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zoku勇者 ドラクエⅨ編9 大神官を探せ!

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この大神官を説得し、連れて帰らなければならない。そう強く思い、
改めて目の前の大神官を見据えた。

「儂は……、転職により、人々を正しい道へと導いて行けたのなら……、
それが何よりも嬉しい事であった……、だが……」

「大神官様……」

「これまで多くの人々を転職させたが……、果たして本当に正しい道へと
導いて行けたのであろうか……、力を謝り、間違った使い方をする者、
与えられた力の重さに後悔し、迷うもいるであろう……、……全ての
人々が新たなる門出の道を迷う事なきに進んで行ける筈がないのだ……」

「だ、だって、それは……」

……項垂れる大神官……。こんな時、ジャミルやアルベルトなら……、
どう大神官に答えを返すんだろう……。自分にはそれがどう考えても
思いつかなかった。

「うううっ!オイラバカだから分かんないや!……単純に考えて、
オイラが今此処で出来る事は一つだけ!大神官様!オイラとすぐに
神殿に戻りましょう!その為にオイラは此処まで来たんですからねっ!!」

「モン!帰るモンですからねっ!」

「お主……、本当に何様なのだ……、大神官であるこの儂に生意気な口を
ききおって……」

「ひえっ!?」

「ひえーモン!冷えー冷えーモン!」

「モンっ!……いちいち真似して遊ぶなよお!本当に緊張感ないなあ!」

「ブーモンだ!」

大神官は生気の無い表情のまま、虚ろな目でダウドを見る。……最悪、
どうしてもこのまま大神官が戻る事を拒否するのなら、自分でも
少しだけ使える軽い攻撃魔法でうっかり気絶させて連れて帰ろうと
思った。……そうしよう、その方が手っ取り早いと……。

「よし!強硬手段!……そうしよう!や、やっちゃいましょう……」

(ダウド……、何か変な事考えてるモン……)

「……悪いが儂は神殿に戻る気など今更ないわ……」

「あ、や、やっぱり……!そう来ますね!でも、オイラにも立場と
プライドと言う物がありますから!大神官様、少しだけ痛い目に
遭って貰いますよお!!」

「ほう、小僧……、この儂に武器を向けるか……、こんな何の力の
持たん老人に……、やはり此処まで訪れるだけあって、只の暇人では
ないと見た、それは理解したぞ……」

「……」

ダウドは勇ましく、威嚇のつもりでロングスピアの矛先を大神官に
向けた……、つもりだった。

「ダウド、違うモン、それ、たけやりモン……」

「……あああーーっ!?あ、焦って気づかなかったあーーっ!!やっぱり
オイラってドジーーっ!!バカーーっ!!……ヘタレええーーっ!!
全然カッコつかないよおーー!!」

自分で弁明し、その場で泣きわめくダウド。しかし、これで良く
此処まで気づかず持ったモンである……。ついでに。……ダウドは
竹槍マンの称号を得る……。

「……いらないよおーー!!」

「ダウド、……モンモン……、ダウドはいつも頑張ってるモン、
モンは分かってるモン」

モンに慰められるダウド。……カッコツケマンPRは失敗に終わる……。

「えうう~、嘆いてる場合じゃない……、そうだ、ま、魔法使って……!
大神官様を……」

……止められる。こんな何の力も持たない、我儘爺さん……、
そう思っていた。だが、次の瞬間……、やはりダウドは自分が
いかに、疎かで無知なヘタレだったか改めて思い知らされる
事態と窮地に追い込まれる事になる。

「儂は力を手に入れたのじゃ……、全ての人々をより良い方向へと導く事が
出来る力をな……、儂はダーマの大神官としてこれからも此処で祈り、更なる
力を手に入れるのじゃ……」

「……はい……?な、何ですと……?あああーーっ!!」

「モンーーっ!?」

「今こそ我に力を!我に人々を導く為の力を与えたまえーい!!」

突如、大神官の周りを黒い渦が渦巻き始め、渦は大神官の姿を
あっという間に包み込む。

「おおお、これは……、力じゃ、力が漲ってくるぞ、お?おおおーーっ!?
……お、おおおーーーっ!!何じゃこれはーーっ!!」

「だ、大神官さ……、うわーーっ!!」

しかし、直後……、大神官の姿はとてつもない巨大な化け物の姿へと
変わる……。予測していなかった事態にダウドは頭を抱え、大パニックに陥る。

「何事じゃこれは……、儂の身体が化け物に……、黒い力が溢れておる……、
違う、儂はこんな力を求めていたのではない!!」

「……大神官さまあ~、あうう~……、なんでこうなるのさあ~……」

「ダウド、しっかりするモン!お爺ちゃんを元に戻すんだモン!」

「……そんな事言ったって……、無理だよお~、……オイラ一人じゃ……、
皆がいてくれなくちゃ……、ジャミルが……」

ダウドは地面に這いつくばり、顔を突っ伏した態勢のまま、只管唸る。
あれだけ決意して此処まで来たのに……、完全にもういつものヘタレに
戻ってしまっていた。やはり自分は何も変える事の出来ない弱虫の
ヘタレなんだと……、いつもの如く後悔の念に駆られた。

「ククク、そうか、成程、この力で人間共を支配すればいいと言う事か……、
我は名乗ろう……、今日から魔神ジャダーマとな!人間共を絶対の恐怖で
支配する事を今此処で誓おうぞ!!」

「……ち、誓わなくていいですよおーー!!」

「モン、ダウド……」

「丁度良い、今此処で手始めにまずは貴様らを恐怖に落とし込んでやろう……」

「……ひ、ひいいいっ!?」

丸くなって怯えるダウドにジャダーマが近づいてくる。ダウドは動けず、
全てを覚悟した。

「弱者よ!儂の力におののけ!たっぷりと怯えるが良いぞ!!」

「も、もう充分怯えてますからーーっ!!」

「ダウドっ!危ないモンっ!!」

「……モン……?だ、駄目……、!!」

怯えていたダウド。漸く薄めを開け、目の前で見た光景は……、
ジャダーマが放った稲妻から自分を庇い、地面へと落下し、
黒焦げ状態の姿で倒れているモンの姿だった。

「あ、あああ!モンっ、モンっ、しっかりしてよお!やだ、いやだっ!
……死んじゃやだよ!……ごめん、ごめんよ、オイラの所為で!!」

ダウドは半狂乱になり、急いで倒れているモンに駆け寄りモンの
生死を確かめるが……、モンは白目を向いたまま、ピクリとも動かず。

「どうじゃ?……我の力を思い知ったであろう……、む?」

「モンっ!蘇れっ!!……ザオラル!ザオラル!……ザオラルーーっ!!」

ダウドは覚えたばかりのザオラルをモンに必死で掛けまくる。
……MPがなくなるのも承知で覚悟の上だった。それでも
どうしてもモンを助けたかった。……絶対に……。

「は、はあ……、やった……、何とか……、モン……」

MPが突き掛け、もう駄目かと思ったその瞬間、祈りは届き、
瀕死状態のモンは無事に息を吹き返した。だが目は覚まさない
ままである。

「愚かのよう、それで全魔法力を失ったか……、そんな何の役にも
立たんクズの為に……」

「クズなんかじゃないっ!……モンはっ!畜生!モン、ごめんよ……、
オイラももう死ぬ気で戦うよ!!何が何でもっ!!」

「ほお……、しかし、例え助けても、お前ももう死は間近ではないか……」