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zoku勇者 ドラクエⅨ編10 祈りの少女と主神様

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儂もお前を是非、大切な娘、養女として迎えたい、トトも喜ぶ……、
さあ……」

迫る村長にオリガは拒否し、必死に叫ぶのだった……。

「やめてっ!あなたはあたしのお父さんなんかじゃない!……あっ!?」

「騒ぐな、大人しくしろ、此処には誰も来ん、分かっておるだろう?
さあ、おいで、オリガ……、来るんだ……」

「やめてっ!いやーっ!放してーーっ!!」

村長は嫌がるオリガの手首を乱暴に掴み、海の方へ無理矢理連れて
行こうとする……。

「ジャミル、あそこ、いたヨっ!」

「モンーーっ!!」

「オリガ……」

妖精体に戻り、場に出て来ているサンディの言葉に目を見張るジャミル。
どうにか間に合ったらしいが……。

「止めろ!この糞爺っ!!オリガ待ってろ!すぐ行く!」

「……旅人さんっ!」

「貴様ら……、何故此処が……、だがオリガは渡さぬ!儂の為に死ぬまで
主様を呼んで貰うのだ!さあ、来いっ!!」

「痛っ!お願い、もう放して下さい!」

「テメエっ!乱暴はやめろーーっ!!」

「旅人さん、……あたし、もうこんなの嫌です、怖い、怖いの、助けて……」

助けに来てくれた4人の姿を見て、オリガは震えて遂に本音を漏らし
涙を浮かべた……。

「近づくな!もしも近づいたらオリガの手首を折る、なあに、お前に多少の
損傷があっても主様を呼んで貰うのには問題ない、それにちゃんと医者も
呼んでやる、安心しなさい」

「……村長様……」

「糞爺っ!何処までっ!!」

「何て事をっ!あんな小さな子に!!是が非でも自分の私欲の為にオリガを
利用する気なのかっ!!」

「絶対許せないよお!!」

「そうよ、いい加減にしなさいよっ!オリガを放さないと此処からあんたに
メラをぶつけるわよっ!脅しじゃないんだからっ!!」

「シャアーーッ!!」

「勝ち気なお嬢さん、やれる物ならやってみなさい、だが、儂を傷つければ
オリガも逆に傷つく事になるがな!」

何処までも強欲で卑劣な村長の姿に仲間達も怒りを覚える。だが、村長は
4人を見てニヤニヤと笑っているのだった。しかし、次の瞬間……。

ゴゴゴゴ……

「きゃ、きゃっ!?」

「これは……、地震か……?だが、そんな事は儂らには関係ない、
揺れが収まり次第、さあ共にゆこうぞオリガ、主様をお呼びしてくれ……、
儂らの幸せの為に……」

「村長様、あたし、あたし……」

「ぎゃ、ぎゃーーっ!!嫌だよおーーっ!!」

「ジャミル、オ、オリガを……、早く助けないと!」

「本当にあのおじさん何処まで性根が腐ってるのよう!信じらんない!!」

「く、畜生、オリガ……、待ってろよっ!」

突如大きく浜が揺れ始め、皆は立っていられなくなる程の地響きが
起こる……。これは神の怒りなのか……。にも、関わらず尚も強欲村長は
地震が収まり次第、オリガに主を呼ばせる気である……。オリガの表情から
幼い彼女はもう辛労的に限界なのがジャミルにも痛い程伝わって来る。
一刻も早く彼女を助けなければならないと。だが……。

「……地震……治まったのか……?」

「ねえ、ジャミルっ!あ、あれ見てヨっ!」

サンディが叫ぶ。揺れが治まった後に……、オリガの目の前に巨大な
鯨の怪物が海から姿を現したのである。それは……。

「主様……?」

「……」

海から砂浜へ出現した主は頻りにオリガの方をじっと見つめている……。
何か言いたそうに……。

「ジャミル!このままじゃオリガが危ないわ!」

「くっ!い、今行くからなっ!オリガっ!!」

「貴様らは来るんじゃないと言っているだろう!……さ、さあ、オリガ、
丁度良い、直ぐに主様にお願いをしなさい、おお、主様ようこそ、よくぞ
いらっしゃいました!早く財宝を持って来て頂く様にお願いをするんだっ!!
は、早くしないかっ!……オリガっ!!」

