現代風味のクロノトリガー(古代部分のみ)
ダルトンは以前からジャキの秘められた才能を捜していた。サラの様なラヴォスを制御する様な特異な力があるのでは思い、護衛にチェックさせていた。もしあれば、政権を自身に有利に動かせる材料になるかもしれないと思っていた。もしジャキがジールに謀反を起こす意図があって先程の様な現象を起こしたなら、それを利用したいと考えていた。
ダルトン
「ペットと魔具が消えかけただと? その時間は?
警護
「……てすが…
ダルトン
「さっきの現象とほぼ同時刻か…
ダルトン
「喋る魔具とペットは今どうしてる?
警護
「喋る魔具は王宮の外に。今はペットだけです。
ダルトンは警護への通信を切ると、別の場所に信号を送った。
「ジャキ様の部屋にいるペットを見張れ。そのペットの行動を記録し、私に報告しろ。これは極秘事項だ。決してペットとそれに関連する者達には気付かれるなよ。」
カエル
「ふう、王子様の気まぐれにまいるぜ。こんなにももぐられたのはいつ以来だっけ、げろろ」
カエルがジャキから開放され、クロノ達の元に戻った。途中、背筋がぴりっとしたが気にしなかった。
カエル
「あの王子様やばいぞ。オレにロボパンチを避ける遊びさせるんだからな。内蔵が飛び出たらオレの負けとか、んなこと言われても内蔵飛び出たら死んじまうぞ俺。」
ルッカ
「大丈夫よ。その時はきっとボッシュが治してくれるから。
ボッシュ
「いや、流石に内蔵飛び立ったら、ワシでも自信ないわ。
ルッカ
「ところで、カエル、貴方が王子の相手をしている間に当面の方針が決まったわ。私達は…
この時、カエルはダルトンに頭の中を覗かれた。小型の思考監視魔具をつけられていた。
この魔具は言語の違いを超えて思考そのものを読み取れる。
ダルトン
「まさか未来人がこの世界に来ていたとは…しかも歴史を変えようとする者が光に包まれて消えるような事が…だとすればジャキ様がジール様の命を狙おうと未来からやって来た事も、ある意味で納得できるが…」
ダルトン
「しかし、この天空都市が崩壊するだと…
そんな事になったら王の権威なんぞ、塵の様に吹き飛ぶぞ。私も今の官職を失うかもしれん。
海底神殿の建設にどれだけ税金を注ぎ込んだと思っている。奴らには死んでもラヴォスのコントロールに成功して貰わないとな…
でなければ今まで積み上げたコネクションが…」
ダルトンはこれまで国務を裏で牛耳ってきた。
王族や官職達をいつでも殺して成り代われる程の力をダルトンが属する組織は持っていた。
そのダルトン派の関係者がどれほど王宮内に潜むかジールやボッシュも知らない。
ただ、ジールは薄々と知っていた。
王宮ではいつ王族に謀反が起こってもおかしくなかった。
ラヴォスから大量の魔力を抽出する行為、魔神機によるラヴォスの利用は、そんな王宮の危機の中で生まれた。計画に大きな夢を抱いたダルトンとその勢力は計画を続行し続ける間だけは謀反を起こさない。ラヴォスのコントロールに必要なサラは国の要であり殺せない。サラを思い通りに動かすにもその血族は人質にする事はできても殺す事はできない。
ジールが計画のリスクを知りながら強行実行しているのは、王宮を守るためだった。
ジールが些細な事で失敗する者への大きな罰を与えるのも理由があった。ボッシュ達が裏で死刑を無かった事にしているのもスパイを使って知っていたし、些細なミスをした従者を王宮から追い出すのも、王宮がクーデーターで血に染まった場合に備えてだった。
王宮の従者を極力減らしたかったジールは暴君と成り果てるしかなかった。
魔力の無い者を地に追いやる政策も、元々、王権の意向に反目する派閥の提案だった。
ダルトンが王宮にいない頃から王宮内部には魔力で格付する差別主義者が多くいた。
ジールが生まれる前から差別体制が作られ
ジールの夫クトはその様な差別体制の中でジールと婚約し王宮に入った。
とはいえ、王族になるというのは死と隣り合わせである為、ジールは最初から浮気等の理由をつけて追い出すつもりだった。
魔法学的にいえば妊娠はセックスをしなくても可能だった。
危険と隣り合わせの王宮に命を生み出す事に大きな抵抗があったジールだったが、もし子供を作らなかったら、このまま跡継ぎは差別体制主義者に移行してしまい、ボッシュの様に裏で民を救済している者達もいずれ殺されてしまう。そうなれば本当の意味での魔力無き民への弾圧が始まってしまう。
ジールがジャキに冷たく当たり散らしたのも
愛してない姿を見せ、人質として交渉には使えないのだとダルトン派に思い知らせる為だった。
暴君ジール、誰もに気付かれることないが、実は誰よりも国の未来を考えていた。
ダルトンは誰よりもの保身を考えていた。
ダルトン
「暴君ジールは魔神機で民を危険に陥れる。しかし、それはある意味、私にとっては好都合か…」
ラヴォスが暴走して都市が消滅したとしても、それまでに人々を救出した実績を残せばダルトン自身の権威は保たれる。
ジール王は暴君として王宮からも民からも人望がない。ダルトンが海底神殿の陣頭指揮をとっているとはいえ、国民から見れば暴君ジールの命令に従わされている様にしか見えない。国民は救出実績を作ったダルトンを肯定的に見るはず。
〜念波〜
この時代、自身のメッセージを念にして飛ばせる距離は通常1m以内であるが、増幅装置を使えば不特定多数の誰かにも届けられる。
また念の質、つまりはボッシュの念の識別コードを載せて飛ばせる事もできる。
不特定多数とはいえ、念波を飛ばせる範囲は調節できる。
ボッシュは避難誘導に必要な念を込め、それを念波として使える魔具を沢山用意し、避難誘導に使った。
クロノ達、ガルディア軍もその魔具使った。。
ルッカ
「なんだ…。私、無線機必要かと思って沢山用意したけど不要じゃないの」
ボッシュ
「そんな事ないぞ、魔具は盗聴される心配あるが現代の無線機は大丈夫じゃて。ワシらがラヴォスに攻撃する計画を知られる様なことになれば、ワシらは邪魔されかねんからのう。」
ルッカ
「じゃあ、この魔具を使って直接連絡を取り合うのは危険ね。会話するのは無線機で。ということね。」
マヨネー
「なにこれ? 頭になにか入ってくる。」
ソイソー
「…
ビネガー
「魔神機の実験が失敗して都市が崩れるかもしれない? どういう意味ですか魔王様?
魔王は空を飛んで建物を駆け上がって、下を見た。
地上に避難していく人間達を見つめた。
魔王は地上に降りて、人々が向かう先へと自身も向かった。
雪が降る中、集まる人々。津波に対応する為にできだけ標高の高い中央に人々が集まっている。
魔学的につくられた魔法シェルターに人々が避難している。雪を凌げ、温度も快適に調節された空間に、地の民と天の民が仕切りを作る様に2つに分けてそこにいた。
地の民への差別心を持つ天の民
天の民への恐怖心を持つ地の民
2つがクッキリ区別されるように別けられている。
しかし、天の民の中には少数であるものの、地の民に「心配ないよ」と声をかけたり、天地関係なく、子供同士が遊んでいたりする。
作品名:現代風味のクロノトリガー(古代部分のみ) 作家名:西中



