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zoku勇者 ドラクエⅨ編10 祈りの少女と主神様

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行ける浜の洞窟だよ!そこにパパ専用のプライベートビーチが……」

「も、もしかして……、切れた村長は……、オリガを直接主の生け贄にする気
なんじゃ……」

「ダウドっ!だから悪い方向に考えちゃ駄目だっ!」

「アルだって……顔が青ざめてるじゃないかあ~……」

「……くっ!」

「オリガ……」

「遅かったかっ!……畜生っ!あの強欲爺っ!!」

やはり嫌な予感は当たった。ジャミル達がグースカ寝ている間に
オリガは1人で村長の家に直訴しに行ってしまったのだった。守ってやると
約束したのに、こうなってしまった事に怒りと悔しさがジャミルの胸に
込み上げて来る……。

(アンタ震えてる場合じゃないっしょ!まだ間に合うヨ!オリガを助けに
行くんでしょ!)

「モンーっ!ジャミル、しっかりするモン!」

「まだ全然遅くないわよ!サンディの言う通りだわ!急いでオリガを
助けに行きましょう!」

「ああ!そうだな!」

サンディとモンに渇を入れられ、アイシャにも励まされたジャミルは再び
オリガを助ける決意をする。もし本当にダウドの言った最悪の事態が
本当ならそうなる前に何としても村長を止めなければならない。

「トト、洞窟の場所まで案内してくれ!頼む!」

「うん、門の鍵は開けておくからね!お願い、絶対パパを止めて!そして
オリガを助けて!もし、パパが言う事を聞かなかったらパパをお仕置きして
いいから!ぼく、オリガが心配なんだ!」

「許可が出たな、よし……」

「全くもう、君は……」

にやりと笑って指を鳴らすジャミルに呆れるアルベルト……。しかし、彼も
脳内ではスリッパの準備を考えていた。

「もうー!ジャミルはっ!でも、トトはオリガの事が本当に大好きなのね!
うふふ!」

「え、そ、その……、えへへ……」

アイシャの言葉にトトは顔を赤くし、小指と小指と合わせて
ちょんちょんした。それにしても、あの村長とは全く似ても似つかない、
トトは純粋な子であった。

「よし、お前ら行くぞっ!絶対にオリガを助けるんだっ!」

ジャミルの言葉に頷く仲間達。頼もしいお兄ちゃん達の姿を見てトトは
心から皆を信頼し安心するのだった。

ジャミル達は村長とオリガを追いトトに教えて貰った海辺の洞窟へ。
もしも本当にあの村長が良からぬ事を企んでいるのならば全力で
阻止しなければならない。だが、事はそう簡単に進む筈が無く、
洞窟内に潜んでいる水棲系のモンスターが4人の妨害を
して来る。

「ではいつも通り、か弱いあたしは休んでますのでー!頑張ってねー!」

サンディ姿を消す。まあもう別にいつもの事なので、側に居ればいたで
うるさいので彼女に関しては特にもう皆何も言わない。

「でも何でこんなとこあの何の力も無い村長が通過出来るのさーっ!」

「……だからそう言うとこは突っ込んじゃ駄目だってばっ!ダウドっ!」

「あの爺の事だ、きっと洞窟内のモンスターを飼って慣らしてんだろ……」

「嫌な趣味だよおー!」

「そんな訳ないだろ……」

「もうっ!足場は狭いし彼方此方水だらけだし、うっかり落ちたら最悪よ!
でも、頑張らなくちゃ!」

狭い通路に敵は密集して襲ってくる。海の近くの洞窟だけあって
此処は水場が多い。……バトルも慎重に行なわなければならない為、
冷や冷やモンだった。

「……ちら、あ!」

「……ダウドっ!馬鹿っ!アホっ!たくっ、何やってんだっ!!」

「きゃーモン!ダウドが水の中に落ちちゃったモンーっ!!」

4人は、慎重に、慎重に……と、洞窟内を進んでいた。だが第1号者、
早速やらかす。宝箱に気を取られたダウドが足を滑らせ道中に下の水場に
転落。ジャミルは慌てて水場に飛び込むとダウドを助けに行った。