……何処までも本当に私欲に塗れた欲の塊の男に4人は怒りの限界が
来ていた。こうなったらもう躊躇せず多少乱暴な手段を使っても絶対に
あの男からオリガを引き離さなければ!そう行動に移ろうとしたのだが……。

「「……オ、オオオオオオーーーっ!!」」

「うわ!ま、また揺れだしたよおーーっ!!」

「これじゃ近づく事が出来ないっ!!」

「怖いモンーーっ!あ、あの大きいクジラさんが地震を起こしてるんだモン!」

「あーんっ!何なのようーーっ!!」

再び揺れ出す辺り一帯。主は怒りに満ちた雄叫びの様な鳴き声を
全身から発する。揺れはますます酷くなり、真面に動く事が出来ずに
皆は大混乱に陥った。

「ジャミル、あのヌシ神サマ、何かスッゲー怒ってる……、もう完全に
ブチ切れてるヨっ!」

「……オリガーーっ!!」

揺れはまた治まったが、主神はそのまま自分の口の中へとオリガを
飲み込んでしまう。事態を見ていた村長はパニックを起こし、股から
何か流した……。

「ひいいいーーっ!?オ、オリガがあーーっ!食われて……、ひ、ひっ、
主様、わ、私だけはどうか、お助けをーーっ!!あああ!何でも致しますから
ーーっ!!」

村長は腰を抜かし、地面に尻餅をついたままの体制で自分を睨んでいる
主から後ずさりする。……今度は命乞いである。本当に何処までも汚い
救い様の無い根性の最低な男だった。

「おっさん、テメエはもう要らねえ!邪魔だよっ!早く何処かに消えろっ!!」

「……お、お前達……」

漸く動ける様になった4人は主神の前に立つ。こんな男庇いたくも
無かったが、オリガを救う為である。ジャミルは村長の顔を見ず、
早くどっか行けと後ろで尻込みしている村長に向かって手をヒラヒラ、
シッシッの合図をする。

「畜生っ!ふざけおって!な、何故儂がこんな目にっ!……あああーーっ!?」

「ま、また地震よっ!」

「……いーやーだあああっ!!」

主が再び怒りだし、しつこい地震が来る……。怒りの主は津波を起こし、
4人は巨大な波の中に飲み込まれる。……腰が抜け逃げ切れなかった
村長も当然巻き込まれ流された……。

「ジャミルっ!みんなあーーっ!!」

「モンーーっ!!」

……波に飲み込まれながら、4人は苦しい水の中で只管耐え、
波から解放され空気が吸える様になるまで只管耐えた……。

「ハア、ハア、畜生、冗談じゃねえや……、ドザエモンになる
寸前だったぜ……」

「……ホント、今日はオイラ、水難だよお~……、パタ……」

「苦しかったわあ……、私達、本当に溺れちゃう処だったわよ……」

「あ、あんなのを何回も食らったら……、身体が持たないよ……」

「でも……、此処で俺らも立ち止まってる場合じゃねえぞ!」

「あ、あんたら大丈夫ーーっ!?本当に息してマスーーっ!?」

「モンーーっ、皆がホンワカぱっぱーにならなくて良かったんだモン……」

「意味分かんねえし!サンディ、モン、頼みがある、……このおっさんを
何処か安全な場所まで連れてってくれ、邪魔でしょうがねえ!暫く見てて
くれや!俺らもさっさとカタを付けちまうからよ!」

ジャミルは横目で気絶している村長を見た。一緒に波に飲まれた村長は
鱈腹塩水を飲んだらしく、仰向けの体制のまま潰れたカエルの様に