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zoku勇者 ドラクエⅨ編9 大神官を探せ!

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神殿にちゃっかりと戻って来ていたのだった……。他の神官達は、無事に
神殿に戻って来た大神官の姿に4人に何度も何度も頭を下げ、礼を言い捲った。
しかし、今は礼など言われても全然何一つ嬉しくない状況であった。

「……モン、ごめんよ、ごめんよ……、オイラの所為で……」

宿屋のベッドでずっと静かに眠ったままのモンを見守るダウド……。
こんな状態では流石のジャミルもダウドにゲンコツを噛ます心境では
無かった……。

「もしかして……、手遅れだったのかなあ、……オイラのザオラル……、
だとしたら……、オイラ本当に役立たずのヘタレ僧侶だよお……」

「はあ、もうこんなの見てらんないんですケド!……辛気クサっ!!」

サンディは悪態をつきながら発光体になり、姿を消す。しかし、
彼女も本当は塔でモンを見守っていた時から、未だ安否が心配で
心配で仕方が無かった……。

「ダウド、お腹すいてるでしょ?ご飯はちゃんと食べなくちゃ駄目よ、
ね?元気だそ?食堂で神官さんやメイドさん達が私達に美味しいご飯を
用意してくれたみたいなの、ね、食べに行こう、みんなで!」

「アイシャ……、悪いけど……、とてもそんな気にはなれないよ、
オイラ……」

「くんくん、……ご飯モン……?」

「モン……?」

「モン……、ま、まさか……」

俯いていたダウド、……ジャミルもアイシャもアルベルトも……、
一斉に反応する。モンが漸く目を覚ましたのである……。モンは
ベッドからぴょこんと起き上がると、大欠伸。……自分を見つめる
皆の姿にちょこんと首を傾げ、不思議そうな顔をした。

「……あああーーっ!モンっ、モンっ、……良かったあああーーっ!!
ごめん、ごめんよおおーーっ!本当に良かったよおおおーーっ!!」

「モン~?ダウド、なんで泣いてるモン?」

「ふふ、モンちゃん、……お帰りなさいっ!!」

続いてアイシャも目を潤ませ、モンのフヨ腹にダイブ。わんわん大泣きする
アイシャと鼻水を垂らして号泣しているダウドにモンは困って、笑っている
ジャミルとアルベルトの方を見る……。

「……モ、モン~?」

しかし、大概は良い場面ばかりで終わらないのがこの話でありまして……。

「さあ、モンもちゃんと戻って来たし、やる事はちゃんとやっとかねえとな、
飯の前に、それが俺らの決まり事さ、よし、家出人達、こっち来な……、
心配掛けた罰だ……」

「……え?ええええ……?」

「頭出せ、ダウド、……モンもな……、お前はデコだ……」

「モ、モン……?」

〔ゲンコツ×5、+デコピンの刑、SP、……発動!〕

やる事はしっかりと……。ダウドはジャミルにゲンコツ攻撃、
モンはデコピンの仕置きを揃って食らったのだった……。
ジャミルがやらかした場合は、アルベルトにスリッパ連打の刑。
これでバランス?……を、保っている。

「……えううーっ!いだいよおーー!ジャミルのアホーーっ!!」

「モン、でこっぱちになっちゃったモンーーっ!!」

(全くも~、これだからっ!あー、心配して損し……、って、アタシは
全然心配なんかしてネーわヨっ!!フンっ!!)

その日の夜。1人、中々寝付けないでいたダウドは、状態も落ち着き、
ぷうぷう眠るモンの姿を見つつ、窓からぼーっと星を眺めていた。
無事に此処に戻ってこれ、モンも無事で、気分もやっと安定していた。

「おい、ダウド……」

「あ、ジャミル、……ごめんよ、何か寝付けなくてさあ、えへへ……」

「……」

ジャミルはダウドの座っているベッドの方へ移動。そしてそのまま隣に
腰をおろす。

「はあ、やっぱオイラってバカだよねえ~、カッコ付けて割に合わない事
しちゃってさあ!」

「……バカなのはもう分かってっからさ、あまり気にすんなよ……、
諦めてるから」

「うん、……って、そんなストレートに言うなよお!」

「こ、こら!でけえ声出すなっ!……アル達が起きちまうだろ!」

「あ、め、めんご……」

ダウドは慌てて声のボリュームを下げ、眠っているアルベルト達の
方を振り返る。

「ま、バカなのは俺もだからさ、……お互い様だよ、けど、これで
なくちゃ、俺らコンビじゃねえっての、あん時は俺もついムキになって、
きつい事、……言っちまったかもだけど……、その、お前をいつも心配
してるって事、その、分かってくれや……」

……言ってて恥ずかしくなったのか、ジャミルは顔を赤くする。照れを
誤魔化すようにして、急に立ち上がると、アイシャの横で眠っている
モンの顔をわざわざふにふに突っつきに行った。

「ねえ、ジャミル、オイラこれからも、ヘタレでいいんだよね、ね……」

「ああ、……けどな、あまり度が過ぎんのは又俺も切れるからなっ!
分かったかっ!!」

「へえ~い!」

そう返事を返すダウドの顔は笑っていた。無理せず自分らしくこれからも
ヘタレで行こう。……何回もヘタレを卒業しようと思った時期もあった。
やはり今回も止めたのだった。別の世界の話でも自分のヘタレが原因で
大変な事になった話もあった。もしかしたらこれからも又、ヘタレ奪回
しようとするかも知れない、でも、また、すぐに止め……。

「……うるせーんだよっ!ウダウダ1人ナレやってないで早く寝ろっ!
このヘタレっ!!」

「あ、ま、またヘタレって言ったなあーーっ!バカジャミルーーっ!!」

「るせー!少しは反省しろ!このヘタレっ!!」

「……君達……、いい加減に寝たらどう……?今一体何時だと
思ってるのかな……?」

気がつくと……、ゆら~りと……、スリッパを手に持った黒い顔の
アルベルトが……、2人の正面に立っていたのだった。その後、揃って
アルベルトに頭をスパコン叩かれた後、渋々と両者共ベッドに
戻ったのである。

「……畜生!腹黒めっ!後で覚えてろっ、……に、しても……」

ブツブツ言いながらベッドで横たわるジャミル。……実はジャミルも、此処、
ダーマに来てちょっと考えていた事があった。

……翌日。

「転職するのかい……?盗賊に?」

「ああ……」

驚きの声を上げるアルベルトにジャミルが淡々と返事を返した……。

「これまで旅芸人として、バトルで習得したスキルは別の職業でも
引き継げる分はそのまま残るからよ、どうしてもな、これからの事を
考えるとな……、俺本来の素早さとか、得意分野を生かしてみたいのさ
……、盗賊は結構攻撃力高いらしいし……」

「うん、それもあるね、僕もいずれは戦士としてもう少し修行を積んだら、
上級職にチャレンジしてみたいなと思っているんだ、まあ、まずは君の
転職を応援するよ……」

「いいんじゃないかしら?ジャミルが考えるのなら……、ね!」

「アル、アイシャ……、あ、ありがとな!」

「ふふ、頑張って、ジャミル!何だか本来のマルディアス時代を思い出すね!」

アイシャに応援され、ジャミルが真っ赤になる。しかし、問題は
こっちである。ジャミルは又ダウドがいじけに走らないか心配に
なる……。元々僧侶になるのに気が進まず、それでもヘタレ
ながらも頑張ってくれていたダウド……。ダウドも本来の盗賊を