦って
いるのだった……。

「どうしよう、どうしよう……、オイラ、オイラ……、あ、ああーーっ!?」

ブーー!!

モンはモンスターに向けて砲屁。ジャミル譲りの必殺技である。
モンスター集団は仰け反りうって全員その場で倒れる……。
ダウドはその隙にモンを抱えると素早く塔内に潜入するのだった……。

「全くもう!……危ないじゃないか!怪我でもしたらどうするんだよお!」

「……モン~、でも、モンのせいで……、アイシャは怪我しちゃった
モン……、全部モンのせいモン、だからモンも何かお手伝いしてお詫び
したかったんだモン……」

「モン……」

モンはモンなりに……、昨日の事で心を痛めていたのである……。

(オイラ……、ジャミルを見返す事ばかり考えてた……、だから此処に
来たんだ……、意地張って……、でも、モンは……、ちゃんと……)

「オイラ、自分の事しか考えてなかったよ……、やっぱりヘタレは
ヘタレだなあ~、駄目だよ、ホント……」

「モン……、ダウド、やっぱりみんなの所に戻るモン?」

「いや、オイラが決めた事だよ……、大神官様を探すまで戻らないよ、
モン、悪いけど、一緒に最後まで来てくれるかな?」

「モン、ダウドがそう決めたのならモンも一緒に行くモン」

「ありがとうー!……って……」

「♪ぽーこぽーこちんちんモーン!やっぱり此処は居心地が
いいんだモン!ジャミルにやるとデコピンが飛んで来るモン!
やーモン!」

「ま、また……人の頭を太鼓にする……、……こらあーーっ!!」

反省は凄くしている様だが……、やはりモンはモン。いつも通り
だった……。……それから……、ダウドはモンを連れ、只管高速で
モンスター達から逃げ回り……、漸く最上階まで辿り着く事になるが……。

「……やっと此処まで来れた、オイラだけの力で……でもないんだ……」

「モォ~ン?」

ダウドは改めて周囲を見る。漸く辿り着けた塔の最上階。だが、やはり
此処まで来れたのは殆どモンのお陰もあった。もしも……、自分一人
だったら……、モンがいなかったら……、そう考えて落ち込んで来た。
そして、もしかしたら……、皆が追い掛けて来てくれるかも知れない……、
そんな甘い考えがダウドの頭をよぎった。

「モン?ダウド、この石さん、何か書いてあるモン」

「石碑だよ、えーと……、何かもう今は何も見る気になれないや、
モン、ごめん……」

「モォ~ン……」

「……今ならまだ間に合うよお、……間に合いますよお~……、早く
都合良くみんな来てくれないと……、オイラこの先に進んじゃうよお……、
はあ、やっぱり駄目だね……、今更何言ってんの、オイラは……」

やはり心の何処かでは……、結局ジャミルを求め……、皆に会いたくて
仕方ない自分の本性がちらちらと垣間見え、こんなヘタレな自分が
嫌になって来ていた。いつもの事だが。

「こうやって、……やった事にいちいち後悔して落ち込むのもオイラの
性だもの、……あ、モン、ごめんよ、さあ行こう……」

「モン……」

ダウドは暫くぶつぶつ言っていたが、漸く腰を折り、先へと歩き出す。
その後を心配しながらふよふよと追うモン。……鏡の様な扉の入り口
から空間の中を通り抜ける。……その先の祈りの間にいた、其処で
見た人物は……。

「あれ、……大神官様かなあ?」

「モンプー?」

確かにそうだった。司祭の帽子を被り、必死で見えない何かに向かって
祈りを捧げている老人……。誰がどう見ても、姿からして消息不明の
大神官に間違いは無かった。ダウドは思い切って老人に声を掛けて
見ようと思うが……。

「……全ての職業を知り、全ての職業を司どる大いなる力よ……!
今こそ我に……、む!?」

「……ひ、ひっ!?……あ、あの……、オイラ決して怪しい者ではっ!
わわわわ!!」

老人がダウドの方を振り向く。……ゆっくりと。だが、振り向いた
その表情はやはり生気が無くやつれていた。

「あの……、あなたは……、いなくなった大神官……、様……
ですよねえ?」

「確かに儂はダーマの大神官じゃが……、普通の人間には決して
入る事を許されん、この神聖なる場にお主は何故入って来れたのだ!
……儂のなすべき事を妨害する者、即ち儂の的と見なす!!……お前は
只の旅人風情ではなかろう……!!」

「!!ち、ちちちち!違いますよお!オイラ、あなたを連れ戻しに
来たんです!……あのですね、今、神殿は大変な事になってますよお!!
大神官様が急にいなくなっちゃって、神殿に来てる沢山のお客さんが
困ってるんです!神殿で神官様達も大神官様の事、とっても心配して
ますよお!……心配……、心……」

ダウドは必死で説明しながら……、ふと思う。自分も……、こんな
勝手な事をして、皆に相当迷惑掛けてるんだろうな……、と。だから
こそ、今回は絶対に何がなんでも、此処から先は本当に自分の力だけで