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zoku勇者 ドラクエⅨ編14 悲しきリブドール・1

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あっさり諦め、皆の所へと戻っていった。

「まあ……」

「はあ、な、何なんでしょう、あの玩具は……、最近の玩具は
訳が分からないですね……」

「私の誘いを断るなんて……、信じられない!例え変なお顔の
お人形さんだって許せない!あんなお友達こっちからお断りだわ!!」

「あ、マキナお嬢さん、キャンディーは……」

「要らないわ!あなたが食べたらいいじゃない!私、気分が悪いの、
折角のお散歩だったのに!帰ります!!」

「は、はあ……」

マキナは去って行く。その様子をキャンディーワゴン屋の店主は
汗を掻きながら見つめていた……。

その夜。ジャミル達はサンマロウの宿で食事を。メニューは蒸し鶏の
シチュー、サラダに、パンにデザートと沢山でボリューム満点。

「シチューかあ、リッカを思い出すなあ……」

「どうしてるだろうねえ……」

「そうね、きっとお店は大繁盛、お客さんも沢山で毎日大忙しで
頑張ってるわよ!」

「たまには会いに戻ってもいい頃じゃないかな?きっと心配してるよ、
君の事、もうルーラがいつでも使えるんだしね」

「そうだなあ……、こうしてみると、俺らも随分と遠くまで
来たんだなあ……」

と、懐かしい話題で食卓のテーブルに花が咲く。ふと、ある事に
ジャミルは気づく。……モンが全然食事に手を付けていない事に……。

「……」

「おい……、モン……、どした?」

「モン……」

4人の視線が一斉にモンの方にと……、見られて嫌なのか、モンは
いきなり大口を開け牙を向いた……。

「どうせモンは変な顔モン!デブ座布団だモン!……シャアーーっ!!」

「おいおいおい!どうしたってんだよっ!」

「モンちゃん、止めなさいっ!他のお客さんが見たらびっくり
しちゃうでしょ!」

「ブギャーモンっ!!シャアーーっ!!」

アイシャが注意するが、モンは4人を威嚇するのを止めない。そして
アイシャが最近、モンを見ていてもう一つ気になる事があった。
成長の為なのか、気性が段々荒くなってきているのである。人間と
会話が出来、言葉を理解出来ると言ってもやはりモンは本来
モンスターなのだと言う事を常に忘れてはいけないのかも知れなかった。

「まいったなあ~、何が気に要らねえんだよ、言ってみ?おい」

「モンブモンブ!!」

「ぎゅ、ぎゅっぴじゃなくて……、今度はモンブ……」

「これって反抗期……?……チビちゃんにもあったしねえ……、
だけど……」

「いいわ、モンちゃん、いらっしゃい、私とお散歩しましょ、
さあおいで!」

「……イチゴのでっかいキャンディー買ってくれるモン……?」

「いいわよ、だからお外に行きましょ!!」

「モンーーっ!」

モンはころっと機嫌が良くなる。アイシャは自身の食事もそこそこに
出て行こうとした為、ジャミルが止めようとするが、戻ったら食べるから
出来たらお部屋に運んでおいて貰えると嬉しいかなと言ってモンを連れ
外に出掛けて行った。……残された男性陣はモンを注意出来ない
情けなさに申し訳なくなった。

「おい、サンディ……」

(何……)

ジャミルは自分の中にいるサンディに呼び掛ける。サンディは発光体の
まま姿を現す。

「お前、またモンに何か言ったんか……?」

(知らないってのっ!第一、普段デブ座布団て言ってもあんなに
怒んないよ!アンタらこそ何か思い当たる事あるんじゃネ!?)

男性陣は逆にサンディに突っ込まれて困るが、何も思い当たらず……。

(いい、アイツは本来モンスターなんだよ!?最近やたらと凶悪に
なってる様な気がするし!……頭はどんどんバカになってくみたい
だし!……そろそろ距離を置くことも……、考えた方がいいんじゃネ?)

「……」

サンディはそれだけ言うと再びジャミルの中に姿を消す。サンディの
言葉を聞いたジャミルは暫くの間黙っていた……。

「そう……、だな……、忘れてたな、あいつも本来は一端の
モンスターだって事さ……」

「ジャミル、モンに関しては暫く様子を見て見守ってあげよう、
モンは僕らと話が出来るんだから、これまで一緒に旅をして
来た大切な仲間だろ?」

「困った事する事も多いけど、オイラ達、モンに何回も
助けられたのも事実だしね……」

「ああ……、そうだよな……」

アルベルトも、モン太鼓ちんぽこの被害者ダウドもそうフォロー
してくれ、ジャミルは少し安心するのだった。

「ほーらモンちゃん、見て見てー!街灯の明かりが付いたよ、綺麗ねえ!」

「モンー!」

アイシャはモンを連れて夜の町へ。モンもさっきよりは機嫌が
良くなって来ていた。だが。

「いらっしゃい、いらっしゃーい!甘くて美味しいキャンディー
いかがー!」

昼間のキャンディーワゴン屋である。まだ本日分の在庫があるのか
夜間でも商売を続けていた。

「彼所で買って食べようか、ね?美味しそうね!」

「モン、あそこのお店嫌モン……、他のお店がいいんだモン……」

「え……、ええ?」

モンは我儘を言い出し、拒否る。昼間其処でマキナに馬鹿に
された為、事を思い出すのかあのワゴン屋で買って貰うのを
嫌がる。しかし、アイシャは事情を知らないので、モンが又
機嫌が悪くなったのに困ってしまう。お菓子を売っている他の
店はもう何処も今日は店を閉めている。

「モンちゃん、お菓子屋さんも雑貨屋さんも今日は何処もお店は
お終いよ?我儘言わないの!どうして嫌なのか分からないけど、
彼所のワゴン屋さんが駄目なら今日はもう帰るわよ……」

「やーモンやーモン!アイシャ、イチゴのキャンディー買って
くれるって言ったモン!買ってくれなかったらアイシャは嘘つき
モン!シャアーーっ!!」

モンは再びアイシャに向け大口を開ける。それを見たアイシャは
びっくりし、怒ってしまう。

「嘘つきって……、酷いわ!モンちゃん、どうしてそんな事言うのよっ!!」

「……シャアーーっ!!」

「ぬいぐるみの持ち主はお嬢ちゃんだったのかな?おやおや、
最近のぬいぐるみは本当に良く出来てるんだねえ!ケンカまで
出来て言い合うなんてね、まるで本当の人間の子供の様だなあ、
はっはっは!」

「あの……」

アイシャの大声が聞こえたのか、ワゴン屋の店主が反応し声を
掛けた。アイシャは困って顔を赤くするのだった。

「シャー……」

「モンちゃんっ!!」

モンは店主まで威嚇。……アイシャは再び大声を出さねば
ならなかった……。

「それにしても凄いぬいぐるみだ、あのマキナお嬢さんに
怒るんだからなあ~」

「……マキナお嬢さん……?」

一体誰……?と、アイシャがきょとんとしていると、モンは
アイシャに飛び付き、……そのまま胸に顔を埋める……。

「モン、マキナ嫌いモン、意地悪だモン、……モンの顔見て
変な顔って……、笑って何回も言ったモン……」

「モンちゃん……?」

「さて、そろそろ店を閉めるか、こんなに在庫は残ってるけど、
くたびれちまったからな、これ一つずつ、お嬢ちゃん達にあげよう、
じゃあ、お休み……、それ食べて仲直りしなよ」

「あの、困ります!お金はちゃんと払いますから!」