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zoku勇者 ドラクエⅨ編14 悲しきリブドール・1

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しかし店主はいいからいいからとアイシャ達に手を振り去って行った。
アイシャはどうしてモンが機嫌が悪くなったのか段々分かって来た。
昼間、モンは此処の場所でマキナと言う子に恐らく意地悪を言われたの
だと。詳しい状況は分からないが……。

「モン~……」

「……モンちゃん……」

「そうか……、モンはその……、マキナって奴に嫌味言われて
いじけてたのか……」

「うん、そうみたい……」

宿屋に戻ったアイシャはロビーテーブルにて先程の事をジャミル達に
話した。アイシャがモンを連れて宿に戻って来た時は、モンはアイシャに
抱かれたまま眠ってしまっていたのだった。

「ぐう~、ぐう~、……プウ~モン……」

「モン、お部屋に寝かせて来たよお、ぐっすり眠ってるから当分
大丈夫だとは思うけど」

「わりィな、ダウド、手間掛けさせちまってさ、アイシャも大変だったな、
疲れたろ……?」

「いいえ~」

「大丈夫よ!私、モンちゃん大好きだもの!これくらい何て事ないわよ!」

「そ、そうか……、そう言って貰えると有り難いな……、さて……、……」

「……」

モンは眠ってくれたが、4人はテーブルで顔を見合わせたまま、
そのまま会話なく……。暫く無言だった。

「とにかくだ、此処は船を手に入れに来たんだから、何時までも
此処にいる訳じゃねえし、……この町を離れればモンもすぐに
忘れるだろ……」

「そうだね、とにかく明日町を回ってみよう……」

「事が済めばモンも大丈夫だよお……」

「とっても素敵な町なのに……、モンちゃんには嫌な思い
させちゃったわね……」

(……ふん、何処の誰だか知らないけど、デブ座布団と勝負
出来るのはアタシしかいないんだからっ!!)

「……」

翌朝。早朝から4人は船の情報を求めて町を歩いて回る。モンを
宿屋に残しておく訳にいかず、連れて歩いているが、相変わらず
機嫌は悪いままだった。ダウドの頭に乗り只管ジト目で、町を歩く
4人を高みの見物状態で見ていた……。

「これはいつも通りなんだねえ~、とほ~……」

「わりィな、ダウド、いつもいつも……」

「……いいえ~……、これがオイラのお仕事ですものー、あ……」

……ぷう~う……

「ふんだモン……」

「いいんだよお……、ううう~……、おならの1発や10発……
あうう~……」

「は、早く船を譲って貰える所を見つけないと……、あ、あの、
すみませーんっ!」

「ん?何だね?」

アルベルトは路上で早朝から体操をしていたおっさんに声を掛けた。
おっさんはゴリラ体操をしていた手を止め、4人に近寄って来る。

「すみません、僕ら、この町で船を譲って貰えると聞きまして……」

「ああ、船が欲しいのか、船を所有しているのはこの町の大富豪の
お嬢さん、マキナさんだよ……」

「そうか、マキナ……、……えええーーっ!?」

マキナ……、の、出て来た名前に4人はおったまげる。ジャミル達は
まだ顔を拝んでいないが、昨日モンに嫌味を言ったらしき、話に聞いた
美少女が船の所有権を握っているのだから……。

「何、大富豪の娘さんって言ってもな、とても心の広いお方だよ、
あの方はいつも自分の友達を求めているんだ、一旦友達になれば
欲しい物はなんでもくれるぞ、船だって不可能じゃない、とにかく
一度屋敷を尋ねてみるといいよ……」

「はあ……」

おっさんは広い場所で体操を再びしようと移動して行った。
……歩いて行くおっさんの後ろ姿をアルベルトはぼーっと眺めていた……。

(いいじゃん、いいじゃん、ネ、早くそのマキナお嬢さんの所
行ってみよーよっ!自分達の船があれば世界中何処でも回れる
んだもン!女神の果実も探すのにチョーベンリなんですケド!ネ、
だから早くいこ、ジャミル!)

昨日までサンディもマキナの話を聞いてあまりいい顔はしていなかった。
が、船の所有者がマキナと聞き、ころっと態度を一心、早く屋敷に
行こうと急かす。

「あのな……、んな簡単に行かねーっての!みてみろあれっ!!」

「……シャー……、モン……、マキナの家なんか絶対行かないモンっ!!
シャアーーっ!!」

「モ、モンちゃんっ!落ち着いてっ!!今日はちゃんとイチゴの
キャンディー買ってあげるから!!」

「要らないモンーーっ!!」

「あだ!あだだだっ!モンーーっ!暴れないでよおーーっ!!」

モンはダウドの頭の上で暴れ出す。アイシャはモンを止めようとするが、
怒りのモンは今回、大好きなキャンディー買収でも止められそうになかった。

(何よ!船さえ貰っちゃえばいいのよっ!アンタ少しは我慢しなさいよっ!
このデブ座布団っ!!)

「シャギャーーっ!!」

「こらガングロっ!刺激すんなっ!!」

「あう~、駄目だよこれじゃあ……、モンは何とかオイラが見てるから……、
その間に皆はマキナさんの所に行って来てよお~……」

「モギャーー!おしりふーりふり!モンガモンガ!!」

ダウドは疲れた様な目で他の3人に訴える。このままではモンを屋敷に
とても連れて行ける状態ではない。ダウドの言うとおり、モンは任せて
宿屋で待っていて貰うしかなかった。

「わ、わりィなあー、本当に……、何から何までよ……」

「……モン、マキナのお家に行かないなら大人しく待ってるモン、
ダウド、行こうモン」

「うん、じゃあ……、でも本当、なるべく早く戻って来てよね……」

ダウドはモンを連れ宿屋へと引き返して行った。残ったトリオは
顔を見合わせ、一刻も早く船の手配の交渉に行こうと頷き合う。

「けどなあ~、そのマキナってお嬢がどんな奴なのか気になるな、
友達探してるとかちょっとなあ……」

「うん……」

「お屋敷に行く前に事前情報が必要かしら……」

モンを預かっているダウドには申し訳ないが、トリオは屋敷に行く前に
マキナの評判、人物像などを町の人に聞いて見て回る。話によると、
彼女は相当変わり者らしく、あるお宅の飼い犬を見て、どうして
この方達は毛皮を着てベロを出しているのかとか、そりゃ犬だから
……と、言うと、まあ、この方はイヌさんとおっしゃるの?……と、
真顔で言ったらしい。また、ある町民が外で用を足している時に
横から覗いて、まあ、どうしてあなたにはタケノコが付いているの
かしら?……、と。

「……大丈夫かな、マジで……」

「とにかくお屋敷に行ってみよう、行ってみない事には……」

「大丈夫よ、きっと……」

トリオは屋敷の場所を町民から聞き、屋敷までの道を歩き出す……。
とにかく何とか友達になって貰って船を手に入れればいいのだから。
後はサンマロウを離れてしまえば。もう、マキナとも会う事も
ないだろう。そう思っていた。だが、やはりそんなに上手く事が
進んであっさり終わる筈が無い事をトリオは何となく予感していた……。

トリオは町民に教えて貰った通り、北にあるマキナの屋敷まで
やって来る。……其処には列を作り、押し合いへし合いでずらりと
並ぶ人々の長蛇の列の光景が……。

「マジですげえ人気なんだな……」

「本当に……」

「マキナ様、ぼくのプレゼント、気に言って貰えるといいな!」