アレンジクロノ(エイラ編)
「原始人ってもしかして、ロボくらいタフなのかしら
恐竜人達の奇声を奥から聞こえてくる。
ルッカ
「近わね、急ぎましょう」
クロノ達は恐竜人達の背後についた。
エイラを追いかける様に恐竜人が背を向けている状況。
その恐竜人達があっという間に倒れていく。エイラは格闘技の有段者の様にケリとパンチ、投げで華麗に舞う。
エイラは100体程の恐竜人を倒すと、更に次の部屋へと進んだ。
クロノ達も急いで追いかけた。
エイラが穴を降りるのに続き、クロノ達も降りようとすると、その先には、恐竜人ではなく、ティラノサウルスが待ち伏せていた。
エイラはティラノサウルスの存在に気付かずに穴に降りた。その部屋は逃げ道はなく、侵入者を罠にかける為の恐竜人独特の仕掛けだった。
エイラはティラノサウルスに明らかに苦戦していた。
ルッカ
「皆、魔法で掩護するのよ。」
クロノはサンダーを唱えた。
ティラノサウルスに電流が走り、動きが一瞬止まる。続けてマールがアイスを唱え、ティラノサウルスに霜が降りた。
「エイラ!」
ルッカの声に反応し見上げたエイラ。
ティラノサウルスが怯んでいる隙に、エイラはティラサウルスの背に飛び乗ってジャンプした。クロノが腕と一緒に、刀の鞘を穴の下に伸ばした。クロノ達は鞘に捕まったエイラを引っぱり上げた。
エイラ
「クロたすかった。エイラ、死ぬかと思った。
ルッカ
「エイラ、一人で行っちゃだめ。盗まれたのは、エイラのせいじゃない。
エイラ
「エイラ、恐竜人が憎い。村人おそう、いや
ルッカ
「待って一人ではダメだってば
ルッカはエイラの手をとり、共に進む様にと指図した。
クロノ達は慎重に先に進んだ。恐竜人がどこからともなく穴から湧いてくるが、チカラの差を感じているのか、襲ってこない。
クロノ達は穴を何度か降りて広まった部屋に出た。
石を削って作られた大きな椅子の前に、ひときわ目立つ服を着た恐竜人が立っていた。
そばにクロノ達から盗んだリュックがあり、ピストルを持っていた。
エイラ
「アザーラ、なぜ村を襲う!なぜ人間を襲う!
アザーラ
「お前達はこの大地に後から住み始めた。元々、このジャングルも含めお前達の住処も我々のものだ。余所者は排除されて当然だ」
エイラ
「アザーラ、私達にはこの大地で生きてはいけないのか。
アザーラ
「下等な猿は大地にはいらない。」
エイラ
「話し合うダメなのか? アザーラ、唯一、人間の言葉わかる。なぜ、そうしない
アザーラ
「人間の祖先は猿、我々の先祖は恐竜、世界の覇者は恐竜なのだ。ひ弱な猿がなぜ覇者である恐竜に服従しないのか。
エイラ
「…つまり、強い物なら従うという意味か
アザーラ
「大地のおきて、強い物が絶対!
エイラ
「なら今日こそ決着をつけよう」
アザーラは側にいたティラノサウルスの首輪を外して、奥の穴から逃げていった。
エイラ
「な、アザーラのやつ、卑怯…」
フロアにいる恐竜人数十人はパニックしていた。
この巣穴は構造上、出口はティラノサウルスの奥にしかない、恐竜人にとっても戦わずして、逃げきる事はできない。
「クロ! エイラが注意をひいてる間に逃げろ。」
エイラがティラノサウルスに飛びかかると、恐竜人達が、その隙に奥の穴へと向かった。
しかし、アザーラにより、穴は石で塞がれていた。恐竜人達も逃げ道を失った。
マール
「どういうこと?」
ルッカ
「恐竜人の王は、民を見捨てたということでしょうね…」
ティラノサウルスは興奮して暴れ回っている。長年鎖に縛られ、王に虐待されていたのか、身体中にも多くの傷がある。
マール
「ルッカ、あれもしかして、
ティラノサウルスの脇にルッカのリュックが落ちていた。中身は散乱している。火炎放射器も傍らにある。
火炎放射器が手元にあればなんとなるかもしれない。
「ロボ! 何とかしてあれとってこれない?」
ロボの足はそう早くない。ティラノサウルスのしっぽに、ふっ飛ばされてしまう。
エイラに火炎放射器を取って貰う様に伝えることはできない。エイラはティラノを惹きつけるので精一杯で、それどころじゃないし、言葉が伝わらない。
燃料をティラノサウルス直接かけてにかけて火をつけるか? そんな芸当は不可能だ。洞窟では煙の逃げ場がない。
考えている内に
ティラノサウルスのターゲットはエイラから恐竜人に移動した。
恐竜人に虐待された憎しみから、物凄い勢いで襲いかかった。
ロボがその隙に火炎放射器とリュックを取りルッカに渡した。
燃料を入れ、セットする。
「なんで!」
ティラノサウルスは火を怖がったものの、一時的だった。日頃、火を押し付けられる虐待をされていたティラノサウルスは火に興奮して、突進してきた。
恐竜人とクロノ達は逃げ惑う。
「エイラ!」
キーノの叫びが上から聞こえた。
キーノが縄を降ろしている。それに捕まれば上から出られる。
しかし、縄に捕まるのは恐竜人で、それに飛びつく様に、ティラノサウルスが突っ込んでくる。
縄は引っ張られ落ちてしまう。
クロノは縄の先に刀鞘を括りつけ、キーノに投げた。
キーノはキャッチするものの、一人ではクロノ達の体重を支えきれない
恐竜人がキーノの身体を後ろから掴んで支えた。それを見た恐竜人達次々と後ろにから支えた。
ロボは火炎放射器を持って囮となって走った。
その隙に恐竜人達が次々に救助される。
ルッカはリュックから銃を取り出そうとしたがピストルも弾もなかった。あたりを見回してもない。アザーラが持っていった。怪音波装置も無くなっている。
エイラは歌った。
ティラノサウルスに歌が通用するなて誰しも思わなかったが、次第に歌に導かれる様にティラノサウルスは大人しくなった。
歌の文化が恐竜人には無かったのか、恐竜人も歌に意識を向けていた。
エイラは歌いながら、ティラノサウルスの背に乗って頭を撫でた。
傷跡をなぞるように撫でた。
足を崩してティラノサウルスは腹を地面につけた。
エイラは飛び降りると首の下を撫でた。
首輪が食い込んでいた跡を入念に撫で回した。
「クロ! エイラしばらくここにいてこいつの面倒を観ようと思う。キーノと一緒に先に村に帰ってててくれ」
クロノ達は、穴から脱出した。恐竜人達はクロノ達を威嚇することなく、無事に地上へと出られた。
マール
「人間と恐竜人、仲良くなれたらいいよね。
ルッカ
「そうね…、まさか恐竜を手懐けちゃうとは思わなかったけど、あれ見たら流石の恐竜人も人間に一目置くんじゃないかしろ
マール
「それにしても、あの洞穴にどうやって巨大な恐竜を入れたんだろ?
ルッカ
「きっと子供の頃とか卵の時点で連れて来られたのね。穴の中で外の光を一度も見ることなく、大人に成長したんだと思う…
マール
「エイラ、これから、どうするんだろ? ずっとあそこに恐竜と一緒にいるのかな?
ルッカ
「どうだろ、流石にそれはないと思うけど…
キーノ
「あの恐竜、そう長くない。多分もうすぐ…
作品名:アレンジクロノ(エイラ編) 作家名:西中



