二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

zoku勇者 ドラクエⅨ編11 カラコタ編・1

INDEX|5ページ/9ページ|

次のページ前のページ
 

煮え切らないジャミ公に苛々し、再び姿を現したサンディはアイシャの
言葉に顔を真っ赤にするとまた姿を消す。……サンディに突かれた
ジャミ公も顔が赤い。……どっちもどっちだった。

「あーもうっ!どいつもこいつもっ!畜生っ、こうなったら
何が何でもあいつら絶対探してやるっ!!……オラ行くぞっ!
ヘタレっ、ジャジャ馬っ!!」

「やっぱりそうなりますか……、だよねえ~……」

「ふふっ!」

……ジャミルはアルベルトが向かった方向へと足取りを変え、蟹股に
なると顔から湯気を出しながらドスドス歩いて行った。その後を
笑いながらダウドとアイシャが走って追い掛ける。……アイシャは
ジャミルに追いつくと、ジャミルに気づかれない様、背中に指で、
そっと、……ば・か、と文字を書いたのだった……。……そして……。

「……おい、分かってんだろう?俺に逆らうからイテえ目に遭うんだよ、
テメエ、俺様に世話になって一体何年立ってると思ってんだっ!
いい加減に学習しろっ!!この能無しの糞ガキがよううう!!
……人のおまんまを黙って食うなんざ最悪だぞ!……お前の死んだ
母ちゃんも天国で今頃泣いてるぞお……」

「……」

「……やめてえええっ!!」

場面は再びあのボロ小屋の前。荒くれ豚男に散々殴られた少年は
出血して顔面血まみれだった。ぐったりしている少年に対し、豚男は
尚も少年の襟首を乱暴に掴もうとした。……それを必死に止めようと
している横ポニテヘアの少女……。

「おい、今日の罰だ、今からちょっこし稼いでこいや、でないと……」

「あ、あーーっ!?」

「!っ、……やめろーーっ!!」

豚男は急に少年から手を離し、乱暴に地面に叩き付けたかと思うと、
今度は少女の方に矛先を変え、少女の横ポニーテールを乱暴に掴むと
思い切り引っ張り、少年に対し、嫌らしい顔を向けた。

「いたい、……いたいよう……、うっく、ひっ……」

「そうさなあ、俺は今から又ハシゴしてくるから、俺が戻ってくるまでの
その間に最低、10000Gは稼いで来な……、こんな優しい金額チョロい
もんだろう?よおおおっ!?」

豚男は自分が飲みに行っているその間、少年に金を稼いで来いと脅しを
掛ける。もしも指定した金額を持って来なかった場合、今度は少女を
殴ると言っているのである。泣いている少女の姿を見て、少年は
痛みを堪えながら身体を起こすのだった……。

「分かったよ……、用意して来てやるよっ!……だからエルナから
手を離せっ!!」

「ふん……、相変わらず気に食わねえ目だ……、おい、俺は気が変わって
すぐ戻って来る場合もあるぞ、……それを忘れんじゃねえぞ……」

「……早く行けよっ!!俺を舐めるなっ!!」

豚男は少女……、エルナを漸く解放すると少年を睨みながら何処かへ
のしのし歩いて行く。

「……兄者あーー!!ごめんなさああーーい!!」

「ああーん!!」

エルナともう一人の男児は……、豚男が消えた後、泣きながら少年に
飛び付く。……口元の血を拳で拭いながらそれを見た少年は大きく
息を漏らすのだった……。

(……今夜中に何とか……、10000Gだ……、あの糞が
戻って来る前に……、こいつらは俺が守ってみせるさ……、
絶対に……)

「畜生!あの糞豚親父め!冗談じゃねえっ!……おい、お前ら、
暫くじっとしてろよ、俺が戻るまで……、絶対に金を持って
くるからよ……、くっ!」

「だ、駄目っ、兄者……」

「何だ!エルナ、邪魔すんな!……時間がねえんだよ!!」

少年は鼻血を出したまま、顔面血だらけの状態で、よろよろしながら
再び町の方へと向かおうとする。しかし、エルナはその手にしがみつき、
少年を必死に止めようとしたのだった。

