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zoku勇者 ドラクエⅨ編15 悲しきリブドール・2

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町中を歩き回っていた。……夜中にアイシャが盗賊達に捕らわれて
しまった事実を知る由も無く……。

「……はあ、何か頭痛えなあ、どうしたんだか……」

「どうしたんだい、ジャミル、しっかりしてくれよ、……君まで
倒れたら……」

「……だ、大丈夫だっての、軽い頭痛だから……」

ジャミルは自分を心配そうに見つめるアルベルトから目を反らし
早足になる。この時、うっすらと悪寒を感じていたのである。
……又アイシャに何か良くない事が起きたのでは無いかと……。

「ん?港か……、気がつかねえ内に……」

「船だ……、凄く大きな船だね……」

歩き回っている内にいつの間にか二人は港まで来ていた。停泊している
立派な大きな船。この船がマキナの屋敷で管理している物なのだろう。

「ほほう、お前さん達、この船に興味があるのかい?どうだい、立派な
船じゃろうて……、この船はかつて沢山の荒波を乗り越えた船じゃよ……」

「あ、ああ、こんちは……」

「どうも……」

港にて船を見つめていた老人がいた。どうやらこの船の元船番らしかった。

「儂もかつては高台にあるお屋敷に船番として雇われておった、この船は
お屋敷のかつての大商人であった旦那様が所有していた船じゃ、だが、
旦那様も奥様もお二人とも亡くなられてのう、もうこの船を動かす者は
誰もおらぬ、……今この船の所有者は一人娘のマキナさんになっておるよ」

「うん、その話を聞いてこの町に来たんだ、俺ら船をどうしても譲って
貰えないかと思って……」

「なんと……、そうじゃったか、ならばお嬢さんと交渉してみると良い、
お嬢さんは優しいお方だよ、快く船を譲ってくれるよ」

(……優しいねえ……、何処がだよ……)

「……オ、オホン!」

変顔になり考え込んでしまったジャミルを慌ててアルベルトが突いた。

「ええ、僕達、一度その事でお屋敷に足を運んだんですが、お嬢さんを
怒らせてしまって……」

「何と……」

二人は交渉に失敗し、マキナを激怒させてしまった事、マキナと何とか
話をして貰えるかも知れない元乳母の自宅を探している事を老人に伝えた。

「そうか、儂も屋敷を辞めてから余り詳しい事は分からんが、近年の
お嬢さんの豹変ぷりは何となく耳にしておるよ、だがの、これだけは
言っておくよ、マキナお嬢さんは本当に心の優しいお方じゃよ、儂は
信じておるよ、きっと、旦那様達が亡くなられてから、お嬢様もお辛いん
じゃろうて……」

「そう……、ですね、そうかも知れませんね……」

アルベルトの言葉に老人も暫く黙り込む。だが、直ぐに又話を始めた。

「お嬢様の元婆やさんなら、お屋敷からさほど遠くない場所に住んでいる
筈じゃよ……」

「……」

ジャミルとアルベルトは顔を見合わせる。あれだけ苦労したのに、目指す
場所はさほど難しくなかったと言う事実。だが、昨日もモンが倒れるわで、
ジャミル達は相当バタバタしており、碌に頭も回らなかった……。

「爺さん、有り難う、俺らもう一度屋敷近辺で聞いてみるよ……」

「ああ、お嬢さんを宜しく、どうか仲良くしてやっておくれ……」

ジャミルとアルベルトは町の者から良く話を聞き、漸くマキナの
元乳母の自宅へ……。

「此処だ、間違いねえな、あの、すいませーんっ!」

「はあ~い、……おや……」

「あの、あんたがマキナ穣さんの元乳母をしてたって言う
婆さんかい……?」

ジャミルが玄関で声を掛けると、タマネギヘアの老婆がのそのそと
出て来た。

「はい、いかにも……、私は確かに昔、お屋敷でマキナお嬢様のお世話を
しておりました元乳母ですが……」

「……僕達、実は……、マキナさんを怒らせてしまったんです……」

二人は屋敷での件を元乳母に話す。元乳母はかなり驚いていた
様であるが……。

「ええっ?お嬢様が……、お部屋にお引き籠もりになられてしまったと……、
それは心配だわ……、ですが……」

「何とか頼めないかな、婆さんなら穣さんと話をして貰えるかもって
聞いたんだ……」

「お嬢様はご病気が治った後、別人の様に気難しくなられてしまって……、
屋敷の使用人達とも碌に口もきかない有様になってしまいました、
此処に来て初めてのあなた方と打ち解けないのも無理がないでしょう、
私でも多分無理だと思いますわ……」

「だ、駄目か……」

「……」

二人は肩を落としかける。折角此処まで来たのに……。やはり後は
アイシャに全て任せるしかないのだろうかと……。だが、その肝心の
彼女も今……。その事実をジャミルもアルベルトも今は知らず……。

「ですが、たった1人だけ……、お嬢様が心を開いている方が
いらっしゃいます、教会の隣に住んでおられるからくり職人の
お爺さんです、あの方がマキナお嬢様に作ってプレゼントした
お人形をマキナお嬢様はとても喜び、大切にしておられました、
その職人のお爺さんなら、きっとお嬢様も必ず会って下さる筈です……」

「ジャミル、今度はそっちだ!すぐ行こう!」

「分かったよ、けど、何かたらい回しだなあ~……」

二人は元乳母にお礼を言い、今度は教会の方へと慌ててヒーコラ
すっ飛んで行った……。

「いらっしゃい、お客さんかね?儂はかつてこの工房でからくり職人と
して仕事を熟していた、だが、儂は今、肝心の前仕事の方は辞めて
しまったのだよ……、歳も歳だしな……」

「あ、父の方は営業はしておりませんが、僕の方の商品なら、どうぞ
見ていって下さい……」

家の中に入ると、親子が二人。からくり職人の爺さんはもう仕事は
していないらしかったが、息子の方は防具職人らしく、足などを
保護する防具品を取り扱っていた。

「……頭……、老後の、ミ、ミスターサタン……、あいてっ!?」

「ジャミルっ!……え、えーと、僕達、お聞きしたい事がありまして、
その、マキナさんの事についてでして……、あなたは昔、マキナさんに
人形を作ってプレゼントしたと聞きましたが……」

また暴言を垂れそうになるジャミルの脇腹をアルベルトが抓る。
アルベルトからマキナ……、と、聞き、爺さんは最初きょとんと
していたが、直ぐに我に返る。

「ああ、確かに儂が昔お嬢さんに人形を作ってプレゼントしたが……、
何故旅人のお前さん達がその話を……?」

「俺達、マキナ穣さんの乳母さんから聞いたんだよ……」

「そうか、乳母殿が……、それにしても懐かしい話だ、だがまた、
どうしてその話が出てくるんだね?」

「……実はさあ~……」

二人はこの爺さんにもマキナの件を聞いて貰う。自分達の所為でマキナが屋敷に
引き籠もりに走ってしまった事を……。

「そうか、お嬢さんがヘソを曲げて……、それは心配じゃのう……、
じゃが旅の方、あなた方は気にする必要は無いよ、何せ事情を
知らなかったのだからな、どれ、儂が行ってお嬢さんと話を
してみよう、……お嬢さんは偉く儂の事を気にいってくれて
おってな、使用人達を屋敷から追い出した後も、儂だけは
お屋敷に招いてくれたり、自分から出向いて工房に尋ねに
会いに来てくれたんじゃよ……、どら、行こう……」

「ジャミル、良かったね!これでやっと……」