天空天河 十
やはり景琰には無理だ、、ハァッ、、、ハァッ、、、。」
苦しさの中、やっと言葉を綴る長蘇。
靖王は、胸を押さえ苦し気な長蘇を引き寄せ、そして身体を支えた。
「、、、なんか、、、ごめん。」
つい謝る靖王。
長蘇は靖王に身体を預け、腕を回して、浅い息をして、靖王の胸に顔を埋(うず)めている。
靖王を見上げて、潤む長蘇の目が、靖王に縋っていた。
『毒を盛るなら、一気に盛れ』
と、長蘇は少し怒っているようにも。
薬が効かないとみて、長蘇は自ら大きな器で茶を飲んだのか、靖王はそう思った。
━━小殊は私の謀に乗ってくれたのだ。━━
苦し気に浅く息をする長蘇を抱く。
苦しさに堪らず、靖王の首に腕を回し、靖王の身体にしがみつく。
長蘇の腕が袖から溢れ、靖王の首に長蘇の体温が伝わる。
長蘇の熱い肌を感じて、完全に薬が身体に渡ったのが分かった。
「、、ぅ、、、景、、、、ァッ、、ッ、、、。」
「今、楽にしてやる。」
靖王は長蘇の熱い身体を抱え上げて運んだ。
───────十六章 覚悟 終────────