「そんなお顔で歩き回ったら死んじゃうようー、ワチ、おっさんに
殴られても痛いの我慢するよう、だから兄者……、行っちゃ駄目だよう……」

「馬鹿野郎!ふざけてんな!お前も今此処で俺に殴られてえのか!?
ええっ!?」

「……やだ、嫌だよう……」

「俺が金を稼いで来なきゃお前、もっと酷ェ目に遭うんだぞ!
分かってんだろ、さ、我儘言うな役立たず!大人しくしてろっ!」

「にー、にー……、ちゃあ、やああ……」

「……ペケ、お前まで……」

まだちゃんと喋れない男児はペケと言うらしい。までが少年に飛び付いて
再び外出の阻止をする。少年が困り果てていたその時、3人の前に……。

「モン~……」

「あ、兄者っ!怪物っ!ちっちゃいモンスターだあっ!!」

……戻って来たモンが現れたのだった。少年は急いで身構え、懐から短刀を
出すとエルナとペケを後ろ手に庇う様に身構える。

「畜生!何でんなとこにまでっ!この野郎!近づいてみろ、……俺を
舐めるなよっ!!」

「違う、違うのモン、……モン、人間を襲ったりしないモン、信じて……」

「しゃ、喋った……?」

「……おおー?」

「もー!」

突然喋り出したモンスター、……モンに子供達はびっくり仰天。
少年も短刀を手に持ったままの状態で暫く固まっていた……。

「兄者、この子、悪い子じゃないよ、ワチには分かるよ、あはは!」

「……こらっ!エルナっ!あ、危ねえから近づくなっ!!」

「モォ~ン、モンです、初めましてモン」

モンは側に寄って来たエルナの手にすり寄る。見ていたペケもモンに
近寄るとモンの耳にぺたぺたと触るのだった。

「もーん、もーん」

「……お前、本当に俺達を襲いに来たんじゃねえのか……?それに……」

「モン、皆にごめんなさいしなくちゃで、一旦逃げたけど、又此処に
来たモン……、本当にごめんなさいモン……、……此処で焼いていた
お魚を食べたのはモンなの……、モン、お腹がとっても空いてて……、
モン……」

「……何だと……?」

「モン……」

再び少年の手が震えだした。モンはただ只管頭を下げ、少年に謝罪するしか
出来なかった。

「そうか、魚が無くなったのはテメエの仕業だったのか、ふざけんじゃねえぞ
この野郎!!」

「モン……」

モンは硬く目を瞑った。何をされても今のモンは頭を下げる事しか
出来ないのだから。だが、今にもモンに斬り掛かろうとする勢いの
少年をエルナが再び止める……。

「エルナっ!……又邪魔すんのかっ!!」

「兄者、駄目……、この子悪い子じゃないよ、お願いだからやめて……、
この子をいじめたら兄者もおっさんと同じになっちゃうよ、お願い……」

「んな甘いモンじゃねえんだよっ!……おい、お前……、人間の言葉が
理解出来るなら……、分かるだろ?人間様の住むこの世界には掟がある、
テメエのやった事はテメエで落とし前付けろ……、よう……、俺はテメエの
所為で今夜中に始末金を稼いで来なきゃならなくなったんだっ!!」

「……や、うわああーーんっ!!にー、めええーーっ!!」

等々幼いペケまでがモンを庇い大泣きし、モンを斬ろうとする少年に
必死に抗議するのだった……。

「あのね、モンは本当に何も出来ないけど……、モンのお友達なら皆を
助けてくれるかも知れないモン!ジャミルなら……」

「はあ……?ジャミル……?何処にいんだよっ!そんなモンっ!!」