「ジャミル、ダウドっ!あっ!」

心配するアイシャとアルベルトの前に敵はどんどん襲ってくる。
ダウドの事はジャミルに任せるしかなかった……。2人には
海賊ウーパーが妨害し立ちはだかる。

「ぷはあ!あーもう最悪!ジャミル、有り難う~……、あ~う~……」

「流石……、あの糞爺が管理してるプライベートビーチがある場所だよ、
冗談じゃねーってのっ!……ひっくし!」

「ごめんね、は、早く上に……、皆のとこに戻ろう……、風邪ひいたら
大変だし……」

「ああ……、けど、前の話で……、お前が泉に落ちたのまた思い出した……」

「……だからそれは穿り返さないでよお!」

2人は体中から雫を滴らせながら水から上がる。しかし、其処に又も
ドロヌーバの集団が現れ行動を妨害。

「邪魔だってのっ!突破するぞ、……ダウド、いけるか!?」

「うん、今日は頑張るよお!オリガの為にも!えへー!」

ダウドは勇ましくロングスピアを構える。まあ、可愛いオリガの為に
やる気になってくれているとは言え、今日は何となく相棒が頼もしく
見えるジャミルだった。

(オリガ、待ってろよ、……すぐに行くからな……!)

「アイシャ、この先に備えて魔法はなるべく温存した方がいい、
大変だと思うけど、何とか大丈夫かい?」

「うん、頑張る!やってみるわ!……ええーーいっ!」

「うわ……」

びゅんびゅんバトルリボンを振り回すアイシャの姿を見て、アルベルトは
何となく冷や汗を垂らした……。

「モンも頑張るモン!シャアーーっ!!」

「モン、君も有り難う!頼もしいよ!」

「えへーモン!」

アルベルトに言われ、モンが嬉しそうに笑った。

……そして、一方のオリガと村長は……。

「どうだ?綺麗な場所だろう?此処なら誰も来ん、落ち着いて二人きりで話が
出来ると思ってな……」

「……」

洞窟を抜けた先に広がる美しい浜。村長専用のビーチだった。其処に
オリガは連れてこられていた。しかし、見方によってはロリコン親父が
幼女を誘拐した様に見える危険な光景。

「どうした?疲れてしまったのか?まあ無理も無いだろう、お前には
毎日の様に主様を呼んで貰っていたからな、もう村の浜辺で主様を
呼ぶのは止めにしよう……、主様をお呼びするお前の力は消えたと
村の者にはそう伝えておこう、これまでご苦労だったな、オリガ……」

「……村長様……?」

村長の言葉に、オリガはほんの少しだけ希望を見いだす。だが、次の瞬間の
村長の言葉でオリガは無残にも希望を砕かれるのである……。

「だがこれからは……、この儂専用の岩場でこっそりと儂の為に
主様を呼んで貰えないか?海の底には珊瑚や真珠、それから沈んだ
船の財宝などもあるだろう?お前なら主様に頼んで、それらを取ってきて
貰えるかと思ってな……」

「村長様……、な、何を言っているのです……」

オリガは怯え、後ずさりする。だが、村長はオリガにジリジリ迫り、
ムサイ顔をオリガに近づけるのだった……。こいつはやはり危険な
ロリコン親父だった。

「なに、毎日などとは言っておらんよ、たまにでいいのだ、儂の為に
力を貸しておくれ、お前が気が向いた時でいいんだよ、……そうすれば
儂らは豊かで幸せな生活を送る事が出来るのだからな……」

「豊かで……、幸せな生活……?」

「そうだ、おお、これからはオリガ、儂の事はお父さんと呼びなさい、